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注目モデルが続々登場のオフロードバイク!どんな種類やマシンがあるの?

カワサキの「KLX230シェルパ」やスズキの「DR-Z4S」など、このところオフロードバイクの注目モデルが次々と登場しています。1980〜90年代のバイクブームの頃には多種多様なオフロードモデルがラインナップされていましたが、近年は選択肢が激減。ニューモデルの登場そのものが久しぶりなので、この機会にオフロード車にどんなカテゴリーがあるのか整理しておきましょう。

 

■主流となる“トレール”カテゴリー

最近はアドベンチャーマシンや「CT125・ハンターカブ」などのトレッキングモデルにもオフロードを走れるものが増えていますが、オフロードバイクの主流なのは“トレール”と呼ばれるカテゴリー。かつては舗装路も未舗装路も走れるという意味で”デュアルパーパス”という呼び方もされたこともありました。

基本的にスリムで軽量な車体と、それを実現するための単気筒エンジン、そして凸凹のある路面に対応するストロークの長いサスペンションという構成になっています。

▲ホンダ「CRF250L」

フロントホイールが21インチと大径なのも特徴。現行モデルではホンダ「CRF250L」やカワサキの「KLX230」シリーズ、新しく登場するスズキ「DR-Z4S」はこのカテゴリーに属します。

▲スズキ「DR-Z4S」

ただ同じ“トレール”カテゴリーでも、サスペンションストロークが長く、大きな凹凸にも対応するモデルと、ストロークを短くして足付き性を重視したモデルに大別できます。「DR-Z4S」や「CRF250L」の<S>が付くものが前者に、「KLX230 S」「KLX230シェルパ」が後者に分類できるでしょう。「CRF250L」「KLX230」のスタンダードモデルは両者の中間的な位置づけです。

▲カワサキ「KLX230」

後者のカテゴリーで有名なのはヤマハの「セロー」シリーズ。トレールモデルのサスペンションストロークがどんどん伸びて、エンジンもハイパワー化していく中で、サスペンション長やパワーを抑え“2足2輪”で走破するスタイルが支持されてロングセラーモデルとなりました。足付きがいいので、小さい体格の人でも乗りやすく、ツーリングや街乗りでも使いやすいのが支持を集めた理由でしょう。

「セロー」シリーズは残念ながら生産終了してしまいましたが、「KLX230シェルパ」はその穴を埋めるモデルとして期待できます。

▲カワサキ「KLX230シェルパ」

 

■街乗り向きの“モタード”モデルも登場

過去に“モタード”と呼ばれた、17インチのオンロードタイヤを履いたモデルも登場しています。

「DR-Z4SM」や「KLX230 SM」がこのカテゴリー。車名にある「SM」は“スーパーモト”の略で、過去には“スーパーモタード”と呼ばれたオンロードとオフロードが混在するレースのカテゴリー名です。

▲スズキ「DR-Z4SM」

舗装路のほか、ダートやジャンプもあるコースで競われるため、オフロードモデルをベースに17インチのハイグリップタイヤを履かせたマシンで競われていました。軽量な車体にハイグリップタイヤを履かせたスタイルのマシンは街中での取り回しが良いため、人気が出て一時期はラインナップも充実していました。

▲カワサキ「KLX230 SM」

筆者も長く乗っていた経験があるため、復活を喜んでいるカテゴリーです。

 

■“アドベンチャー”マシンもオフロードを走れる

▲ヤマハ「テネレ700」

世界的に人気が高まっている“アドベンチャー”マシンと呼ばれるカテゴリーにも、オフロードを走れるマシンが増えています。大陸を横断するようなロングツーリングに対応したカテゴリーで、ラリーマシンにルーツを持つだけにオフロードを走れるのは当然のようにも思えますが、オフロードを得意としたモデルと、オンロードを重視したモデルが存在します。

▲ホンダ「XL750トランザルプ」

今回はオフロードを得意とするモデルを紹介しますが、ヤマハの「テネレ700」やホンダの「XL750トランザルプ」「CRF250ラリー」など、フロントに21インチホイールを装備したマシンはオフロードを重視しているといえます。ホンダの「CRF1100アフリカツイン」シリーズにもフロント21インチモデルが存在します。

▲ホンダ「CRF250ラリー」

■“モトクロス”や“エンデューロ”など競技用モデルも

▲ホンダ「CRF250R」

オフロードバイクには公道を走れるモデルのほかにも、“モトクロス(モトクロッサー)”や“エンデューロ”と呼ばれる競技向けのマシンも市販されています。大きなジャンプのあるコースをハイスピードで走れる足回りとエンジンを搭載しているのが“モトクロス”マシン。丸太のような障害物を越えながら森の中を走るコースに対応し、やや柔らかめの足回りと低中回転域を重視したエンジンとされているのが“エンデューロ”モデルになります。ホンダでいうと「CRF250R」が前者、「CRF250RX」が後者に当たります。

▲ホンダ「CRF250RX」

国産だけでなく、海外メーカーからもリリースされていて、“エンデューロ”マシンの中には、公道での移動路があるコースに対応するためナンバー取得が可能なモデルもあります。また、競技用マシンの中には2ストロークエンジンを搭載したモデルも。より難易度の高いコースを走破する“ハードエンデューロ”と呼ばれるカテゴリーでは、軽量な2ストロークマシンが主流になっていたりします。国産の2ストロークの“エンデューロ”マシンとしてはヤマハの「YZ125X」や「YZ250X」といったマシンが人気です。

▲ヤマハ「YZ125X」

競技用マシンは基本的に公道走行はできませんが、国内で開催されているエンデューロやクロスカントリーレースは多くのエントラントを集めています。国内では未舗装の林道も数が限られてきているので、思い切り走れるクローズドコースへ行くのもオフロードを楽しむ1つの手段でしょう。

*  *  *

新型モデルの登場で久しぶりに盛り上がりそうな国内のオフロード市場。それだけバイク人気も定着してきたと見ることもできます。マシンやギアといったハード面だけでなく、走れるコースや楽しみ方の拡大など、ソフト面での充実が今後は望まれるところです。

<文/増谷茂樹

増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。

 

 

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