サイトアイコン IT NEWS

ビルを破壊するゴジラのジオラマ、完成です!【達人のプラモ術<モンスター・ヴァース版ゴジラ>】

【達人のプラモ術】
BANDAI SPIRITS
「ゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」」
04/04

■ジオラマでゴジラの世界感を楽しむ!

前回完成させた『ゴジラ×コング 新たなる帝国』に登場するモンスターヴァースゴジラ。身体と首をひねり長大な尻尾を振り回すポーズは迫力満点で、単体、骨格モデルどちらでも楽しめる仕様になっています。

劇中のゴジラはビースト・グローブを装着したコングとコンビを組んで、敵役となるスカーキングと、その配下の冷気を操る能力を持つモンスター・シーモとの戦いで、盛大に市街地を破壊するんですね。

そこで完成したゴジラのキットに破壊されたビルを使ったを追加してジオラマ仕立てにしてみました。(全4回の最終回/1回目2回目3回目

▲市街地で大暴れするゴジラのイメージでミニマムサイズのジオラマを製作

(C)2024 Legendary. All Rights Reserved. GODZILLA TM & TOHO CO., LTD. MONSTERVERSE TM & Legendary

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

■トミーテック「1/144 塗装済み情景プラモデル・ジオコレ」を使用して市街地を再現

ジオコレは1/144サイズなので、身長120mのモンスターバース版ゴジラに使用するにはややオーバースケール。とはいえ、1/144スケールだとゴジラのサイズが83cmにもなってしまうので、今回はあくまでもイメージジオラマです。

ジオコレを使うと、ビルを自作するスキルは必要ないのでサクサクと製作を進められます。

初代ゴジラの設定身長は50m。これはゴジラが破壊する銀座の服部時計店との対比で決められたもの。その後、16作目となる1984年の『ゴジラ』では高層ビル街にゴジラが埋もれてしまわないように身長が80mにスケールアップされています。さらに2016年公開の第29作『シン・ゴジラ』では身長118.5mのゴジラが登場。

そして2023年公開の『ゴジラ-1.0』では、身長が初代ゴジラとほぼ同じの50.1mになっています。

ちなみにモンスター・バースの第1作となる2014年の『GODZILLA ゴジラ』での設定身長は108mだったので、作品ごとに身長が大きくなっていることが分かります

 

■建物を追加しました!

当初はジオコレ・コンバットの「廃ビル」単体を用意していたのですが、市街地感を出したかったので、同じくトミーテックが販売しているNゲージ用のジオコレ建物コレクション152『解体中の建物B』と『円筒形の建物3』を追加しました。どちらもスケールは1/150ですが、ジオコレ・コンバットの1/144サイズと並べても違和感はありません。

▲トミーテック「1/144 ジオコレ・コンバットシリーズ 廃ビル 塗装済みプラモデル」(4950円) 「荒廃した都心に残った建物」を再現。細かい部分までこだわった造形と建物の4面とも表情が違うので、レイアウト次第で見え方が変わる汎用性の高いアイテム

▲トミーテック「ジオコレ 建物コレクション152 解体中の建物B」(2530円)

▲トミーテック「ジオコレ 建物コレクション039-3 円筒形ビル3」(1650円)

 

■ゴジラを解体!

前回、外皮の中に骨格モデルを収めましたが、このままジオラマにしてしまうとせっかくの骨格モデルが見ることができなくなってしまうので、組み上げたゴジラを分解して骨格モデルを取り出します。

▲キットは接着剤を使用しないスナップ・フィットなので、骨格モデルを取り出すための分解も手間がかからない。前回の記事でも書いた立体パズル的な要素があるのを改めて実感。骨格を取り出したら再び外皮を組み上げる

▲再度、外皮を組み上げた状態

 

■ジオラマベースの製作

販売されている木製などの方形や円形のジオラマ用素材を使用せず、ゴジラと3つのビルがギリギリ収まるミニマムサイズでスタイロフォーム(厚さ30mm)を切り出してベースを製作していきます。

