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勢いを増すBYDの新型SUV「シーライオン7」は、パワー良し、操縦性能良し、インフォテイメント良し!

精力的にバッテリー駆動のEVを手がけるBYDの日本法人が、2025年4月に新型SUV「シーライオン7」を発売しました。余裕あるサイズで室内が広いのと、スムーズな走行と、最新のOSでより機能の上がったインフォテイメントシステムなど特長の多いモデルです。

■ラインナップは後輪駆動と全輪駆動の2種類

世界的にEVへと向かう速度がややゆるやかになった昨今。日本でこれまで「ATTO3」「ドルフィン」「シール」とバッテリー駆動車を熱心に販促してきたBYDオートだけに、今回の「シーライオン7」も内容が充実しています。

ラインナップは、リアモーターで後輪駆動の「シーライオン7」と前後モーターで全輪駆動の「シーライオン7 AWD」の2車種構成。一充電あたりの走行距離は後輪駆動モデルで最大590kmに達するいっぽう、AWD(全輪駆動モデル)では静止から時速100kmまで加速する時間はわずか4.5秒です。

■BEVならではの静かな走行音とスムーズな加速

乗ると、BEV(バッテリー駆動EV)の良さをすぐ感じられます。スムーズな加速感覚と、静かな走行音。とくに後者では、ウインドシールドと前席左右のウインドウに遮音性の高いアクースティックガラスを採用。「信号待ちで二輪車がとなりにいっても気にならないはず」とBYDオートジャパンの商品担当者は語ります。

リアモーターモデルで最高出力は230kWと最大トルクは380Nm。デュアルモーターモデルだと、それにフロントモーターの160kWと310Nmが加わります。数値から期待できるとおり、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけでぐんぐん加速します。

操縦性も高く、高速道路での直進性と、カーブを曲がるときの車体の動きと安定性、どれをとっても高いレベルにあります。つまり、快適で楽しい。ドライブしてみると、よく出来たクルマだと感心するはずです。

走りの良さには、BYDオート自慢の、高性能でコンパクトというブレードバッテリーを使い、それを車体の一部として組み込み軽量化とともに高剛性化を追求した技術「セル・トゥ・ボディ」が貢献しているのだとか。

■車内で目を引く15.6インチの回転式マルチタッチスクリーン

個人的には、シーライオン7 AWDがよりスムーズで、乗り心地もよく、好みでした。可変ダンパーを組み込んだサスペンションシステムと、AWDモデルには、インテリジェンス・トルクアダプテーション・コントロールで、前後のモーターの駆動トルクをコントロールし、走りかたに応じて車体の動きを最適制御する技術が採用されています。そのおかげもあるでしょう。

車内で眼をひくのは、すっきりした造型のダッシュボード中央に据え付けられた、15.6インチの回転式マルチタッチスクリーン。ナビゲーションや音楽再生はもちろん、ウインドウの開閉やシート調節、テールリッドの開閉など、数多くの操作が可能です。

私としては、標準のナビゲーションシステムが、ゼンリンの地図ソフトを使っているのも、大きな評価ポイントです。BYD車では多くのユーザーが自前のスマホで地図を見ているという説もあるようですが、画面の大きな車載ナビがやはり便利と思う人には、大きなメリットでしょう。

周囲の交通状況をリアルタイムで3Dグラフィック化して、運転中の死角をなくそうという「サラウンディング・リアリティ」なる技術も採用されているし、ウインカー点灯の右左折時には曲がる方向の後方死角の映像がドライバー眼の前のモニタースクリーンに映しだされます。

シーライオン7は基本プラットフォームを先発のシールと共用していて、OSも基本的には同じものですが、システムの性能に寄与するマイクロチップは高機能の最新のものとなっているのです。

価格は、シーライオン7が495万円で、シーライオン7 AWDが572万円。これに住んでいる自治体から購入補助金が出ることもあるので(25年度の東京都では45万円)より買いやすくなるかもしれません。

【Specifications】
BYD Sealion 7(カッコ内はAWD)
全長×全幅×全高:4830×1925×1620mm
ホイールベース:2930mm
動力:電気モーター
駆動:バッテリー駆動  後輪駆動(全輪駆動)
車重:2230kg(2340kg)
最高出力:380kW(+フロントモーター160kW)
最大トルク:380Nm(同上310Nm)
バッテリー容量:82.56kWh
乗車定員:5名
一充電航続可能距離:590km(540km)(ともにWLTP)
価格: 495万円(572万円)

>> BYDオートジャパン

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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