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勢いに乗る中国車メーカーはじめ1000超の出展者が集合!「オート上海2025」で見つけたユニークな中国車

自動車ショー「オート上海2025」(上海国際汽車工業展覧会)が4月25日から5月2日にかけて開催されました。1000を超える出展者が16にのぼるホールを使っての展示という、ちょっと想像しがたい規模であります。

▲上海・虹橋空港ちかくの巨大な展示場が舞台

とにかく圧倒されるのは中国メーカーの元気っぷり。中国の自動車メーカーは2000年の手前から増加。すごいのは、たとえば03年創業のBYDオートが、いまや中国最大の販売数を誇るなど、成長のスピードです。

吉利汽車(ジーリー)グループ(1998年~)、上海蔚来汽車(ニオ)(2014 年~)、小鵬汽車(シャオペン)(2014年~)理想汽車(リ・オート)(2015年~)、小米集団(シャオミ)(2021年~)など、存在感の大きいブランドは、どれも若いのです。

▲助手席乗員も楽しめるコンテンツ搭載の巨大なモニターが“常識”

中国車の特徴はいろいろあります。車型としてセダンもありますが、SUVとミニバンの人気も高いこと。LiDAR(ライダー)など先進的運転支援技術が惜しみなく搭載されていること。車内には巨大なモニターがそなわりインフォテイメントシステムが充実していること。そしてLEDが数多く使用されていて、夜間の路上でキラキラと輝いているクルマが多いこと。といった具合です。

▲メルセデス・ベンツが出展したコンセプト「ビジョンV」

日本やドイツといった海外のメーカーも、大きな市場である中国で成功するためには、中国のメーカーに負けない性能を必要とします。特に車両を制御するOSや、デジタル化されたコクピット用OSについては、どこも中国の技術を採用しています。

驚くのは構想力。たとえばシャオペンではいま「Aero」という別ブランドを創設。低高度飛行に移動の未来を見出しているようです。電気モーターでブレードを回すeVTOLと専用のキャリアーカーと、さらにeVTOL使用前提のインフラが構想されています。意外に遠い未来の話ではないかもしれません。

中国のメーカーはいま、海外市場への進出拡大を考えています。25年に日本に、水平対向エンジンのプラグインハイブリッド車や軽自動車サイズのBEV(バッテリー駆動EV)を導入するといっているBYDしかりです。

ニオの創業者、ウイリアム・リ(李斌)は、25年に25の国/地域に参入する計画をあきらかにしています。うち16の市場にはライフスタイルモビリティブランドを標榜する「ファイアフライ」を導入するとのこと。全長4003mmのキュートなBEVです。

ここでは、2025年のオート上海で見かけた、ちょっとユニークな中国車を紹介しましょう。ひょっとしたら、このさきに日本車の未来があるかもしれません。

■オート上海2025で見つけたユニークな中国車!

▲中国最古の自動車ブランドであるホンチ(紅旗)はいま技術力によるイノベーションを前面に押しだし、低高度飛行移動という新しいマーケットを視野に入れたフライングカーを出展

▲BYDの別ブランド「デンザ」から発表されたバッテリー駆動のスポーツカー「Z」はステアバイワイアなど最新テクノロジーを搭載

▲チェリーオートも低高度飛行に大きな興味を示していて「ランドアンドエアビークル」という自動運転のフライングカーを展示

ゼネラルモータースとSAICモーター(上海汽車集団)の合弁事業バオジュン・オートモーティブはピンク色が好きな若い中国人むけにキュートな展示

▲中国の空気清浄機メーカー、スマートミ(SmartMi)はシャオミとチェリーオートモビルの協力を得てEVを手がけており、ジープタイプの 「iCar V23」を24年4月にローンチし、上海ではこんなショーカーもあってかなりの人気

▲リ・オート(理想汽車)が発売する「メガホーム」はほとんど電気で入るリビングルームで、ユニークなのはどんなに力を入れてもバシャンとは閉まらない「サイレントドア」の採用

▲シャオペンの別ブランド「Aero」による「ランドエアクラフトキャリアー」は後部に6ローターのeVTOL(垂直離着陸機)を格納

▲BYDの別ブランド、ヤンワン「U8」に加わったロングホイールベース版「U8L」は3.25mの超ロングホイールベースを持ちつつ、4輪を個別にモーターで制御し、その場で360度ターンも可能

▲ニオの「ファイアフライ」は全長4003mm、全幅1885mm、全高1557mm、ホイールベース2615mmのコンパクトカーだけれどミュンヘンのデザインセンターでデザインされグローバルマーケットを狙うBEV

▲ニオ「ファイアフライ」は360度モニターなど先進的技術もしっかり搭載

▲ニオは「ファイアフライ」でラリー選手権に参戦することもにおわせている

▲トヨタも中国で採用する「ハーモニーOS」を開発したファーウェイのブースはつねににぎわっていた

▲このどっかで見たスタイルがとくに欧米系のメディアの関心を惹いていたGWM「オラ07」

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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