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「Google Pixel 10」と「Google Pixel 10 Pro」機能と価格差を考えてどちらを選ぶべきか

Googleのスマートフォン「Pixel」の最新モデルが8月28日に発売されました。「Google Pixel 10」「Google Pixel 10 Pro」「Google Pixel 10 Pro XL」「Google Pixel 10 Pro Fold」というラインナップで、折りたたみ式のPixel 10 Pro Foldは10月9日の発売となります。先に発売された3機種をいち早く使ってみました。

Pixel 10シリーズは、いずれも最新の「Google Tensor G5」チップを搭載するハイエンドモデルです。Pixel 10がスタンダードモデルで、Pixel 10 Pro/10 Pro XLが上位モデル。まずは主なスペックを確認しておきましょう。

Pixel 10とPixel 10 Proの差分はメモリ、ディスプレイ、カメラ。なお、Pixel 10 ProとPixel 10 Pro XLは画面サイズが違うだけで、機能は同じと考えていいでしょう。細かく比較するとPixel 10 Pro XLのほうがスピーディに充電できるのですが、どの機種でも30分で50%以上充電できるので、不便を感じることはないはずです。

▲左からPixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL

画面サイズを重視するなら “XL一択” でしょうが、操作しやすいサイズ感を求める人はPixel 10とPixel 10 Proのどちらを選ぶべきか? 徹底的に使い比べてみました。

 

■サイズ・デザインは共通だが、質感が異なる

まず、手にした印象ですが、Pixel 10もPixel 10 Proもサイズ感は同様。Pixel 10 Proのほうが3g重いのですが、気になる差ではありません。

▲左がPixel 10、右がPixel 10 Pro

端末に使われている素材もほとんど同じ。ですが、Pixel 10の背面パネルはツルツルの光沢仕上げ、Pixel 10 Proは磨りガラスのようなサラサラとした質感。逆に、サイドフレームはPixel 10がサラサラで、Pixel 10 Proがツルツルと、それぞれの仕上げが異なります。どちらが高級に見えるというわけではなく、好みは分かれるでしょう。

▲左がPixel 10、右がPixel 10 Pro。サイドフレームの質感は異なるが、ボタン配置は共通

なお、Pixel 10 Proには、前モデルから引き続き、温度計が付いています。

▲左のPixel 10のカメラは前モデルの2眼から3眼に進化。右のPixel 10 Proには前モデルと同じく温度計が搭載されている

 

■どちらを選んでも、最新のAI機能を堪能できる

Pixel 10シリーズの最大の特徴は、AI機能が強化されたことにあります。新しい機能として、撮影時に理想的な写真が撮れるように導いてくれる「カメラコーチ」、通話やメッセージの利用時にAIが先回りしてユーザーに必要な情報を表示してくれる「マジックサジェスト」、通話時に自分の声で翻訳される「リアルタイム通訳」などがあります。これらの機能は両モデル共通です。

「カメラコーチ」はGeminiを用いた新機能。自動で設定が変わったりトリミングされたりするわけではなく、ユーザーが主体的に操作するようにガイドしてくれるところがポイント。写真撮影が苦手な人に適した機能ですが、自信がある人も使ってみると、新しい発見があるかもしれません。

▲「カメラコーチ」を起動すると、いくつかの構図が提案される。撮りたい構図を選択すると、理想的な写真が撮るためのガイドが表示される

「マジックサジェスト」は、通話やメッセージの際に、Googleアカウントに紐づく情報の中から、AIがユーザーに必要と推測される情報を引き出して表示してくれる機能。初期設定はオフになっており、Gmailの設定で有効化する必要があります。筆者はほとんど情報を保存していない状況で試しましたが、「メッセージ」で待ち合わせの相談をすると「カレンダー」や「マップ」のアプリを起動するように導かれたりするのは便利だと感じました。

▲「マジックサジェスト」を利用するには、事前に設定が必要

▲「メッセージ」のやり取りをAIが解析して、必要と思われるGoogleアプリの起動に導いてくれる。Gmailの情報も検索される仕組みで、Googleサービスを多用している人ほど役立ちそうだ

最も気に入ったのは「マイボイス通訳」。外国人と通話をする場合に、話者の声に似た声で通訳される機能。つまり、フツーに日本語で話せば、相手には自分が外国語で話しているように聞こえるわけです。あいにくネイティブの人と通話する機会はなかったのですが、英語を話せる日本人を相手に試してみたところ、かなり近い声質で驚きました。通訳には少しタイムラグが生じ、まず元の声が小さく聞こえて、その後に、通訳された音声が聞こえます。間延びした感じになりますが、ちゃんと通訳されていることが実感でき、それはそれでいいかも、と思えました。

▲「マイボイス通訳」は、まず「電話」の設定画面で有効にする必要がある。通話の開始後すぐに起動できる。翻訳結果は画面にも表示される

文字起こしと要約ができる「レコーダー」には、録音した音声にAIが生成したBGMを付加できる機能が追加されました。3分までという制約はあるものの、ナレーションの作成などに役立ちそうです。

