並でも1kg、1.5倍盛りなら2kg超え! 新橋・三芳八の名物「納豆ちゃんぽん」を食べてきた!

<“デカ盛り”発見伝!>

美味しいものをお腹いっぱい、思いっきり食べたい…。実際に食べられるかどうかは置いておくとして、漠然とそんな気持ちが常にどこかにあるのが世の男たちではないでしょうか。そして、そんなロマンを叶えてくれる、“デカ盛り”と呼ばれるメニュー。我々&GPが見つけてきた、ワンパク“デカ盛り”メニューをぜひご賞味あれ!

*  *  *

至るところに大盛り、デカ盛りメニューが存在する新橋エリア。そこは大食いサラリーマンの皆さんにとって、リーズナブルなお値段でお腹いっぱいになれる至福の街。

今回、JR新橋駅のゆりかもめ口から徒歩1分、駅の向かいにある新橋駅前ビル1号館地下に行列必至の店があると聞き、早速向かった「三芳八(みよしや)」。夜は居酒屋、昼は長崎ちゃんぽんや皿うどんが人気のお店です。

▲テーブル席が並ぶ店内。開店と同時に満席になるほどの人気店

メニューを見ると、「長崎ちゃんぽん」(900円)の隣に書かれた「当店オリジナル大人気!! 納豆ちゃんぽん」(1000円)の文字が! ちゃんぽんに納豆!? 想像を超えた組み合わせです。しかも小粒or大粒まで選べる模様。納豆ご飯、納豆巻きなどご飯とは寄り添ってきた納豆が、まさかちゃんぽんのトッピングになっているなんて!

そして、今回の目的もちゃんとあります。「各種大盛は1.5からチャレンジ」の文字。実はこのお店、長崎ちゃんぽんや皿うどんのデカ盛りが食べられるんです。しかし、大盛りを頼むには、まず1.5倍をクリアしないと注文できない、とのこと。

▲こちらがメニュー。+200円で1.5倍も大盛りも食べられるって、すっごい良心的価格。デカ盛り愛を感じます

大盛の場合3kg近いとの記載が。これは期待度がグッと上がります。とはいえ、いきなり大盛りは頼めないので、まずはルールに従い1.5倍をすっごく気になる「納豆ちゃんぽん」で注文してみることに。

予想だけれど、大盛りが3kg近いのであれば1.5倍は確実に1kg超えてくるはず。それを一度クリアしなくちゃ大盛りを注文できないってことだし、果たしてどんなボリュームでどんな味なのか、ワクワクしながら待ちます。

■想像を超えたボリューム! 「納豆ちゃんぽん1.5倍」2134g!

▲「納豆ちゃんぽん(大粒)」(1000円+1.5倍200円)。ハートのかまぼこは女将からの愛情!?

待つこと数分。目の前にやってきたのは…で、でかい、ど迫力のちゃんぽん。そして納豆もがっつり載っている! さぁ、早速計測です。直径約25cmのどんぶりに、高さ約12.5cm、重さは2134g(器の重さを除く)。

ほぼ洗面器サイズの器に、ハートのかまぼこやエビ、野菜、納豆などが載っていて具だくさん! しかもすっごくいい香り。穴あきレンゲも添えられています。「最後の一粒まですくえるようにね♪」と話すのは女将の由美さん。なるほど〜。納豆愛も感じます。

▲大盛りの手前、1.5倍で2kgを余裕で突破! もしかしたら大盛り、3kg台半ばぐらいあるのかも。これで1100円は素晴らしい!

「具はキャベツ、ニンジン、キクラゲ、もやし、小松菜、長崎かまぼこ、豚肉、イカ、エビ、アサリ、ネギ、そして納豆です。野菜たっぷりだから意外とヘルシーなんですよ」と女将。ハート型のかまぼこに愛を込めているご本人です。

大盛りの手前、1.5倍でも2kg超え。なんでこんなボリュームに?

「先代店長のサービス精神が代々受け継がれたのと、お客様もリピーターが多くて、やめられなくなったんです(笑)」

なるほど。これを求めてやってくるファンが多い、ということなんですね。

▲高さ約12.5cm。器の直径は約25cm! スープもたっぷりで、どんぶりを持ち上げるのに一苦労!

早速一口! スープはほんのり甘く、そして旨みたっぷり。トッピングの野菜はシャキシャキ、そして時々やってくるアサリやエビもいい! 中から出てきた麺は中太ストレートのちゃんぽん麺。程良くスープと絡まり、口一杯に美味しさが広がります。

「うちのちゃんぽんのウリは、麺やスープ、長崎かまぼこを本場・長崎から取り寄せて、自家製豚骨スープを朝から煮込んだものと融合させているところですね」

豚骨スープなのに脂っこくない。やさしい味わいです。しかし、いくら麺をすすってもスープを飲んでも、見た目的に全然量が減らない! おまけに熱々。思わずうれしい悲鳴を上げてしまいそう。

▲ストレートのちゃんぽん麺、そしてほんのり甘さを感じる白濁のスープ。納豆、意外に合う!

