【達人のプラモ術】
ゲッコーモデル
「1/35 米海軍 パトロール エアクッション ビークル(PACV)後期型」
05/08
第5回となるPACVの製作も佳境に突入! 今回はキャビン上部に設けられ旋回銃座、搭載されたエンジン等、艇体の艤装を進めつつ、お待たせしました、雰囲気ありありのフィギュアも組み合わせてみました。それと同時にメコン河をイメージしたジオラマベースも製作も進めなきゃけない等々…まだまだやることテンコ盛りであります。(全8回の5回目/1回目、2回目、3回目、4回目)
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■艇体の塗装 その2
前回、悪戦苦闘して組んだ艇体の艤装ではありますが、まだまだやることはたくさんあります。まずは艇体下部となるスカート部分を塗装。インストではツヤ消し黒が指定されていますが、よりゴムらしさを出すため、グレーを下地塗装したのち、タミヤラッカー塗料「LP-65ラバーブラック」で塗装しています。同時に艇体上部と下部の修正を加えた部分のオリーブグリーンも塗装しておきます。
前回、ウインドウパーツを取り付けたキャビントップは、窓部分をマスキングして同じくオリーブグリーンで塗装します。
■銃座の製作
キャビン上に設けられた2連装の銃座を製作します。PACVには、戦闘機などにも搭載されていた12.7mmブローニングM2重機関銃を2連装で装備した回転銃座が搭載されています。キットは弾薬箱を含めてよく再現されていて、組んでみるとできが良いので、ガンナーのフィギュアが欲しくなります。
銃座に合わせてキャビン内部にガンナーの足場を組むのですが、これが難物で、細いステーを組み合わせつつキャビン床と天井の取り付け位置に合わせるという難易度の高い工作が要求されます。
全てパーツが点着けということもあり、とても組みにくく、また接着強度が出せずに苦労させられました。
実物がこうなっているのだから再現しました、というパーツ構成は分かるのですが、模型としての組みやすさとか強度といったものは一切考慮されていないのが辛いです。ある意味これも最近の海外製キットあるあるなんですけどね。
■エンジンの製作
インストでは、旋回銃座の足場を組んだ時点でキャビントップを接着固定となっいるのですが、作例ではフィギュアを乗せるため、この時点ではキャビントップを接着していません。この状態でキャビン上にかかるエンジンやレーダマストを製作していきます。
PACVはゼネラルエレクトリックの7LM100-PJ102ガスタービンエンジンを搭載しており、最大1100hpの出力。プロペラ推進ですが最大60ノット(約110km/h)を出せて、航続性能は1150リットルの燃料タンク満タンで約300kmだったそうです。
性能は文句なしですが、整備性は最悪だったそうで、それがベトナム戦争でのPACVの大きな弱点になってしまいました。
キットでは、ガスタービンエンジン自体はパーツ化されていませんが、特徴的なフェアリングと搭載された船舶用レーダーが再現されています。推進用のプロペラはピッチ角が決めにくいので要注意です。
エンジンフェアリングは内部に何もないので、モーターを仕込めばプロペラの回転ギミックも難しくなさそうです。
■お待たせしました!ネットで注文したフィギュアが到着
ネットで注文後、到着予定日に届かずヤキモキしていたGoodmoe「1/35 ベトナム戦争アメリカ戦車用ソルジャー」のフィギュアが一週間遅れでようやく届きました。表情やディテールは申し分なく、あとは塗装次第といったとことです。
しかしこの2体のみだと寂しいので、フィギュアを追加します。タミヤ「1/35 アメリカ海軍 PBR31 Mk.IIピバー」を購入。付属している4体のフィギュアとジェリ缶やラジカセといったアクセサリー類を流用することにしました。
タミヤ「PBRピバー」に付属しているフィギュアも古いキットながら、良い味が出ているのですが、PACVに乗せるとなると改造が必要です。
総舵手は腰と腕、脚を一度切り離して、座席に座れるようにポーズを変更。ガンナーも腕の取り付け角度を変更しています。またどちらもひざ下をカットすることで座席に収まるようにしています。完成後は見えなくなるのでカットしても問題はありません。
総舵手はキャビン内部に収めるため、先行で塗装を進めます。
レジン製フィギュアとピバーに付属していた残りの2体は、PACVを完成させたのち、甲板上に配位する予定です。総舵手とガンナーは先行で塗装して、キャビン内と銃座に収めて固定します。フィギュアの塗装は次回詳しく解説します
タミヤ
「ミリタリーミニチュアシリーズ No.150 1/35アメリカ海軍 PBR31 Mk.II ピバー」(4510円)
ベトナム戦争のメコン河流域で、高速性能と重武装を活かして活躍したアメリカのパトロールボート。兵士のフィギュア4体と12.7mm機銃や7.62mm機銃、40mmグレネードランチャーなどの兵装類や、ジェリカン、ラジカセなどアクセサリーが付属する。
■ジオラマベースの製作 その2
前回、スタイロフォームでベースを製作したその上に、モデリングペーストを盛り付けて河の質感を作っていきます。いつも製作している海のようにモデリングペーストで波のエッジを立てるのではなく、ベースに盛り付けたモデリングペーストの表面を水を含ませた筆でなだらかに整えて、メコン河のウネリを表現。艇体後部は水が波だっている感じで製作しています。
■次回はフィギュア塗装に注目!
というわけで今回はここまで。いやー、艇体の製作やフィギュアの改造、ベースの製作等々やることが多くて…これが面白いんですけどね。次回はフィギュアの塗装と、さらにPACV本体の完成を目指します。お楽しみに!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/666156/
- Source:&GP
- Author:&GP