【達人のプラモ術】
番外編
第63回 静岡ホビーショー
さて! いよいよ1/48 フェアリー・ガネットの完成編をお送りします…と言いたいところではありますが、今回は5月14日(水)~18日(日)の5日間(一般公開は17日と18日の2日間)にわたり開催された第63回静岡ホビーショーの達人視点レポートをお送りします。ガネット完成編は次回のお楽しみ! ということでヨロシクです!
モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■静岡ホビーショーを堪能する
今年も静岡ホビーショーは、14日(水)と15日(木)が業者招待日、16日(金)が静岡県内の学校を対象とした「小・中・高校生招待日」となり、この3日間は一般の方は入場できません。
そしてお待たせしました! 17日(土)と18日(日)の2日間がどっぷりとホビーを満喫できる一般公開日でした(入場無料/事前登録が必要)。また17日と18日の両日には、今回が第34回となる世界最大級の模型展示会「モデラーズクラブ合同作品展」が同時に開催。国内外の模型クラブによる12000点を超える展示作品が一堂に会しました。この規模の模型の展示会は他になく圧巻の一言。モデラーならずとも必見です。
■雨と静岡ホビーショー
週末2日間の一般公開日は4万人の入場枠が用意されていましたが、わずか4日間で事前申し込みの枠の定員に達してしまい、参加できずに泣いたファンも多かったようです。達人は16日(金)から参加。一般公開日の17日(土)は朝から生憎の雨でしたが、開場2時間前には入場待ちの長い行列ができていました。
※ポケール(Pocher)社はイタリアの精密模型メーカーで、1/8スケールという大型のカーモデルを販売していたメーカー。そのキットはプラスチックをメインにしていながら、ダイキャスト製焼付け塗装済みボディ、さらに個々の部品は金属をはじめ様々な素材を組み合わせられた超が付くくらいマニアックなカーモデルキット。製作の難易度はハンパなく高い。
■第63回 静岡ホビーショー 達人注目の新製品アイテム
というわけで、熱気溢れる(体感的にも熱かった)ホビーショー会場で発表された新製品の中からから、達人視線で気になるアイテムをスケールモデルからSF系アイテムまでピックアップしてみました
1. これは作りたい!ARTPRA ゴジラ Re:イマジネーション
海洋堂
「ゴジラ Re:イマジネーション」(8800円)
10月発売予定
海洋堂からARTPLAの新作「ゴジラ Re:イマジネーション」が登場。初公開1954年(昭和29年)11月3日に公開したゴジラシリーズ第1作のゴジラがキット化されました。
展示ブースにはテストショットや塗装例、パーツ・ランナーなどが展示されていました。当時強烈な印象だった電車を咥えた迫力あるポーズを再現。ベースには破壊された橋をジオラマ風に表現。キットは内側と外皮を別パーツ化したことで、パーツの接合線がほとんど目立たず、また特徴的な背びれも細かなパーツ分割によって忠実に表現されています。原型製作は動物や恐竜などのネイチャーフィギュアの第一人者松村しのぶ氏。
今回アートプラ化されたゴジラは、松村しのぶ氏がかつて製作したポリストーン製の完成品フィギュアを原型としてプラモデル化する企画でした。そのため、元のフィギュアを3Dスキャンしデータの監修を松村氏に依頼したところ、松村氏はそのデータに新たにアレンジを加えたデータを開発チームに提示。それが製品に反映され、商品名は「ゴジラRe:イマジネーション」が冠されています。
連載「達人のプラモ術」では以前、バンダイ「ゴジラ(2024) from「ゴジラxコング 新たなる帝国」のゴジラの骨格を製作していますが、今回の「ゴジラ Re:イマジネーション」はぜひ作りたいです。
モノクロ映画だった初代ゴジラのスクリーンイメージに合わせてモノトーンで塗装も面白いかも、いや発売が待ち遠しいです!
2. マニアックなドイツ機を1/32でキット化
DAS WERK
「1/32メッサ―シュミットP.1101」(1万9140円)
発売日未定 ※ビーバーコーポレーション扱い
メッサーシュミット P.1101、第二次世界大戦中の1944年にドイツ開発中だったジェット戦闘機なんですね。実戦には間に合わず試作のみで終わった機体なんですが、胴体後部にハインケル HeS 011エンジンを一基搭載。世界初の可変後退翼機を目指したことで知られています。
そして本機の特徴が、主翼の後退角を変更できる点です。終戦時に連合軍が接収した未完成の機体は、主翼の後退角が37度と50度の2段階可変となっていたといいます。まぁ可変翼と言っても飛行中に変更できる機構ではなく、地上調整で37度と50度の2段階に後退角が可変できるというものだったんですけどね。 連合軍に接収された時にはボックスアートの状態で機体は完成していませんでした。
キットを一言で言えばマニアックに尽きます、エンジンも再現されており、そしてルールシュタール X-4 有線誘導式空対空ミサイル付属…。うーむこのマニアックさが堪りませんなぁ。そして初の1/32スケールでのキット化!! これは欲しいです、作りたいです。
3. 静岡ホビーショーで世界初公開!
