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MINIのBEV「ジョン・クーパー・ワークスE」は、シリーズ中もっともスポーティな足回りでしなやかな乗り味を楽しめる

ミニがスポーティな電動車を、2025年2月に発売。3ドアの「ミニ・ジョン・クーパー・ワークスE」と、ちょっとコンパクトなステーションワゴンといえる「ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマンE」の2台です。

購買にあたっては、国や自治体の助成金が得られたり、免税措置があるし、そろそろBEV(バッテリー駆動EV)もいいんじゃない、なんて考えている人もいらっしゃるのでは。スポーツ仕様のミニのBEV、試してみる価値があるんじゃないでしょうか。

バッテリー駆動のEVの発進加速の良さは、すでにご存知の方も多いでしょう。回転が上がるにつれて徐々にトルクを増してゆくのがエンジンの特性。バッテリー駆動車は、発進直後から最大トルクを発生します。

ミニは同じタイミングで、「ミニ・ジョン・クーパー・ワークス」なるちょっとコンパクトな3ドアと、フルオーブンの「ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・コンバーチブル」を発売したのは既報のとおり。

硬めの足まわりと、操作するとすばやく車体が動く身のこなしが、ジョン・クーパー・ワークスの身上です。ガソリンエンジン車も、「ゴーカート・フィーリング」なるミニ独特の走りが楽しめます。

■もう一歩進んだ「E」

今回の「E」(電動)モデルは、そこからもう一歩進んだ印象。機敏な加速性でもって、BEVの持つポテンシャルを拡大して感じさせてくれる仕上がりなのです。

ミニ・ジョン・クーパー・ワークスEは、全長3860mmとけっこうコンパクト。きびきびした走りを街中で楽しむのもいいし、あるいは、街中で乗るクルマとして普段も楽しめるこのモデルを選ぶのもありでしょう。

足回りの設定は、シリーズ中もっともスポーティというだけあって、路面の凹凸を拾います。ですが、それは悪路での話。舗装路面では意外なほどしなやかな乗り味です。

「ごく低回転域から大きなトルクが立ち上がるバッテリー駆動の特性を活かすべく、ガソリンモデルよりステアリング特性とサスペンションの設定を調整して、ゴーカートフィーリングを強調しました」

ミニの開発者が背景を解説してくれたとおりの出来だと感じました。

3ドアよりホイールベースも全長も伸びて、後席の使い勝手が良くなり荷室容量が大きいミニ・ジョン・クーパー・ワークス・エースマンEは、ほんの少し特性がマイルドになっている印象です。

とりわけ自動車専用道では、乗員のフラット感が増して、落ち着きが感じられる乗り心地が魅力です。もちろん、アクセルペダルを踏めば即座に加速に移る機敏さは、このクルマにもしっかりあります。

■10秒間トルクが増す「ブースト機能」搭載

どちらのモデルも「ブースト機能」をもっていて、レバーを引くと10秒間だけですが、電圧が高まってトルクが増します。実際に試してみると、思わず声が出そうな加速感です。

ミニでは、このブーストは追い越しのときなど、と機能を定義していますが、そもそもバッテリー駆動ならではの瞬発力が持ち味ですから、私が英国で乗った際は、幸か不幸か、体験するチャンスはほぼありませんでした。

ミニはミニOS9というコクピットOSによる光や音の”もてなし”もあって、BEVと相性がよく、積極的にえらびたくなる魅力をもっています。外観デザインでも、BEVモデルは大型のグリルが真っ黒になっていて、これも精悍さに一役買っています。

今回、2台の電動ミニを体験すると、BEVの進化が感じられます。さまざまなモデルが用意されているのも、ライフスタイルビークルと呼びたくなるゆえんです。

【Specifications】
Mini John Cooper Works E(カッコ内はJCW Aceman E)
全長×全幅×全高:3860×1755×1460(4080×1755×1515)mm
ホイールベース:2525(2605)mm
動力:電気モーター
駆動:前輪駆動
最高出力:190kW
最大トルク:350Nm
一充電走行距離 :421km(403km)
乗車定員:4(5)名
価格:616(641)万円

>> MINI

<文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

 

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