サイトアイコン IT NEWS

1万円台で導入できるアンカーの注目Wi-Fi防犯カメラ「Eufy SoloCam E30」を試してみた

最近、人気がじわじわ高まっているのが、Wi-Fiでつながるタイプの防犯カメラ。私も、自宅まわりの防犯がちょっと心配で、連載の中でAnkerやTP-Linkのカメラを試しながら、気づけば家の敷地の内と外に10台以上もカメラがあるという状態に。

そんなふうにしてチェックし続けてきたWi-Fi防犯カメラの中で、「あ、これ定番になりそうだな」と思わせる存在が、アンカーのEufy(ユーフィ)シリーズなんです。

2025年5月22日に発売された「Eufy SoloCam E30」は、ソーラーパネルが付属していて、電源ケーブルの配線なしで使えるのがポイント。

水平360°、垂直70°と、ぐるんと広く見渡せる首振り機能(パン・チルト)を備えていて、これがまたなかなか頼もしい。

しかも、直販価格は税込1万7990円と、防犯カメラの中では手を出しやすいちょうどいいバランス感なんです。

前回の記事では、2台のカメラを組み合わせて使うタイプや、顔認識AIを搭載した「Eufy eufyCam S3 Pro」を紹介しました(記事はこちら

そして今回は、カメラ1台だけで完結する「Eufy SoloCam E30」を試してみることに。はじめての防犯カメラにもぴったりなモデルなんじゃないかと思ってます。

初期設定はわりと簡単で、まずはUSB-Cケーブルで内蔵バッテリーを充電しておきます。そのあと、Wi-Fiに接続してからスマホの「Eufy Security」アプリに登録するだけ。

このあたりの流れは、アンカーの防犯カメラではおなじみで、「Eufy eufyCam S3 Pro」なんかも、ホームサーバーに登録する形で同じように使えました(今回はホームサーバーなしで、単独でアプリに登録してます)。

録画データはカメラ本体に入れたmicroSDカードに保存する仕様で、今回は128GBのカードを使ってみました(カードは別売です)。

▲Wi-Fi接続で動作するため、家庭内に2.4GHz帯のWi-Fi環境が必要

さて、防犯カメラを導入するときに、意外といちばん悩むのは「どこにどうやって付けるか」という設置の話だったりします。機能うんぬんよりも、物理的な問題が先に立つんですよね。

今回、「Eufy SoloCam E30」を取り付けたのは、家に近づく人をしっかり映せる、玄関のポーチ柱のところ。

持ち家とはいえ、壁にドリルで穴を開けるのにはちょっと抵抗がありまして…。なので、前回編み出した“100均で買ったワイヤーネット+結束バンド”のDIY固定テクを、今回もありがたく活用させてもらいました。

▲100均で買ったワイヤーネットに、結束バンドでカメラとソーラーパネルを取り付け

▲ポーチの柱には、自転車用の荷物固定ロープを使ってワイヤーネットをくくりつけ。穴を開けずにしっかり設置できました

ちなみに「Eufy SoloCam E30」の設置ハードルは、防犯カメラの中ではわりと低め。IP65の防塵・防水仕様はもちろんクリアしていて、しかもソーラーパネルが付属しているので、わざわざ電源ケーブルを引っ張ってくる必要がありません。

しかもこのソーラーパネル、本体とケーブルでつながる分離型なので、「カメラはここに置きたいけど、陽当たりが…」というときでも、それぞれベストな位置に設置できるのがうれしいところ。メーカーによれば、1日2時間の充電で、基本的にはそれだけでまかなえるとのことです。

■“AI追従”は実用レベル?ライブ映像から伝わる設計思想

アンカー「Eufy SoloCam E30」、実際にどんなふうに使えるのかも試してみます。管理には、他のアンカー製カメラと共通の「Eufy Security」アプリを使います。

このアプリ、複数台のカメラをまとめて管理できるので、すでに何台か使っている人にとっても、わかりやすくて便利なんですよね。

▲玄関ポートにセットした「Eufy SoloCam E30」の実機をテスト

▲パン・チルトの操作や録画の確認は、すべて「Eufy Security」アプリから

「Eufy SoloCam E30」は、水平360°、垂直70°のパン・チルト機能を備えているので、カメラの向きをあらかじめプリセットしておくこともできます。

さらに、カメラが自動で被写体を追いかけてくれるモーショントラッキング機能もあるので、今回はこれをオンに。撮影対象も、初期設定では“人物”だけになっていたのを“車両”にも対応するよう変更して、動作モードは“監視モード”に切り替えて運用スタートです。

▲カメラの向きはライブ映像を見ながら調整OK。よく使う角度は4か所までプリセット登録もできる

実際に「Eufy SoloCam E30」の映像を見てみると、録画されるのは約300万画素の2K高画質。人の顔や服装もしっかり判別できるので、防犯目的としては十分すぎるクオリティです。

