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今夏のトレンド“手が届くハイエンド”な「arrows Alpha」をいち早く使ってみた

6月17日にFCNTが最新スマートフォン「arrows Alpha」を発表しました。8月下旬以降にドコモから発売されます。

▲カラバリはブラックとホワイトの2色

FCNTは2023年にレノボグループ傘下に入り、2024年夏にミッドレンジの「arrows We2」シリーズを発売して再スタートを切りました。

arrows Alphaは新生FCNTとして最初のハイエンドモデルで、arrowsブラントとしても久しぶりのハイエンドとなります。しかし、全てにおいて最高の性能を実現するゴリゴリのハイエンドではなく、10万円以下で買える「手が届くハイエンド」を目指したとのこと。価格は未定ですが、FCNTによると「8万円台をめざしている」とのこと。どういう人に向いている端末なのか? 発売に先駆けてFCNTから借りて使ってみました。

 

■片手持ちでも操作しやすいサイズ感が◎

ディスプレイは約6.4インチの有機EL。大き過ぎず、小さ過ぎずといったところ。ボディ幅は約72mm(iPhone 16と同等)で、片手で操作しやすいのが利点。背面パネルは磨りガラスのようにサラサラとした質感に仕上がっています。

▲約6.4インチの有機ELディスプレイを搭載。解像度は2670×1200

▲背面パネルはシンプルで美しく、リッチな質感

サイドフレームは再生アルミで、右側面に音量ボタンと、指紋センサーを兼ねる電源ボタンを配置。左側には新たに「アクションキー」が搭載されています。1回押すと「Gemini」、長押しで新機能「arrows AI」を起動できるようになっていますが、よく使う機能やアプリを起動する設定に変更することも可能。

▲右側面に音量ボタンと電源ボタンを搭載

▲電源ボタンには画面をスクロールしたり、拡大したりできる独自機能「Exlider」も搭載

▲左側面には「アクションキー」を新搭載

▲アクションキーはカスタマイズ可能

下部にSIMとmicroSDのスロットとUSB Type-Cポートを搭載しています。スピーカーはステレオで、音量・音質ともに満足できるものでした。

▲底部にSIM/microSDスロット、USB Type-Cポート、スピーカーを搭載。SIMスロットにはnanoSIMとmicroSDを1枚ずつ装着可能。eSIMを追加して、2回線併用もできる

 

■瞬間が撮れる「アクションショット」が楽しい!

背面カメラは広角(約5030万画素/F値1.88)+超広角(約4990万画素/F値2.05)という構成。望遠カメラは搭載していませんが、2倍は光学ズーム相当の画質で撮影でき、デジタルズームは最大10倍。広角・超広角ともに画質は良好。とくに夕景や夜景がキレイに写りました。

▲カメラは2眼。その下にあるのは、自律神経パワーを測定するための脈波センサー

▲超広角(0.5倍)で撮影。鮮やかな色で写った

▲広角(1倍)で撮影。超広角よりもナチュラルな色合いに

▲広角(2倍)で撮影。センサー内ズームで画質を劣化させずに撮れる

▲明暗バランスのよい夕景写真が撮れた

▲夜景はディティールまで明瞭に写った

動きの速い被写体を撮れる「アクションショット」という新機能も搭載。シャッタースピードが速くなり、連続撮影される画像の中から最適なショットが記録される仕組みになっているようです。愛犬を遊ばせているときに試してみましたが、通常は被写体ブレを起こしそうな状況でも、クッキリと鮮明な写真を撮ることができました。

▲アクションショッで撮った作例。投げたボールがブレずに写り、犬の表情を捉えることができた

なお、アクションショットは、モトローラが7月4日に発売した「motorola edge 60 pro」にも搭載されています。「カメラ」アプリのインターフェースも共通しており、右側面にアクションキー(モトローラは「AIキー」と称する)も共通。FCNT、モトローラどちらもレノボグループということもあり、技術の共有が進んでいるようです。

 

