iOS26では、Apple Musicのプレイリスト再生中に、まるでプロのDJがミキシングしているかのように曲どうしのテンポを自然に合わせてシームレスに繋いでくれる新機能「AutoMix」が追加されます。iOS26のパブリックベータでAutoMixを実際に試して、使い心地や設定方法、クロスフェードとの違いなどをレポートします。なお、この機能はApple Intelligence非対応モデルでも利用可能です。
AutoMixとは?Apple Intelligence非対応機種でも使えるAI機能
iOS26の新機能「AutoMix」について、Appleは以下のように説明しています。
Apple MusicのAutoMixは、人工知能を使ってDJのように完璧なタイミングでタイムストレッチとビートマッチングを行いながら、次から次へとシームレスに曲をミックス。
「人工知能」を使った機能と記されていますが、この機能はApple Intelligenceではないので、Apple Intelligence非対応機種でも利用可能なのが嬉しいところです。
この記事では、iOS26パブリックベータをインストールしたiPhone14 Proで、AutoMix機能を試しています。
パブリックベータは、初期ベータで確認された不具合を修正していますが、あくまでも開発途中のバージョンであり、動作が不安定になったり、最悪の場合はデータが消失する可能性もあります。メインで使用するデバイスにはインストールしないようにしましょう。
簡単に使えるAutoMix、再生中でもオン/オフ可能
「AutoMix」を使うには、「設定」で「アプリ」>「ミュージック」の「曲のトランジション」をオン(緑)にして「AutoMix」を選択しておく必要があります。
「ミュージック」アプリで曲を選択し、画面右下にある、3本線マークの再生リストアイコンをタップして、右上にある円が2つ重なったようなアイコンがオン(白)になっていれば、AutoMixが有効になっています。
AutoMixのオン/オフは、「設定」アプリを開かなくても、このアイコンをタップするだけで切り替えられるのは便利です。
なお、「設定」で「クロスフェード」を選んでいると、Xのようなデザインのクロスフェードのアイコンが表示されます。
AutoMixが楽曲を繋いでいる間、「ミキシング」と表示され、アートワークがプレゼンテーションの切り替えアニメーションのように、ゆっくりと切り替わっていく演出を見ることができます。
なお、比較的最近リリースされた一部の楽曲では、アートワークがアニメーションになっているものがありますが、アニメーションのアートワークも、ゆっくりと切り替わっていきます。
AutoMixを体験!懐かしの楽曲でも自然に切り替わる
最新リリースの楽曲以外でも対応しているかを確認でき、筆者のツボにハマる平成の名曲が並ぶプレイリスト「平成ヒッツ」を再生してみます。
AutoMixをオンした状態で音楽を再生すると、再生中の楽曲が終わる前に、次の楽曲がかぶったような状態で再生され始め、自然に曲のテンポが合った状態で曲が切り替わります。
作業中やドライブ中などのBGMとして聴くのに適したスタイルだと感じました。
筆者が試した範囲で、AutoMixの効果を顕著に感じられたのは、槇原敬之「どんなときも。」→aiko「アンドロメダ」への切り替わりでした。
「どんなときも。」の終盤40秒ほどで徐々にテンポが下がり、「アンドロメダ」のボーカルが入ってくる、自然でソフトな切り替わりでした。
一方、レミオロメン「粉雪」→ポルノグラフィティ「アポロ」への切り替わりでは、終盤でテンポが上がった「粉雪」のしっとりしたボーカルに、「アポロ」の軽快なギターとボーカルが入ってくる展開でした。
米津玄師「Lemon」→MONGOL800「小さな恋のうた」の切り替わりでは、曲どうしが重なることはほぼありませんでした。AutoMixに必要な秒数は曲によって異なるようです。
ちょっと意地悪な実験
曲の終盤部分だけを再生して、何秒間ならAutoMixが機能するかを比較してみました。
曲の残り時間が15秒未満だと、AutoMixが動作せず、通常の切り替わりとなりました。次の曲とテンポを合わせるのには15秒程度は必要なようです。
また、AutoMixの動作中に再生を一時停止すると、続きを再生してもAutoMixの効果は消えてしまいます。
アルバムでは動作しない模様
アルバム再生中には、AutoMixをオンにしても動作しないようです。アーティストの意図を尊重して、曲のイントロやエンディングをそのまま聴かせるための仕様と思われます。
なおAutoMixは、Apple Musicの公式プレイリストや、ユーザーが作成したプレイリストでは動作します。
ただし、プレイリストを作成して、アルバムと同じ再生順で曲を登録しても、AutoMixは動作しませんでした。
AutoMixが向く聴き方、向かない聴き方
AutoMixを試してみた感想として、AutoMixは意識しないうちに自然に楽曲が切り替わっていくので、作業中やドライブ中などのBGMとして「ながら聴き」するのに向いていると感じました。
一方でAutoMixは、イントロをしっかり聴きたい、曲の終わりの余韻を味わいたい、という聴き方には不向きです。AutoMixは、再生リストを開いて簡単にオン/オフできるので、その時の気分や場面に応じた楽しみ方が選べます。
AutoMixとクロスフェードの違いは?
新機能であるAutoMixと、従来から使用できたクロスフェードを聴き比べてみました。
- AutoMix:次に再生される楽曲とのテンポの違いを、自然に調整して次の曲につないでくれます。楽曲によって、接続部分の長さは異なり、テンポの差が大きいと次の曲にかぶる時間が長くなるようです。
- クロスフェード:設定された時間(初期設定では4秒)、2つの曲の音が重なって切り替わります。曲間の切れ目がないのは自然です。
切り替え方法 | 長さの調整 | 特徴 | |
---|---|---|---|
AutoMix | 徐々にテンポを合わせ、自然につなぐ | 曲により異なる | DJ風の演出。アートワークも変化 |
クロスフェード | 固定秒数(初期設定は4秒)で重ねる | 固定 | 均一でシンプル |
画面表示の分かりやすさには改善の余地あり
AutoMixの楽曲切り替えの機能は満足でき、Apple Intelligence非対応モデルでも使えるのは良いのですが、操作しやすさの点では改善の余地があると感じました。
具体的には、iPhoneで再生リストでAutoMixのオン/オフのアイコンをタップしても、アイコンの色が変化するだけで「AutoMix オン」のようなテキスト表示がないので、少し分かりにくく感じてしまいます。
iPadOS26のパブリックベータを入れたiPad miniでは、アイコンと一緒に「AutoMix」と表示されていて分かりやすいです。iPhoneの小さい画面という制約はあるものの、この後のバージョンでの改善に期待したいところです。
まとめ:音楽の楽しみを広げる待望のアップデート
AutoMixは、派手さこそありませんが、Apple MusicのプレイリストをプロのDJが操作しているように感じられる新機能です。
特に、BGMとして流す聴き方との相性が良く、日常の音楽体験がワンランク上がったような感覚になります。
同じくiOS26で提供される歌詞の翻訳・発音案内と並んで、Apple Musicユーザにとって試す価値のある、楽しみなアップデートとなりそうです。
Photo: Apple
- Original:https://iphone-mania.jp/ios-596826/
- Source:iPhone Mania
- Author:hato