ちなみに、切り出した画像がちょっと荒く見えるのは、AIトラッキング中にカメラが動くことで、一時的に画質が落ちるためです。

▲ふだんは鮮やかでしっかり見えるけど、カメラが動くとちょっと画質が荒れがちに

そして使っていて驚いたのが、AIトラッキングのカバー範囲の広さ。

今回は、家の門まわりから庭までが映ればいいかなというくらいの気持ちでテストしていたのですが…なんと、玄関のドアに向かって歩いてくる姿まで、しっかり映ってました。

▲玄関ポーチの柱に設置した状態でも、玄関ドアを開ける動作までしっかり映っている

▲正面を向いていたカメラが、約360度の範囲で背後まで自動追尾

夜の撮影は、スポットライトが付いていないため、赤外線によるモノクロ映像になります。

暗いときは人物検知の精度がちょっと落ちるので、今回は“動体検知”モードに切り替えて、人物以外の動きにも反応するように設定。白黒とはいえ、映像としてはちゃんと見えるので、防犯目的としてはじゅうぶん役立ってくれそうです。

▲夜間テスト中の様子。赤外線センサーが発光しているのが確認できる

▲モノクロ撮影でも人物の判別は十分。画像が荒れて見えるのは、AIトラッキングでカメラが動いているため

検知された録画ビデオは、アプリの中で“イベント”として一覧で確認できます。今回は、門のまわりだけでなく、庭や駐車スペースも映るように「Eufy SoloCam E30」を設置してみたんですが、検出の精度は思った以上にしっかりしていました。

だいたい8メートルくらい離れていても、人物をパッと認識して録画が始まっていたので、「おお…やるじゃん」とちょっと感心。

▲門の内側、駐車スペースなども全て人物検知に成功

「Eufy eufyCam S3 Pro」に付属しているソーラーパネルのバッテリー持ちも、あわせてチェックしてみました。

設置時のバッテリー残量は77%。そこから6日間、録画件数499件というまあまあ忙しい状況だったんですが、最終的な残量は75%。

しかもこの間、晴れの日もあれば雨や曇りもあったので、天候はけっこうバラバラ。それでもバッテリーの減少はたった2%という結果に。これはなかなか優秀です。

とはいえ、実際のバッテリーの減り具合は、どれだけ頻繁に検知するかとか、ソーラーパネルの発電効率に影響する季節の差などでも変わってきます。

もし思ったよりバッテリーが減っていくようなら、アプリに用意されている「バッテリー節約モード」を使ったり、7段階で調整できる「検知感度」をちょっと下げてみたりと、いろいろ対処の手はあります。

*  *  *

■ソーラーパネルと首振り機能のバランスがちょうどいい防犯カメラ

アンカー「Eufy SoloCam E30」を実際に自宅に取り付けて使ってみて思ったのは、「これはなかなかバランスのいいモデルだな」ということ。

ソーラーパネルが付属しているので電源の心配がいらず、設置の自由度も高め。しかも、見た目重視の一体型ではなく、あえて分離型にしたことで、パネルの角度調整や発電効率もちゃんと確保されています。パン・チルトの首振り機能が必要かどうかは人それぞれですが、今回のテストでは、人物をしっかり追尾できる実用性も確認できました。

画質は欲張らず2K。ナイトモードはモノクロのみですが、肝心の検知はしっかり働いてくれます。録画先がmicroSDカード(別売)というのも扱いやすいポイントで、さらに必要ならアンカー製のホームサーバーと組み合わせるアップグレードの選択肢もあります。そして、価格は税込1万7990円。この内容なら、じゅうぶん納得できる値段だと思います。

最後にもうひとつ。このモデルは、パン・チルトでぐるっと撮影範囲を広くカバーできる防犯カメラ。「防犯カメラ作動中」と書かれたステッカーを、玄関まわりの目立つところに貼っておけば、ご近所さんへのちょっとした気配りにもなりますし、抑止効果としても安心感が増すんじゃないでしょうか。

トラブルを未然に防ぐ意味でも、「防犯カメラ作動中」と書かれたステッカーは、玄関まわりなど目につきやすい場所に貼っておくのがおすすめです。

>> Anker

<取材・文/折原一也 撮影協力/アンカー・ジャパン>

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

【関連記事】

◆ソーラー充電&完全ワイヤレス!Amazon「Ring Outdoor Cam Plus」で駐車場を防犯対策
◆日本メーカーで低価格で常時録画対応!アトムテックの「防犯カメラ」2台を試してみた
◆SwitchBotの「防犯カメラ」はソーラーパネルで設置もカスタマイズも自由度MAX!

モバイルバージョンを終了