【達人のプラモ術】
BANDAI SPIRITS
「ゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」」
03/04
本キットは完成させた骨格、そしてダイナミックなポーズを再現した外皮をそれぞれ楽しめるのと同時に、パーツの差し替えなし(背びれは外します)で、外皮の内部に骨格を収めることもできます。第3回となる今回は、実際に外皮に骨格を収めてみました。(全4回の3回目/1回目、2回目)
(C)2024 Legendary. All Rights Reserved. GODZILLA TM & TOHO CO., LTD. MONSTERVERSE TM & Legendary
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■固定ポーズならではのギミック
キットは、身体と首をひねり、熱線を口から放射、腕を前から後ろに振り切ったポーズを再現。これはマッシブな体躯のモンスターヴァーズゴジラだからこその迫力あるポーズともいえます。
あえて非可動モデルとしたことで、パーツ数を抑えると当時に、骨格モデルでも見事に身体の捻りが再現されています。
今回作例は、ほとんどアレンジをせず、キットの特性を活かして全塗装もせず、インストにあるウェザリングカラーを使っての質感表現のみにとどめています。
それでも迫力あるモンスターヴァーズゴジラを再現できてしまうのが、最新バンダイクオリティといったところです。プラモデル製作のスキルがないビギナーや年少者にもオススメのキットです。
【STEP 1】まずは骨格を分解
キットは接着剤は使用しないスナップフィット仕様。外皮内に骨格を収めるために、背びれ、手と足、そして頭を取り外していきます。
外皮も同様に、組み上げたパーツをバラバラに分解するのですが、このキット、立体パズルとしても面白いと思います。
【STEP 2】外皮パーツを分解する
骨格に続いて、前回組み上げた外皮パーツもいったんバラバラに分解します。パーツの分割ラインが組み上げた際に極力目立た無くなるように考えられているのが改めて分かります。細かいパーツも多いので紛失しないように要注意です。
【STEP 3】外皮と骨格を合体!
外皮に骨格を収めるというと、なんだか着ぐるみのようなイメージですが、キットでは手、足、胴体とそれぞれの外皮パーツに骨格パーツを組み合わせていく感じです。ガタ付きや隙間ができることなくパーツがピタリと決まる精度には驚かされます。
【STEP 4】胴体内に骨格を収める
腕の組みつけ後、胴体外皮に骨格を収めていきます。外皮は前後分割なので、まず前側に胴体骨格を収めて背中を取り付け。ゴジラの特徴でもある大きな背びれは骨格から取り外していますが、背びれは背中の外皮パーツと一体で成形されているので、そちらで再現されます。
【STPE 5】尻尾の外皮を取り付ける
骨格に外皮を組み付ける工程で、いちばん大変なのが尻尾の外皮取り付けです。
うねる尻尾の外皮は6パーツに分割されており、尻尾の骨に取り付けていくのですが、外皮パーツを組み合わせていくのがなかなか決まらず、ちょっと苦労させられました。しかしアンコが詰まったタイ焼きみたいに尾の先端までちゃんと骨が収まっているのが凄い!
【STEP 6】両足の外皮を取り付ける
外皮と骨格の組み合わせも、いよいよ最終工程。両脚の骨を取り付けていきます。
骨盤部分に脚の骨を取り付ける際も、基部がしっかりとハメ込める構造となっているためガタつき等もありません。バンダイクオリティ恐るべしといったところです。
【STEP 7】首を取り付けて完成!
外皮をすべて組み付けてしまうと骨格が見えなくなるので、見た目は外皮単体の完成時と変わりません。まぁ、持つとズシッと重量があるので、骨格が入っているのだなと納得するけれど、腕や脚など一部外皮を外すし状態でのディスプレイも面白いと思います。
外皮から覗く腕の骨を見ていたら、東宝の初代ゴジラ(1954)のラスト、海中にいるゴジラが芹沢博士のオキシジェンデストロイヤーで溶けていく断末魔のシーンを思い出しました。
いろいろアレンジできる、ゴジラ好きにはたまらないキットだと思います。
ちなみに知人のモデラーは「ここまでよく出来ているんだから、ゴジラ胃とかウラン袋とか内臓も作ったら面白いじゃん」とか言いたい放題。確かに昭和40年代の少年誌には、ゴジラをはじめ怪獣の内部図解イラストが掲載されていましたけど…流石にそれは無理(笑)。
■完成したモンスターヴァーズ版ゴジラをジオラマにしてみよう!
骨格を楽しむも良し、迫力あるポーズの「ゴジラ×コング新たなる帝国」版ゴジラを楽しむも良し、骨格を収めて楽しむも良しと、一粒で何度も美味しい優良キットですが、ここではもうひと味加えていきましょう。
劇中ではキングコングとコンビを組んで盛大に街中でアグレッシブに暴れまわるゴジラです。キットの出来が良いこともあり、ここはジラマに仕上げてみましょう。
とは言っても難しい工作をするのではなく、鉄道模型の情景素材として発売されている廃ビルのキットと組み合わせて、ビネット風のジオラマにしてみようと思います。
使用するのはトミーテックから発売されているジオコレ・コンバットシリーズの「廃ビル」。破壊されて内部が見えているビルのプラモデルで、塗装済みで組み立てるだけでOK。
ビルはスケールが1/144ということで、身長120mのゴジラと比べるとやや大きめではありますが、難しい工作なしの気軽に楽しめるジオラマを作るということであればさほど違和感はないと思います。
銀座の街を破壊した東宝の初代ゴジラの身長が50mなので、イメージ的にはそれに近いかもしれません。
■次回モンスターヴァーズ版ジオラマの製作
今回ゴジラ本体は完成しました。完成編となる次回はビルを破壊するゴジラのジオラマを製作していきます。お楽しみに!
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<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/656356/
- Source:&GP
- Author:&GP