サイトアイコン IT NEWS

ソフトバンク版は実質1200円!? モトローラの最新AIスマホ「moto edge 60 pro」を使ってみた

モトローラ・モビリティ・ジャパンがAndroidスマートフォン2機種を発表しました。

1台はミドルハイの「moto edge 60 pro」。片手でも操作しやすいスリムなボディにAI対応の3眼カメラなど、ハイエンドに近い機能を備えたモデルです。7月4日発売予定で、価格は7万9800円。ソフトバンクからは同じ仕様で「moto edge 60s pro」という機種名で7月11日に発売されます。価格は8万8560円で、新規または乗り換えで「新トクするサポート スタンダード」を利用した場合は、50円×24回=1200円で2年間使うことができます。

▲左がmoto edge 60 pro、右がmoto g66j 5G。どちらも約6.7インチの大画面ディスプレイを搭載

もう1台は、ライトユーザー向けの「moto g66j 5G」。7月10日発売で、価格は3万4800円。同日にワイモバイルから「moto g66y 5G」という機種名で発売され、価格は3万1680円。ただし、他社からの乗り換えで指定のプランに加入し、「新トクするサポート(A)」を利用すると、1円×24回=24円で2年間使うことができます。

条件によっては “超破格” で手に入れられるスマホですが、実は機能も充実しています。モトローラから借りていち早く使ってみた率直な使用感をレビューします。

 

■moto edge 60 proはスリムで軽いことも魅力

moto edge 60/60s proは約6.7インチの有機ELディスプレイを搭載。ベゼルが細く、横幅は約74mmに抑えられています。ディスプレイの四方にカーブが施されていることも特徴。手にフィットしやすく、画面がより広く感じられます。

▲狭ベゼルのため、横幅がスリムで、約184gと軽いことも魅力

▲左右端だけでなく、上下端にも曲面になっている

カラバリはダーズブルー、シャドーグリーン、カルサイトホワイトの3色。いずれもPANTONE(国際的に使われる色見本帳の会社)とのコラボレーションによる色で、正式には「PANTONE Dazzling Blue」といった名称になっています。背面パネルはレザー調のマットな質感。

▲カラバリは3色。いずれもPANTONEのカラーを採用

右側面に音量ボタンと電源ボタンを搭載。左側面には新たに「AIキー」を追加。モトローラ独自のAI機能や、プリインされているAI検索エンジン「Perplexity」アプリを起動したりできます。

▲左側面にAIキーが追加された

▲AI機能を素早く起動する設定が可能。なお、電源ボタンを長押しして「Gemini」を起動することもできる

底部にはSIMスロットとUSB-Cポートを搭載。nanoSIMは1枚しか装着できませんが、eSIMを追加でき、2回線を併用できます。

▲スピーカーはこことディスプレイ上部に搭載されていて、ステレオ音声を楽しめる。Dolby Atmosに対応し、音量も十分だった

 

■動く被写体をブレずに撮れる「アクションショット」が便利

アウトカメラはメイン(約5000万画素)+超広角(約5000万画素)+望遠(約1000万画素)という構成。超広角カメラはマクロ撮影にも対応。望遠は光学3倍で、デジタルズームと組み合わせて最大50倍で撮影できます。なお、インカメラも約5000万画素とハイスペック。

▲メインカメラはソニー製の「LYTIA」というイメージセンサーを採用。F値は1.8。光学式手ブレ補正機能も備えている

カメラにはモトローラ独自のAI「moto ai」を導入。暗い場所でもバランスのよい明るさで撮れたり、動きのある被写体をブレずに撮れたりと、ユーザーが細かい設定を行うことなく、キレイに撮れるように設計されています。

実際に撮ってみると、屋外はもちろん、屋内でもナチュラルな色調で写り、夜景もきれいに写りました。とりわけ便利だと感じたのは「アクションショット」。AIが被写体の動きを認識して、シャッタースピードが調整される機能。素早く起動でき、ブレずに写るので、スポーツやダンス、ペットの撮影などで重宝しそうです。

▲超広角(0.5倍)で撮影

▲メイン(1倍)で撮影

▲メイン(2倍)で撮影。画質を劣化させずに撮れる

▲望遠(3倍)で撮影

▲室内でポートレートモードで撮影。ボケはAIで調整される

▲従来のモトローラのスマホに比べて、夜景の画質が大きく向上したように感じた

▲「アクションショット」は、デフォルトの「写真」モードで、走る人のアイコンをタップするだけで起動可能。激しく動き回る犬がピタッと止まったような鮮明な写真が撮れた

写真表現にこだわりたい人に向けて「Signature Style」という機能も搭載。AIがユーザーの好みを学習して色調を補正してくれる機能ですが、事前の設定がやや面倒なのが気になりました。

▲デフォルトでは「ナチュラル」になっているが、自分の好みの色合いで撮影できる「Signature Style」を用意。事前に自分の好きな写真を15枚インポートして調整するのが、やや手間に思えた

 

■モトローラ独自の「moto ai」は今後も拡張予定

「moto ai」には画像を生成する機能もあります。自分が撮った写真から壁紙を生成する「Style Sync」、テキストから独自の画像を生成する「Magic Canvas」に加えて、自撮り写真からアバターを作成できる機能も追加。