■新機能「arrows AI」は今後の進化に期待

arrows Alphaの大きな特徴としてアピールされているのが「arrows AI」。左側面のアクションボタンやホーム画面のアイコンなどから起動でき、「文字サイズを大きくして」と話すと設定が変更されたり、「動画を撮りたい」と話すと、カメラが「動画」モードで起動したりする仕組み。

▲アクションキーを長押しするだけで、arrows AIが起動。声でもテキスト入力でも利用できる

便利な機能ではありますが、AIらしさは希薄で、“進化したショートカット” といった印象。FCNTによると、これはあくまでもarrows AIの1機能に過ぎず、発売後のアップデートで、AIが要約した通知が表示される機能や、文章から画像を生成したりできる機能も追加されるそうです。今後の進化に期待したいところです。

なお、Googleの「Gemini」や「かこって検索」には対応しているので、普段使いで不満を感じることはないでしょう。

▲GoogleのAI機能「Gemini」もアクションキーから起動可能

▲AI機能は発売後に追加される予定

 

■自律神経パワーの測定機能を搭載

自律神経の状態を測定できる機能も搭載されています。2024年夏に発売した「arrows We2 Plus」に初搭載された機能で、背面の脈波センサーに約2秒間指を当てるだけで、自律神経の活性度がわかる仕組み。測定結果は年齢で表示され、実年齢よりも高いか低いかで、健康状態を認識できる趣向。

▲自律神経パワーの測定には、背面のセンサーに指を当てて約2秒じっとしている必要がある

▲測定結果は「ララしあコネクト」に記録される

arrows Alphaには「ララしあコネクト」という健康管理アプリが搭載されています。自律神経パワーのほかに、歩数、心拍数、睡眠が記録され、血圧計で計測した血圧値を記録することも可能。スマホに搭載されるヘルスケア機能としては、他メーカーを一歩リードしていると言っていいでしょう。

 

■最上位のチップではないが、操作感は上々

プロセッサーは、近年採用するスマホメーカーが増えているメディアテック製で、「Dimensity 8350 Extreme」が搭載されています。最大3.35GHzのオクタコアチップで、サクサクと軽快に操作できました。ですが、Dimensityにはさらに上位の9000シリーズがあり、8000シリーズはハイエンドの中では下位、ミッドハイ相当と評価するのが妥当でしょう。

RAMは12GB、ROM(ストレージ)は512GBと、ハイエンドとして申し分のない仕様。microSD(最大2TB)を装着して、ストレージを拡張することもできます。バッテリー容量は5000mAhなので、電池持ちにも不安はなさそうです。

 

■今夏発売の競合モデルとも比較しよう

今夏は、arrows Alphaと同じように「手が届くハイエンド」「ハイエンド級の機能を備えたミッドレンジ」などと謳う高コスパモデルが続々と発売されています。

例えば、7月4日に発売された「motorola edge 60 pro」は、arrows Alphaと同じ「Dimensity 8350 Extreme」を搭載し、7万9800円。7月17日に発売された「OPPO Reno14 5G」も同クラスの「Dimensity 8350」を採用し、7万9800円です。ゴリゴリの超ハイエンドではなく、「使い勝手がよい、コスパに優れたハイエンドを使ってみたい」という人は、これら8万円前後のモデルを比較して選ぶといいでしょう。

▲motorola edge 60 proはカメラ性能がハイエンド級

▲OPPO Reno14 5Gはハイエンド機と同等のAI機能を搭載している

筆者はいずれの機種も試したことがありますが、motorola edge 60 proはトリプルレンズカメラを搭載し、AIを用いた撮影機能が充実しているのが魅力。OPPO Reno14 5Gは生成AI機能が一歩リードしている印象ですが、FeliCa(おサイフケータイ)には対応していないので注意が必要。8月に発売予定のarrows Alphaは、健康管理機能と防水・耐衝撃・洗えるなどのタフさに優位性アリ。そこに魅力を感じるのであれば、arrows Alphaの発売を待ちましょう。

>> FCNT

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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