BELKITS
「1/24 トヨタ GR ヤリス ラリー1 WRC 2023」(価格未定)
発売日未定
フランスの模型メーカー・エレールや、話題のBEEMAX製1/12 マクラーレンMP4/4を取り扱うプラッツからは、今回の静岡ホビーショーが世界初公開となるベルキット製「1/24 トヨタ GRヤリス ラリー1 WRC 2023」が登場! WRCラリーカーのキット」では定評のある同社からのキットだけに期待大!
実車は1.6L直噴ターボエンジンに全車共通のハイブリッドユニットが組み合わされ、3.9kw/hのバッテリーとモーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)により、加速時には最大100kw(約134馬力)のパワーと180Nmのトルクを発生。そしてエンジンとハイブリッドユニットが組み合わさることで、Rally1は最高出力500PS以上、最大トルク500Nm以上を発揮するというモンスターマシンです。
プラッツブースに展示されていたのは無塗装の完成サンプルでしたが、イメージも良く大いにモデリングを楽しめそうです。
4. 会場で二度見しちゃたモスマン!
ペガサスモデル
「モスマン」(価格未定)
発売日未定
プラッツブースでベルキットの1/24 WRC2023トヨタGRヤリスラリーをチェックし「うーんカッコ良いねぇ」と感心してたんですが、ちょっと脇に気になるキットがあったんですねぇ。そう! モスマンですよ! モスマンのプラモデル。
アメリカのウェストバージニア州ポイント・プレザント一帯を脅かした謎の未確認動物(UMA)ですよ! 体長約2m。背中に大きな翼を持ち自動車よりも速く飛行する。達人的にはクリーチャー系も守備範囲なので、このキットはアリです!
モスマンを際敷く知りたいならた映画『プロフェシー』がオススメですよ。
5. 海軍型ステルス戦闘機F-35Cが1/72でキット化!
タミヤ
「1/72 ロッキードマーチンF-35C」(4400円)
発売日:2025年8月
タミヤからは、最新鋭ステルス戦闘機として配備が進むF-35の海軍型となるF-35Cが1/72スケールで登場。
F-35Cは水平尾翼を大型化、主翼は折り畳み機構を採用。空母での運用から強化された脚まわりなど、艦載機型として開発された機体です。
タミヤでは1/48スケールでもキット化を果たしており、今回1/72スケールでのキット化でF-35A・B・C各型のラインナップが勢ぞろいしました。
キットの主翼は展開状態・折りたたみ状態を選んで組立可能。キャノピーは開閉選択式。アクセサリーとしてAIM-9X空対空ミサイルが2発付属と、1/72としては充実の内容です。デカールは、2024年11月横須賀基地に配備された空母ジョージ・ワシントン搭載機を含む6種類が付属します。
STOVL性能を持つB型ともまた違う、というかA型、B型と比較しても大型化された翼を持つC型は魅力的なモデルです。
ちなみにF-35のキットに関してはタミヤ公式YouTubeチャンネルで達人が詳しく解説しているので、そちらもぜひどうぞ。
6. 1/35でHe111爆撃機がキット化。外板のディテール表現に注目!
ボーダーモデル
「1/35 ハインケルHe111H-6爆撃機」(価格未定)
発売日未定 ※ハセガワ扱い
ミリタリーモデルの1/35で、飛行機キットのリリースを続けるボーダーモデルからは、WWⅡのスペイン内戦やポーランド戦、フランス戦で活躍したドイツ空軍のハインケルHe111爆撃機が新金型で登場。双発爆撃ということもあり、組み上げると翼幅で40cm超えの迫力満点のサイズとなります。
注目すべきは機体外板等のリべットラインとベコベコ表現。飛行機モデラーが一度はチャレンジしてみたいと思うディテールをボーダーモデルがやってくれました。メーカー公式サイトで見る限り、機内ディテールの密度感もハンパない感じです。飛行機モデラー的にも外せないニューアイテムですよ。
7. 1/32スケールでホーカー シーフューリーが出る!?
DBMK
「1/32 ホーカー シーフューリーFB.11」(価格未定)
発売:2025年8月ごろ ※ビーバーコーポレーション扱い
海外キットの販売を手掛けるビーバーコーポレーションでポスターの告知されていたのが、1/32スケールでのホーカーシーフューリーのキット化です。シーフューリーは第二次大戦後の1950年代、イギリス海軍で使われたレシプロエンジンを搭載した最後の艦上戦闘機です。その後もエアレースなどで活躍したこともあって人気の高い機なんですね。
今回DBMKというあまり耳に馴染みのないメーカーが1/32スケールで初のキット化をしたとのこと。メーカーサイトを見る限り細部ディテールもこだわっているみたいで、蛇の目(イギリス空軍機)好きは刮目して発売を待ちたいですね。
■まだまだ注目の新製品が盛りだくさん!
■で、達人はホビショー会場で何を買ったかといいますと~
メビウスモデルの「2001年宇宙の旅スペースクリッパー」
イタレリ1/32F-104スターファイターA/C
ホライゾンモデル1/72 マーキュリーカプセル
同じく1/72マーキュリー・アトラス
ウルフパックモデルの1/48T-34メンター航空自衛隊使用
海洋堂ではプラモデルカタログ
どれも会場特価のお買い得品でありました(喜)。買い物も静岡ホビーショーの楽しみのひとつでありますよ!
>> [連載]達人のプラモ術
<取材・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/columns/679946/
- Source:&GP
- Author:&GP