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GoogleがPixel 10シリーズ、Pixel Watch 4を発表。新機能と価格をまとめてチェック

Googleが自社ブランド「Pixel」の新製品を発表しました。スマートフォンは「Google Pixel 10」「Google Pixel 10 Pro」「Google Pixel 10 Pro XL」「Google Pixel 10 Pro Fold」の全4モデル。スマートウォッチは「Google Pixel Watch 4」が41mmと45mmの2サイズで登場し、それぞれBluetooth/Wi-FiモデルとLTEモデルから選べます。さらに、ワイヤレスイヤホンの新モデル「Google Pixel Buds 2a」と、発売済みの「Google Pixel Buds Pro 2」の新色も発売されます。それぞれの発売日とGoogleストアでの価格は下記の通り。

▼Google Pixel 10
8月28日発売
128GB:12万8900円
256GB:14万3900円

▼Google Pixel 10 Pro
8月28日発売
256GB:17万4900円
512GB:19万4900円

▼Google Pixel 10 Pro XL
8月28日発売
256GB:19万2900円
512GB:21万2900円

▼Google Pixel 10 Pro Fold
10月9日発売
256GB:26万7500円
512GB:28万7500円

▼Google Pixel Watch 4
10月9日発売
41mm Bluetooth/Wi-Fiモデル:5万2800円
41mm LTEモデル:6万9800円
45mm Bluetooth/Wi-Fiモデル:5万9800円
45mm LTEモデル:7万6800円

▼Google Pixel Buds 2a
10月9日発売
2万3800円

▼Google Pixel Buds Pro 2(新色 Moonstone)
8月28日発売
3万6800円

前世代のPixel 9は12万9800円〜、Pixel Watch 3は5万2800円〜だったので、価格は据え置き。されど、機能はしっかり進化しています。それでは、それぞれの特徴を一気に紹介していきます。

 

■Google Pixel 10シリーズはAI機能が大きく進化

まず、Pixel 10シリーズに共通する進化点を紹介しておきましょう。

4モデルはいずれもAIの処理能力を高めた最新プロセッサー「Google Tensor G5」を搭載。これにより、いくつかの新しい用途を実現しています。

Pixel 10シリーズには「Gemini」に加えて、「NotebookLM」アプリをプリイン。ユーザーがアップロードした情報をAIが要約したり、音声で読み上げてくれたり、内容について質問したりできるようになりました。例えばwebブページの情報や「レコーダー」アプリで文字起こししたテキストデータなどもアップロード可能。NotebookLMはビジネスで使われることが多いGoogleのAIサービスですが、より手軽に利用できるようになるわけです。

▲「NotebookLM」には、webサイト、YouTube、PDF、テキストデータをアップロードできる

▲アップロードしたソースが解析され、要約される

▲それを音声で聴くこともできる。Vlogの音声などとして使うことも可能

通話中にリアルタイムで翻訳が行われる「マイボイス通訳」にも対応。しかも、AIによって自分の声も相手の声も本来の声質に近い声が生成され、自然に会話ができる趣向です。

▲Googleが開催したメディア向けの説明会で、デモを見せてもらった。少しタイムラグが生じるが、翻訳の精度は高かった

▲通話中の画面には翻訳結果がテキストでも表示される

通話中にユーザーの役立つ情報が表示されたりする「マジックサジェスト」も新搭載。例えば、航空会社に問い合わせの電話をしようとすると、AIが先回りしてGmailからフライト情報を引き出し、通話画面に表示されたりするわけです。

▲「マジックサジェスト」は「電話」アプリや「メッセージ」アプリの利用時に、ユーザーに必要な情報を他のアプリから呼び出してくれる機能だ

カメラには「カメラコーチ」という新機能を搭載。写真の構図など撮り方に迷った場合に、理想的な写真が撮れるようにアドバイスが得られる機能です。実際に試してみましたが、AIによって勝手に設定が変更されたり、トリミングされたりするわけではなく、ユーザーの主体的な操作に導かれる仕組み。活用することで、ワンランク上の撮影テクニックを身に付けられそうです。

▲「カメラコーチ」は写真を撮ることに苦手意識がある人に役立ちそうだ

 