そして素朴な疑問。夜は居酒屋さんなのに、なぜ昼限定でちゃんぽん?

「先代の両親の時代から出しているんですけど、父も母も長崎出身ではありません。実は、メーカーさんにいい麺とスープがあるよって紹介されたのがきっかけなんです。それと、母は熊本出身で、ちゃんぽんもよく食べていたので(出してみようかなと)」

なるほど。確かに、熊本にもちゃんぽんを食べられるお店がいっぱいありますもんね。

「作り方も長崎流とは少し違って、東京スタイルの作り方をしているんですよ」

長崎流の作り方をすると時間がかかってしまうので、東京流にしているとのこと。ランチタイムには100食以上の注文が入るので、なるべく早く出せるようにしているそうです。

▲普通サイズのちゃんぽん(左)と、1.5倍(右)。明らかに1.5倍以上ある気がする

「ちなみにこれが普通のサイズですよ〜」と出してもらった「納豆ちゃんぽん(小粒)」(1000円)。並べてみると、どう見ても1.5倍以上のサイズ!

気になって計測したところ、直径21cmの器で重さは1213g(器の重さを除く)。女将! 1.5倍じゃない! 約2倍です! これでも十分デカ盛り。衝撃の事実発覚です。

「うち、普通でこのサイズなんです」とニッコリ。

「常連さんが食べにきたことのない会社の後輩を連れてきて、お前は大盛りにしろ。なんて言ってることがあるんですが『パワハラはダメ!』って注意しているんですよ〜」

確かに知らない人にいきなり3kgを出したら、そりゃ出された側はエライコッチャです。

▲女将の由美さん。由美さんの笑顔を見たくてお店に通う人も多いそう。もちろん1.5倍や大盛を完食すると褒めてくれます

「うちのちゃんぽんはね、食べているとどんどん熱くなるんですよ。それでもお客様の中には湯気が出ている熱々のまま食べ切る方もいるんですよ」

熱々なのに早食いで、しかも大食いということ? 新橋のサラリーマン、恐るべし…。

「皆さん、満たされて帰っていきますね。中には眠くなっちゃうよ〜、と言われることもあります」

ですよね〜。一気にこの量を食べたら、満腹すぎて眠気が襲ってきそうです。

▲卓上に置かれている金蝶ソース。皿うどん用ですが、中にはちゃんぽんにかけるお客さんも

ちゃんぽんがこのボリュームってことは、皿うどんも同じくらいボリュームがあるの?

「ですね〜。卓上には皿うどん用に『長崎生まれの金蝶ソース』が置いてあるので、ぜひそれをかけて味わってほしいですね」

このソース、昭和16年の発売以降、長崎の皿うどんには欠かせないと言われているウスターソース。長崎出身者や皿うどん好きにはうれしい限り! そういえば、メニューを見て気になったのが「残したらお仕置きよっ」の文字。もしかして残すとペナルティーが?

「いえいえ、罰金とかはありません。でも完食した時に『食べ切ったよ』と声をかけてもらうので『おりこうさん♡』って言うと、とっても喜んでもらえるんですよ」

おお〜。確かに大人になって「おりこうさん」なんて言ってもらえたら、思わず笑顔になってしまうのもわかる気が。大食いサラリーマンの気持ち、掴んでるなぁ。

▲ハート型のピンクのかまぼこに納豆、そしてエビやアサリ、野菜たっぷり。脂っこくないのもあり背徳感はかなり低め

両親の代から兄弟で会社経営をつなぎ、頼もしい店長はじめスタッフと、女将の由美さんで営業している「三芳八」。ちゃんぽんはランチタイム限定で、皿うどんは15時以降も食べられますが大盛り不可とのこと。そして、少食の方や好き嫌いがある方のために、苦手な具材を抜く、麺半分や野菜半分などのオーダーもできるそうです。

大盛り手前の1.5倍で2kg超えのちゃんぽん。この店の大盛りを頼むには、やはり3kgを超える量をぺろっと完食できる“胃力”がないと無理なよう。

初めて行く人は、麺控えめまたは野菜控えめで注文しておいたほうが良いかも…と思われる、ボリューム満点のちゃんぽん。今度は皿うどんも調査したいと思います!

「三芳八(みよしや)」
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B104
TEL:03-3571-2528
営業時間:11:30〜23:00、土曜12:00〜20:00 ※ランチLO 15:00
定休日:日曜、祝日

>> 【連載】“デカ盛り”発見伝!

<取材・文/いしざわりかこ 撮影/小嶋 裕>

 

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