昨年から注目度急上昇の防犯カメラのなかでも、特に探している人が多いポイントが「日本企業」であること。最近はWi-Fi接続でお手頃価格のネットワークカメラが増えているなか、スマートホームを手掛ける国内メーカーで独自のWi-Fiカメラを手掛けるのがアトムテックです。
驚きのポイントは価格で、公式サイトの販売価格を見ると、「ATOM Cam 2」は4780円、「ATOM Cam Swing」は6280円。実は昨年10月ごろから注目していたのですが、売れすぎなのか完売続きで、なかなかテストすらできなかったんですよね。
今回は現在も品薄の続くアトムテック「ATOM Cam 2」「ATOM Cam Swing」の2台の実機レビューをお届けします。
まずはこの2モデルについて簡単に紹介しておきます。
どちらも屋内・屋外兼用で発売しているWi-Fi接続の小型カメラ。「ATOM Cam 2」がHD画質のスタンダードモデルで、「ATOM Cam Swing」は首振り、カラーナイトビジョンの機能まで揃った上位版。どちらも防塵防水ではありますが、電源に接続するタイプ。USB充電器を使う仕様なので、完全に屋外向けを想定している訳ではなく、屋外・屋内兼用程度。なお2モデルともmicroSDカード(別売)を使った連続録画(常時録画)にも対応しています。
そして実機を見て驚いたのが、コンパクトなサイズ。
「ATOM Cam 2」は手のひらに乗るサイズのキューブ型で、角度調整が可能なマグネットベース付き。さらに、マグネットなので金属部分にそのまま貼り付けも可能。こちらはIP67の防塵防水仕様です。
一方の「ATOM Cam Swing」は、水平方向360度・垂直方向180度のパン・チルト機能付きで、スマホアプリで操作が可能。こちらはIP65なので「ATOM Cam 2」より防水レベルが落ちます(定義上はIP65でも雨程度なら問題ないはずですが)。
■レビューするには、まずは設置から
さて、僕が防犯カメラをレビューするたびに頭を悩ますポイント。それが設置方法です。
「ATOM Cam 2」はとにかく本体が小さく、マグネットベースが取り付けに便利。とはいえ、家の外に磁石がつく場所はなかったので、お得意の結束バンドで固定しました。
ただし、ソーラーではなく電源接続な上にUSB充電器はどう見ても防水仕様ではないので、今回は屋外コンセントを伸ばした上で市販の防水コンセントカバーを活用しています。
「ATOM Cam Swing」はせっかくの首振り仕様なので、以前TP-Linkのカメラを取り付けたバルコニーに設置。
ちなみにこの「ATOM Cam Swing」には三脚ネジがあるので、カメラ用アクセサリーのクランプを使って固定しておきました。こちらも屋外コンセントから防水コンセントカバーで接続しています。
カメラのWi-Fiへの接続は“ATOMアプリ”経由でQRコードを読み込ませるスタイルで、あっさり接続。
■常時録画対応は最大のメリット
操作はもちろん“ATOMアプリ”を利用します。使っていて気付いたのが、アプリ起動からカメラへの接続(ライブ映像表示)のレスポンスが非常に高速なこと。1秒もかからないほどです。他社の防犯カメラを使っていて、このレスポンス部分は実はストレスだったので、動作の軽快さはメリットです。
では画質のチェックをしていきます。
設置場所の都合もあり「ATOM Cam Swing」をメインに扱いますが、カメラはフルHD画質でナイトビジョンはモノクロです。
カメラ映像に枠が付いている箇所はモーション検出をしているマークです。フルHDとしては必要十分といった画質。ライブ視聴時のビットレートは100kbps前後程度ですが、防犯カメラの画質としては十分です。
次に録画関連の仕様もチェックしていきます。
まず大前提として「ATOM Cam 2」「ATOM Cam Swing」ともに電源接続タイプなので、連続録画(常時録画)が可能になっています。スケジュールも設定できます。
録画データは容量がいっぱいになった時点で古いものから上書きされていきます。なおベータ版ですが、録画データをWi-Fiネットワーク内のNASに自動転送する機能も提供されています。
「ATOM Cam 2」「ATOM Cam Swing」ともに、設置直後は連続録画でテストしてみました。1日あたりの容量は約10GBが必要のようです。ただ、最大256GBのmicroSDカードに対応しています。高耐久microSDカードの128GBが数千円で購入できる現状では、常時録画も実は現実的です。また、月額280円からの「ATOMクラウドモーション録画Lite サービス」なども利用すれば、カメラごと持ち去られるリスクにも対処できます。
そして、常時録画にしない場合に重要となる機能が、動体検知による録画です。
これは2モデルに共通しているのですが、映像による検知そのものはシンプルな動体検知ですが、他にも大きなサウンド検出、火災警報器音検出も設定可能です。
“ATOMアプリ”から実際に撮影した録画データの検出具合をチェックしてみると、人が動くと認識しているので、録画漏れなどの心配はなさそうです。ただ、庭木が風に揺れた場合も頻繁にモーション検知するので、設置場所によっては検知感度を下げたり、検知エリアをカスタマイズしたりといった対応が必要になります。
録画のトリガーはシンプルな動作検知ですが、録画済みのデータに対してはAIを用いた検出が有効。また“ATOMアプリ”のイベントから“人” “犬猫”による絞り込みも可能です。ただし、アプリ上で見ると“人”で絞り込んでも人以外に分類してしまっているケースも多数あるので、あくまで目星を付ける程度ですね。
どちらも防犯カメラの機能としては、高機能な部類ではありません。ただ一方で、シンプルで動作レスポンスが速く、そして電源接続の仕様を活かした24時間録画運用もできることが最大のメリットです。
「ATOM Cam 2」は4780円、「ATOM Cam Swing」は6280円と低価格なので、「台数を増やして24時間録画するほうが、どんな検出機能よりも効果的」という考え方もできると思います。防犯カメラとして屋外に設置するには屋外コンセントが必要というハードルはありますが、屋内・屋外問わず日本メーカーのシンプルな防犯カメラでカバーしたい人に向くモデルだと感じました。
最後に。特に「ATOM Cam 2」は小型で設置しても目立たないのですが、屋外に設置するなら、プライバシー保護やご近所トラブル回避という意味でも、防犯カメラによる録画を知らせるシール等も貼っておきましょう。これが見えるだけでも、不審者に躊躇させる効果があるかもしれませんよ。
>> アトムテック
<取材・文/折原一也 撮影協力/アトムテック>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/662480/
- Source:&GP
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