■ベーシックなPixel 10でも十分すぎるほどハイエンド

Pixel 10は6.3インチの有機ELディスプレイを搭載。ディスプレイのスペックは上位モデルのPixel 10 Pro/10 Pro XLより若干低いものの、最大輝度は2000ニト(ピーク輝度は3000ニト)と明るく、60〜120Hzの可変リフレッシュレートにも対応しています。

▲Pixel 10のカラバリは4色

▲6.3インチのディスプレイは明るく、クッキリとした表示

背面カメラは広角(48メガピクセル)+望遠(10.8メガピクセル)+超広角(13メガピクセル)の3眼。望遠カメラは光学5倍、超解像ズームでは最大20倍で撮影できます。前面カメラは10.5メガピクセル。

▲背面カメラは5倍望遠を含む3眼に進化

RAMはハイエンドスマホとして十分な12GBで、ヘヴィなアプリを使ったり、マルチタスクを多用する人でも安心。バッテリー容量は4970mAhで、30時間以上の連続使用が可能。「スーパーバッテリーセーバー」使用時は最長100日間の連続使用を見込めます。「Google Pixelsnap」という新しいワイヤレス充電にも対応。iPhoneのMagSafeのようなもので、対応の充電器やアクセサリーも同時に発売されます。

▲Pixelsnap対応の充電器やアクセサリーも発売される

 

■超ハイエンドのPixel 10 Pro/10 Pro XLは画面サイズで選べる

Pixel 10 Proは6.3インチ、Pixel 10 Pro XLは6.8インチのディスプレイを搭載。解像度はPixel 10 Proが1280×2856(495ppi)で、Pixel 10 Pro XLは1344×2992(486ppi)。最大輝度はどちらも2200ニト(ピーク輝度は3300ニト)と明るく、1〜120Hzの可変リフレッシュレートにも対応しています。

▲Pixel 10 Pro/10 Pro XLのカラバリは4色

2モデルの最大の違いは画面サイズで、機能は共通。カラバリも同じ4色展開なので、シンプルに画面の見やすさや持ちやすさで選べます。両モデルはPixel 10の上位モデルで、Pixel 10がハイエンドであるのに対して、Pixel 10 Pro/10 Pro XLは「超ハイエンド」とでも呼ぶべき高いスペックを備えています。

▲Pixel 10 ProのサイズはPixel 10と同等。重さは207gで、Pixel 10より3g重いだけ

▲Pixel 10 Pro XLはずっしりとした重さ(232g)があり、片手持ちでの操作は難しそうだ

背面カメラは広角(50メガピクセル)+5倍望遠(48メガピクセル)+超広角(48メガピクセル)で、望遠カメラは光学5倍、ロスレス10倍、最大100倍の超解像ズームで撮影可能。高倍率で撮影した画像は、撮影後すぐにAIで補完される仕組みで、明瞭な画質で記録されることが利点。前面カメラは48メガピクセルで、自撮りも高画質で楽しめます。

▲カメラのスペックは共通

▲100倍ズームで撮影すると、モニターには粗い画質で表示されたが、シャッターを切ると「超解像ズーム Pro」による処理が行われ、鮮明な画質で記録された

また内蔵スピーカーは音質を向上させ、「Google Pixel史上最高のオーディオ」と謳っています。

RAMはたっぷり16GB。バッテリー持続時間はPixel 10と同じく30時間以上で、Google Pixelsnap(ワイヤレス充電)にも対応。なお、急速充電の仕様は10 Proと10 Pro XLとでは若干差があり、有線・無線ともに10 Pro XLのほうがスピーディに充電できます。

 

■Pixel 10 Pro Foldは長く使い続けられるタフなマシンに進化

Pixel 10 Pro Foldは折りたたみ時には6.4インチ、開くと8インチの大画面スクリーンを利用可能。競合のGalaxy Z Flip7は折りたたんだ状態で8.9mm、開くと4.2mmという薄さが話題になりましたが、Pixel 10 Pro Foldは前モデルと同等のサイズ感。折りたたみ時は10.8mm、開いて5.2mmという厚さです。しかし、折りたたみスマホとして初めてIP68準拠の防塵・防水性能を備え、耐落下性能も向上。Googleによると「10年以上の折りたたみ動作に対応」とのことで、長く安心して使えそうです。