今回はお手軽簡単に誰でも楽しめるジオラマをテーマにしています。スタイロフォームにモデリングペーストを盛り付けて下地を整え、タミヤ製の情景テクスチャーペイント(路面ダークグレイ)を塗布するだけで、舗装された市街地の路面を再現しました。

モデリングペーストとテクスチャーペイントの乾燥に約半日が必要ですが、1日あればベースの製作は可能です。

▲今回ジオラマのべースは厚さ30mmのスタイロフォーム使用している。カッターで約30cm×30cmのサイズにざっくり切り出して製作

▲スタイロフォームの表面にモデリングペーストを塗り込んで表面の質感を整える。今回使用したのはパジコ製「モデナペースト」

▲パジコ「モデナペースト(250g)」(1540円) 下地やテクスチャー材として使用できる樹脂系モデリングペースト。乾燥後は半透明になり、耐水性がある

▲モデリングペーストはペインティングナイフで薄く伸ばし、スタイロフォームの表面を整える。この状態で半日ほど乾燥させる。厚塗りしてしまうと乾燥に時間が必要となるので要注意

▲モデリングペーストが乾燥したら下地色として缶スプレーでブルーグレー系の色を塗装

▲下地色が乾いたらテクスチャーぺイントを筆で塗り込んでいく。水性アクリル塗料溶剤で希釈することで、筆でも塗りやすくなり、薄く伸ばせる

▲テクすチャーペイントの塗布後は半日ほど乾燥させる。ドライヤーの温風で乾燥時間を短縮させることもできる

▲テクスチャーペイントが乾燥したらエアブラシを使いライトグレーとダークグレーで地面の凹凸を塗装して陰影をつけていく

▲タミヤ「情景テクスチャーぺイント(路面 ダークグレイ)」(100円)

▲アスファルトや石の表現に便利な情景製作のための水性塗料。細かいセラミック粒子を配合したペーストタイプで、乾くと細かな凸凹のある表面に仕上がる。厚く盛りつけたり、乾燥前なら表面に様々な表情をつけることもできる

 

■ジオコレのビルを配して完成!

自作したベースにジオコレのビルを配置。そこにゴジラを置けば完成です。

追加した『解体中の建物B』がちょうどゴジラの尻尾で破壊されたようになり、尻尾を支えてくれるので、キットに付属している専用スタンドも使用しなくて済みました。

▲完成したベースに建物をゴジラとのバランスを考えながら位置決めて配置。接着には樹脂系ボンドを使用する

▲円形ビルもダメージ表現を追加

▲主役のゴジラを配置する。接着はしていない

▲ジオコレの『解体中の建物B』はゴジラの尾がちょうどよく収まり、巨大な尾の一振りで破壊された感が再現できる

▲下から煽るような視点で撮影すると巨大感がアップ

▲ビル街を破壊していくゴジラのイメージ

▲骨格モデルをジオラマの中に置いてみた

 

■情景モデルが面白い

ジオラマを作るとなると、手間もかかるし、多くの材料やスキルが必要…。本格的なものを求めると確かにそのとおりなのですが、雰囲気を楽しむお手軽ジオラマならば、今回のジオコレのようなアイテム素材を使うことで製作のハードルはぐっと下がります。ぜひ製作にチャレンジしてみください。ゴジラ以外にも様々なジャンルのモデルにも応用できて、模型の見せ方の幅が大きく広がります。

というわけでモンスターヴァースゴジラのジオラマモデル完成しました!

さて次回は何を作りましょうか。お楽しみに!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

【関連記事】

◆『紅の豚』“アジトのポルコ”のヴィネットを筆塗りで製作!【達人のプラモ術<アジトのポルコ>】
◆夏といったら恐竜でしょ!恐竜骨格模型をジオラマで製作!【達人のプラモ術<恐竜骨格模型>】
◆科学×プラモ=男のロマン!? バンダイ「1/48 しんかい6500」をジオラマ化!【達人のプラモ術<しんかい6500>】

モバイルバージョンを終了