▲「レコーダー」には、AIによってBGMを追加できる機能が搭載された。録音した音声やリズムに合った音楽が生成される

「NotebookLM」アプリもプリインストールされています。ソースとしてPDF、Webサイト、YouTube、テキストデータをアップロードすると、その情報が要約されたり、内容について質問できたりできるというもの。面白いのは「スタジオ」という機能で、ソースをまとめた内容を音声で聞くことができます。ただ、要約を読み上げるのではなく、まるでラジオ番組やポッドキャストのような語り口調の音声コンテンツが生成されます。ただし、無料で使える容量には制約があり、存分に使うには「Google AI Pro」(月額2900円)にアップグレードする必要があります。

▲複数のデータをアップロードして、要約したり、質問したりできる。音声解説が聴ける機能は非常に便利で楽しい

検索や文章生成などを行う「Gemini」や、「フォト」の多彩な画像編集機能の使い勝手にも差はありません。AIを目当てに買うのなら、どちらを選んでもよさそうです。

 

■ディスプレイ性能の差はわずか

Pixel 10とPixel 10 Proは、どちらも6.3インチの有機ELディスプレイを搭載しています。Pixel 10は「Actuaディスプレイ」、Pixel 10 Proは「Super Actuaディスプレイ」という名称で、それぞれの解像度、輝度、リフレッシュレートに差があります。といっても、どちらも明るく、クッキリとした表示で、使用感にはほとんど差はないと言っていいでしょう。

▲左がPixel 10、右がPixel 10 Pro。日常的な用途においては、表示性能の差は気にならないだろう

なお、Pixel 10シリーズは、内蔵スピーカーの音質を向上させたことも特徴としています。両モデルの音を聴き比べたところ、どちらもスマホとしてはトップクラスと思える迫力がある音を楽しめました。よって、動画を観たり音楽を聴いたりする楽しさも互角です。

 

■Proは画期的な100倍ズームを楽しめる

両モデルの最大の違いはカメラ。どちらもトリプルカメラを搭載していますが、スペックに差があります。

<Pixel 10>
超広角(1300万画素/F値2.2)
広角(4800万画素/F値1.7)
望遠(1080万画素/F値3.1/光学5倍)

<Pixel 10 Pro>
超広角(4800万画素/F値1.7)
広角(5000万画素/F値1.68)
望遠(4800万画素/F値2.8/光学5倍)

という構成です。

▲Pixel 10の超広角(0.5倍)で撮影

▲Pixel 10の広角(1倍)で撮影

▲Pixel 10の広角(2倍)で撮影。ロスレス画質で撮れる

▲Pixel 10の望遠(5倍)で撮影

▲Pixel 10の超広角(0.5倍)で撮影

▲Pixel 10 Proの広角(1倍)で撮影

▲Pixel 10 Proの広角(2倍)で撮影。ロスレス画質で撮れる

▲Pixel 10 Proの望遠(5倍)で撮影

▲Pixel 10 Proの望遠(10倍)で撮影。ロスレス画質で撮れる

実際に撮影してみると、画質に大差はありません。Pixel 10 Proのほうが自然な色を忠実に再現するように感じましたが、Pixel 10でも十分すぎるほどキレイに写ります。

▲Pixel 10で料理を撮った作例

▲Pixel 10 Proで料理を撮った作例

▲Pixel 10で夜景を撮った作例

▲Pixel 10 Proで夜景を撮った作例

最も大きな違いはズーム機能。Pixel 10の望遠カメラは光学5倍ズームで撮影でき、デジタルズームを組み合わせた超解像ズームは最大20倍。一方、Pixel 10 Proは光学5倍ズームに加えて、10倍でも光学ズーム相当の画質で撮影可能。また、デジタルズームを組み合わせた超解像ズームは最大100倍で、30倍以上で撮ると、AIを用いた画像処理も行われます。ただ単に解像感が補完されるのでなく、AIによる画像生成も行われるので、驚くほど鮮明な画像に仕上がります。

▲Pixel 10 Proの広角(1倍)では遠くに小さく写る鳥居を100倍ズームで撮ってみた結果が下

▲写真は2枚保存される。左が元の画像、右は「超解像ズーム Pro」による処理が行われた画像

▲牛乳のパッケージを100倍ズームで撮影してみると、このように処理された。今後さらに精度が上がることも期待したい

使い比べるとPixel 10 Proのズーム機能に優位性を感じましたが、実際には最大20倍で十分な気もします。

 

■コストを重視するなら、Pixel 10がオススメ

Googleストアで購入する場合、Pixel 10は12万8900円〜、Pixel 10 Proは17万4900円〜。4万6000円もの差があります。同じ256GBモデルで比べた場合でも3万1000円の差があります。

カメラ性能を重視しないなら、とりわけ高倍率ズームを必要としないのであれば、Pixel 10を選ぶのが賢明でしょう。100倍ズームに惹かれる人や、「メモリは多ければ多いほど安心」「ストレージが256GBでは足りない」というヘヴィユーザーには、Pixel 10 Proをおすすめします。

▲できれば実機に触れて、両モデルの質感も確認しよう

>> Googleストア

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

 

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