サイトアイコン IT NEWS

前後サス周りを塗装&組み立て後、アンダーパネルに取り付け【達人のプラモ術<ポルシェ911 GT3 RS(992)>】

【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/24 ポルシェ911 GT3 RS(992)」
03/06

話題のタミヤ「1/24ポルシェ911 GT3 RS(992)」がいよいよ発売となりました! すでに模型店の店頭に並んでいますね。興味にある方は店頭で手に取って見てください。さてポルシェ911GT3の製作レポート第3回となる今回は、フロントとリアのアップライト(レーシングカーでいうところのホイールを支えるサスペンションの構成部品)を組み上げていきます!(全6回の3回目/1回目2回目

▲いよいよ発売!ポルシェ911 GT3 RS(992)

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

■ボディのリペイント完了!

前回、塗装直後に床に落として台無しにするというアクシデントで、塗装をやり直すことになったボディですが、塗装を無事リペイントが完了しました。

リカバリー作業は塗料を落としたボディを乾燥(24時間)→ホワイトサーフェイサーで下地塗装(24時間乾燥)→改めてTS-47 クロームイエローで塗装(24時間乾燥)の順で行いました。

ボディのリペイントは、焦りは禁物です。それぞれの工程でしっかりと乾燥時間を取ることが、塗装をキレイに仕上げる大事なポイントになります。

▲傷ついた塗料を洗い落して、改めてTS-47 クロームイエローリペイントされたボディ。光沢も問題なし

▼溶剤(ラッカー薄め液)を使ったボディの洗浄に関して

溶剤を使ったボデイの洗浄に関して、多くの方から質問をいただきましたので、改めて解説しておきます。

前回、塗料を落とすためラッカー塗料の薄め液を使ったボディ洗浄ですが、本来は溶剤に強いレジンキットやメタルキット洗浄で行うものです。プラモデルのボディを溶剤に漬け込んでの洗浄は、プラの劣化のリスクがあるので基本オススメしません。

今回、ボディの形状が複雑なので、キムワイプ等(※)のウエスに溶剤を浸しての塗料拭き取りに限界があり、あくまでも緊急回避的に溶剤洗浄おこないました。ボディの塗料もまだ乾いていなかった状態だったということもあり、洗浄で塗料はすぐに落とせたので、溶剤の浸透によるプラの劣化も最低限に抑えられています。

▲模型製作や塗装の際に細かな繊維くずが出ないので、ウエスとして使用されるキムワイプ。模型店やホームセンターで購入できる。塗料の拭き取りに繊維くずが出るティッシュペーパー使用は基本NG。写真のキムワイプS-200の市場価格:150円~200円

 

■フロントとリアのアップライトの製作(工程3~8)

リペイントしたボディをじっくりと乾燥させている間に、インストの1番に戻って、アンダーパネルの製作と塗装。さらにフロントとリアのアップライト(ホイールを支えるサスペンションやブレーキ等の構成部品)の製作を進めていきます。

各工程は細かな塗り分けが多いのですが、パーツが適切に分割されており、効率良く塗装を進めることができます。

また各パーツは、組み立てやすさ、精度、嵌合性の高さは、言うところのタミヤスタンダードなので、サスペンションアームや4WS用アクチュエーターも再現したリヤの足回り、ドリルホール加工されたブレーキディスクとキャリパー等々の組み立てをサクサクと進められます。今回のキットはエンジンが再現されていません。しかし足回り等のディテールはしっかりと再現されており、作っていても楽しい部分です。

▲アンダーパネルは前後のディフューザー形状やフラットなセンターのディテールが再現されており、エキゾーストも少ないパーツ構成ながらしっかりとディテールを再現

▲アンダーパネルと組み合わさるエキゾーストパーツ。それぞれが独立しているのでマスキングの手間なく塗装できる

 

