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最強ノイキャン×復活のBoseサウンド!「QC Ultra Earbuds(第2世代)」実機レビュー

2025年8月7日、完全ワイヤレスイヤホン界の巨人、ボーズから待望の最新作「QuietComfort Ultra Earbuds(第2世代)」が発売されます。価格は3万9600円。

Boseと言えば、Apple、ソニーといったライバルがひしめくノイズキャンセル対応完全ワイヤレスイヤホンの最有力ブランドの一角。

▲パッケージに小さく“2nd Gen”と入ったBose「QuietComfort Ultra Earbuds(第2世代)」

最新モデルは「QC Ultra Earbuds(第2世代)」という名前が示す通り、2023年の発売以来、実環境でのノイズキャンセルでトップ性能だった「QC Ultra Earbuds」のアップデートモデル。進化のポイントは、AIを活用した“Bose史上最強”を更新するノイズキャンセリング、そしてワイヤレス充電対応などなど。

今回はこのBose「QuietComfort Ultra Earbuds (第2世代)」の実機を発売前に借りて、実力を全方位でガッツリとレビューしていきます。

まず外見ですが、これは前モデルのデザインと全く同じ。Boseというと黒のイメージが強いのですが、僕の趣味でWhite Smokeというカラーを選びました。

▲大きめなイヤホン本体。BOSEの文字が入ったプレート部とフィット部で構成されています

イヤホン本体はアンテナ部分が短く伸びるショートステム型で、2025年のモデルとしてはやや大きめの部類に入ります。ただ、これはあくまで外見の話で、装着感としてはBose独自のイヤーピースとスタビリティバンドで強力にフィットする設計です。

▲装着イメージ。White Smokeカラーなら見た目はさほど目立ちません

2025年の最新仕様としてリニューアルされたBose「QuietComfort Ultra Earbuds (第2世代)」。ハイエンドモデルなので、基本性能にも抜かりはありません。

▲見た目は前モデルとソックリだが、イヤホン本体、ケースともリニューアル

まず、多くのユーザーが待ち望んでいた充電ケースがワイヤレス充電(Qi規格)に標準対応。バッテリー駆動時間はイヤホン単体で最大6時間(イマーシブオーディオ利用時は最大4時間)と、クラス最長とまではいかないものの、日常使いには十分なスタミナを確保。ケースで3回の追加充電が可能で、合計再生時間は最大24時間となります。また、20分の充電で約2時間再生できる急速充電にも対応しています。

▲充電ケースも見た目はほぼ変わらないままワイヤレス充電対応に

Bluetoothは最新のバージョン5.3。コーデックはSBC、AACに加え、ハイレゾ相当の高音質と低遅延を両立するaptX Adaptiveに対応しています。aptX Adaptive対応のAndroidスマホなどでは、さらに高品位なサウンドが楽しめます。また、PCとスマホをシームレスに行き来できるBluetoothマルチポイント接続にも対応します。

専用の「Bose Music」アプリの機能も向上しています。

▲専用の「Bose Music」アプリ

地味なアップデートですが、アプリでタッチ操作をオフにできるようになったこともポイントです。装着位置を直そうとして、うっかり再生を止めてしまうストレスから解放されます。そしてノイズキャンセル性能の強度と空間オーディオを組み合わせてのモード設定もあり、3バンドのイコライザーで自分好みのサウンドに調整することも可能です。

▲ノイズキャンセルの強度を“モード”として登録。登録後はイヤホンタップで呼び出しも可能

 

■進化したノイキャン性能をチェック

さて、Bose「QuietComfort Ultra Earbuds (第2世代)」で誰しも気になる進化ポイントといえば、ノイズキャンセリング性能でしょう。今回は2023年発売のBose「QC Ultra Earbuds」と2台持ち出して比較テストしてみました。

▲駅や電車内に持ち出してノイズキャンセルをテスト

まずは前モデルとなる「QC Ultra Earbuds」から騒音低減をテスト。実はこの前モデルの時点でノイズキャンセル性能は一級品。走行時の重低音は無音レベルでなくなるし、残るガタガタという中域のノイズも大幅にボリュームダウンしてくれます。正直「これ以上、静かになるのか?」と思っていたのですが…、最新モデル「QC Ultra Earbuds (第2世代)」は確かにその上を行っています。特に進化したと感じたのが、人の話し声や、電車の「ガタンゴトン」という中高域のノイズ処理。重低音を無音化した上で、残っていた中域の騒音のレベルをさらに2~3割落としてくれるイメージです。“ボーズ史上最強”の謳い文句は、決して伊達ではありません。ただ、実のところ「QC Ultra Earbuds」の時点で優秀過ぎて、じっくり比較しないと違いは分からないかもしれません。

一方で、予想外の変化があったのが「QC Ultra Earbuds (第2世代)」の音質です。

ROSÉ & Bruno Marsの『APT.』を再生した瞬間、思わずニヤリとしました。冒頭の呼びかける声の生々しさはもちろん、楽曲が始まってからのベースラインの豊かに空間を包み込むようなグルーヴ感は、まさにBoseの真骨頂。宇多田ヒカルの『BADモード』でも、ゆったりと空間を満たす重低音と共に、彼女のボーカルが持つ独特の温度感や繊細なニュアンスも丁寧に伝えてくれます。

▲音質も新旧モデルで比較試聴

サウンドバランスについて正確に解説すると、2023年発売の「QC Ultra Earbuds」は、Bose製品なのに少し優等生的でモニターライクな引き締まった低音が特徴でした。しかし、「QC Ultra Earbuds (第2世代)」は、かつてのBose製品を彷彿とさせる、空間を満たすようなリッチ過ぎる重低音、そして聴いていて“楽しい”サウンドに回帰しているんですよね。昔のBoseサウンドのリバイバルを果たしつつ、解像度はきちんと現代版にアップデートされているので、そこは安心していいポイントです。

通話マイク性能もテストしてみました。2台をPCとペアリングして音質チェックしてみると、最新の「QC Ultra Earbuds (第2世代)」は声の厚み、デジタルノイズの少なさが大幅に向上し実用性がアップしています。

*  *  *

2年を経てのリニューアルとなったBose「QuietComfort Ultra Earbuds (第2世代)」。元から最強だったノイズキャンセル性能の向上に加えて、昔ながらのBoseサウンドの系譜と呼ぶべき重低音と、Bose製品の魅力満載のモデルになっていました。Appleやソニーではノイキャンもサウンドのパンチも物足りないという人にとっては、最高のアナザーチョイスになりそうですね。

>> Bose

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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