▲Pixel 10 Pro Foldのカラバリは2色

▲Pixel 10 Pro Foldは外観の展示のみで、触れることはできなかったが、サイズ感は前モデルのPixel 9 Pro Foldと同等

背面カメラは広角(48メガピクセル)+望遠(10.8メガピクセル)+超広角(10.5メガピクセル)の3眼。望遠カメラは光学5倍、超解像ズームでは最大20倍で撮影できます。前面カメラは10メガピクセル。さらに10メガピクセルの内側カメラを備えています。機種名は “10 Pro” ですが、カメラの性能はPixel 10に近いようです。

しかし、高画質の背面カメラで自撮りができたり、撮った写真を大画面で見比べられる「インスタントビュー」など、折りたたみスマホならでは使い方ができることが利点。

▲大画面を有効に使えることが利点

▲マルチタスク操作もスムーズに行える

RAMは16GB。電池持ちや充電の使用はPixel 10 Proとほぼ同じ。発売が少し先ということもあり、まだ実機には触れていませんが、前モデルから操作性が向上していることを期待できそうです。

 

■Pixel watch 4は待望のGemini、心電図に対応

4世代目となるPixel Watch 4は、これまでで最も大きな進化を遂げた印象。円形のデザインはそのままに、ベゼルは16%細く、画面は10%広くなり、保護ガラスだけでなく、ディスプレイのエッジ部もカーブする新しいドーム型ディスプレイを採用。

▲カラバリは41mmモデルが4色、45mmモデルが3色

▲従来のデザインを継承しているが、ディスプレイのドーム感が強くなった

初めて「Gemini」に対応し、話しかけて、知りたいことを調べることが可能。その際「OK Google」などと呼びかける必要はなく、手を上げるだけで、Geminiが起動して、音声の聞き取りが始まります。従来の「Googleアシスタント」よりも使い勝手はよくなり、できることは増えた印象です。

▲手を上げると星が光るようなGeminiのアイコンが表示される

▲話しかけるとGeminiが聞き取って、返答してくれる

▲カレンダーに予定を追加もできる

日本では使えなかった心電図(ECG)アプリが使えるようになったことも魅力。睡眠トラッキングと皮膚温センサーの精度も向上し、ヘルスケア機能の強化も図られています。

▲心電図(ECG)も測定可能になる見通し

ワークアウトは40種類以上の運動をプリセットし、AIがトレーニングプランを作成してくれたりもします。「Fitbit」アプリはリニューアルされ、サブスクリプション「Fitbit Premium」も進化する予定。

▲Gemini搭載によって、よりパーソナルなアドバイスを得られるようになるという

バッテリー駆動時間は前モデルから25%向上し、41mmモデルは最長30時間、45mmモデルは最長40時間に。バッテリーセーバーモードにすると、それぞれ最長2日間、最長3日間持たせることができます。

▲充電器の仕様が変更され、充電速度も25%向上

 

■Pixel Buds 2aはACNに対応し、Geminiも利用可能に

Pixel Buds 2aは、コスパで人気のAシリーズの最新ワイヤレスイヤホン。Aシリーズ初のアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。さらにGeminiにも対応しているので、スマホを取り出すことなく、音声による検索を利用可能。バッテリー駆動時間はANCオンで7時間、充電ケース使用時で20時間となっています。

▲Pixel Buds 2aのカラバリは2色

既存の上位モデルのPixel Buds Pro 2には、新色のMoonstoneが登場。環境に合わせて音量や音質が調整される「アダブティブサウンド」や聴覚保護機能を備え、もちろん、Geminiにも対応しています。

▲上位モデルのPixel Buds Pro 2には新色が登場

 

■通信キャリアでの販売価格も要チェック!

気になるデバイスはありましたか? なお、Pixel 10シリーズはドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルも取り扱います(Pixel 10 Pro Foldは楽天モバイルは取り扱わない)。通信キャリアで購入する場合、分割払いで購入して、1〜2年使った後に返却することで、以降の分割金の支払いが免除され、実質的な負担金を安く抑えられるプログラムも利用できます。また、Googleストアで購入する場合も下取りサービスが利用できます。事前によく調べて、賢く購入しましょう。

▲Googleストアおよび各キャリアが行う割引施策も要チェック!

>> Googleストア

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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