■ディスクローターの塗分けのコツ

前後のブレーキディスはローターのセンターハブを塗分ける必要があります。しかし円弧の塗り分けはなかな厄介で、マスキングとなると手間もかかります。しかしエアブラスを使い、円を描いたりするのに使うテンプレートを組み合わせることで簡単かつシャープに塗分けられます。

使用したのは模型メーカー・ハセガワのカッティングテンプレートですが、タミヤからもモデリングプレート(円 1-12.5mm)が発売されています。どちらもステンレス製なので塗料で汚れてもツールクリーナー等でキレイにできます。

ポルシェ911GT3RSのホイールはブレーキディスクがよく見えるので、ここは塗装もシャープに仕上げたいところです。

▲円弧の塗り分けは厄介だが、ブレーキディスクを指定のメタリックグレイに塗装したのち、ハブの凸部分に同径のテンプレートをかぶせてディスク部分をマスキング、あとはハブ部分をダークアイアンで塗装すればOK。シャープな塗り分けが簡単に仕上がる。マスキングテープは横からの塗料の吹き込みを防ぐためのもの

▲テンプレートマスキングで塗装が完了したブレーキディスク。マスキングテープを使わなくてもシャープな仕上がりが得られる

▲タミヤ「クラフトツールシリーズ モデリングプレート(円 1-12.5mm)」(880円) 本来は円(円弧)のスジ彫り加工をする時に使用する、使い勝手良いステンレス製テンプレート

▲塗装組み立てが完了したリアアップライト(インストの工程2)。ブレーキキャリパーはボディカラーに合わせてイエローで塗装。ブレンボのロゴはデカールで再現されている

 

■リアサスペンションの組み立て(工程3)

続いてリアサスペンションを組んできます。インスト指示に従って塗装。先に製作したリアアップライトを組み込んで、ユニットを完成させます。リアダンパーは塗装が細かいですが、筆塗りで丁重に塗り分けて取り付けます。

▲リアサスペンションブロックを、基本色となるセミグロスブラック塗装

▲リアダンパーのスプリング部分はタミヤエナメルの赤を使い筆塗りしている。塗料の隠ぺい力が高いので下地に白を塗らなくても赤が濁ることなく仕上げられる

▲完成したリアサスペンション

▲完成したリアサスペンションをアンダーパネルに接着する。接着部分の面積が大く取られているので、組みやすくまた強度も高い

▲排気管の左右非対称レイアウトが面白い

▲リアサスペンションの取り付けと同時にフロントのホイールハウスも塗装して取り付けておく

▲塗装と組み立てを完了させたフロントアップライト。これもアンダーパネルに組み込んでいく。左右を連結するタイロッドはハメ込み部分を折りやすいので、取り付けの際には注意すること

▲フロントアップライトは工程8でタイロッドを取り付けて完成

▲完成したフロントアップライト

▲フロントサスペンションの付け根にもディフューザー状のパーツ(別バーツで再現)が取り付けられているのが分かる

▲完成したシャシーと足回り

 

■シャシーの完成

アンダーパネルと前後のアップライトを製作塗装し、シャシー周りが完成しました。サクサクと製作は進み、シャシーの実質の製作時間は4時間ほどでした。もちろんプラモ製作に焦りは禁物ですが、もう少し手間がかかると思っていたので正直驚きです。

パーツの分割や作りやすさ、細部塗装等においでも細かな配慮がなされており、ビギナーでもカーモデルが楽しめる構成になっている好キットです。

さて次回はインテリアの製作とボディのデカール貼り等を進めます。乞うご期待!

▲リペイントしたボディと今回完成したシャシー

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

【関連記事】

◆24年ぶりに再版!タミヤ「1/20 ポルシェ935マルティーニ」でカーモデル製作のノウハウを紹介【達人のプラモ術<ポルシェ935マルティーニ>】
◆世界一美しいスポーツカーと呼ばれた「ジャガーEタイプ」を作る!【達人のプラモ術<ジャガーEタイプ>】
◆カーモデル製作はボディの塗装から!【達人のプラモ術<NISSAN フェアレディ 240ZG>】

モバイルバージョンを終了