▲「Style Sync」と「Magic Canvas」は「Image Studio」アプリに統合。「Style Sync」は好みのテクスチャーなどを撮影して、オリジナルの壁紙を作成できる。「Magic Canvas」はまだ日本語対応が不完全のため、英語で入力する必要がある。実際に発売される端末では、アバター作成も楽しめるはずだ

今後のソフトウェアアップデートで、音声の文字起こし・要約・翻訳、メッセージなどの要約、保存した情報の効率的な検索なども可能になる予定。もちろん、Googleの「Gemini Live」や「かこって検索」も利用できます。

▲秋以降にモトローラ独自にテキスト系の生成AI機能が使えるようになる見通しだが、グーグルの「Gemini」は買ったその日から使える

 

■急速充電、MIL規格、IP69にも対応

プロセッサーはミドルハイ向けのMediaTek Dimensity 8350 Extreme。AIの処理能力を強化したモトローラ向けのチップだそう。RAMは12GB、ストレージは256GB。AIによって仮想メモリを拡張する機能も備えています。

▲へヴィーなゲームを楽しむにも十分な12GBのRAMを搭載しているが、ストレージの空き容量に応じて、仮想メモリを拡張することも可能

バッテリー容量は5000mAhで、125Wの急速充電にも対応。同梱の充電器を使えば、1%から100%まで約28分まで充電できるとのこと。実際に試してみると、面白いほどスピーディに充電できました。

▲125Wの急速充電器が同梱されている

曲面ディスプレイを採用しているため、落とすと画面が割れてしまうのでは? と心配する人がいるかもしれませんが、実はMIL規格(アメリカ国防総省の調達基準)の23項目に準拠する耐久性を備えています。防塵・防水性能は、一般的なIP68だけでなく、高温・高圧の水流を受けても平気なIP69にも対応。長期的に使うにも安心できそうです。

 

■moto g66j 5Gは、エントリーモデルとは思えないほど機能が充実

moto g66j/g66y 5Gは、多くの機能を求めない人に向けたエントリーモデル。ですが、「エントリー」と呼ぶのを躊躇するほど充実した仕様を備えています。

ディスプレイは約6.7インチ。有機ELではなく液晶ですが、明るさは十分。解像度はFHD+(2400×1080)で、リフレッシュレートは最大120Hzと、上位モデルに引けを取らないスペック。ステレオスピーカーを搭載し、臨場感を増す「Dolby Atmos」にも対応しているので、音楽や動画を存分に楽しめること請け合い。イヤホンジャックがあり、FMラジオを聴くこともできます。

▲moto g66j 5Gも約6.7インチの大画面ディスプレイを搭載しているが、moto edge 60 proとは異なり、フラットでベゼルは太め。重さは約200g

アウトカメラはメイン(約5000万画素)+超広角(約800万画素)。moto edge 60 proに比べると撮影機能は少ないものの、日常使いには満足できる画質で写りました。インカメラは3200万画素です。

▲背面パネルはマット仕上げ。カメラは3眼に見えるが、右下は環境照度センサーだ

▲超広角(0.5倍)で撮影

▲メイン(1倍)で撮影

▲メイン(2倍)で撮影

▲デジタルズームは最大8倍

▲3万円台でここまで撮れたら上々という画質で写った

 

■ワイモバイル版はRAM容量が少ないので要注意

カラバリはPANTONEとのコラボによるブラックオイスター、ディルグリーン、グレーミストの3色。

▲落ち着いた色合いで、質感も◎。パッと見ではエントリーモデルとは思えないかも

プロセッサーはMediaTek Dimensity 7060。ミッドレンジ向けのチップで、日常使いには全く問題なし。というより「3万円台でここまでサクサクなの?」と思うほど軽快に操作できました。RAMの容量は機種によって異なり、オープンマーケット向けのg66jが8GB、ワイモバイル向けのg66yが4GB。それぞれ仮想RAMを拡張することもできます。ストレージはどちらも128GB。5200mAhの大容量バッテリーを搭載しており、電池持ちにも期待できます。

上位モデルのedge 60 proと同じく、MIL規格の準拠する耐久性とIP68/IP69の防塵・防水性能を備えていることも魅力。おサイフケータイも使えます。

▲eSIMやおサイフケータイ、防水・防塵にも、しっかり対応

 

■“安かろう悪かろう” ではなく、本当にお買い得!

モトローラの最新スマホは本来の価格にも割安感がありますが、キャリア版のmoto edge 60s proは実質1200円、moto g66y 5Gはなんと実質24円という、ありえない金額で手に入れることも可能。しかし、“安かろう悪かろう” ということは全くなく、moto edge 60s proはハイエンドに近い性能を備え、moto g66y 5Gは平均的なユーザーでも満足できる機能を備えています。

そろそろワンランク上の機種に変えたいけど、今は財布の中が寂しい…という人には格好の選択肢となりそうです。ただし「新トクするサポート」の利用には、2年以上使い続ける場合に、25回目以降の分割払い金が割高だったり、回収時の端末の状態によっては追加料金が取られたりすることもあります。購入前には、細かい条件もしっかり確認しましょう。

>> motorola

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

【関連記事】

◆もっと手軽に生成AIを使ってみたい!ならばOPPOの4万円台新スマホがいいかも
◆使い勝手は期待以上!ハイエンドだけど万人向けな「Zenfone 12 Ultra」
◆「AQUOS R10」の意識せずに使えるAIが便利!3万円台で買える「AQUOS wish5」も登場

モバイルバージョンを終了