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最強恐竜スピノサウルスを筆塗りでリアルに仕上げる!【ジュラシック・パークIII スピノサウルス 】

【達人のプラモ術】
エクスプラス
「1/35 ジュラシック・パークIII スピノサウルス」
01/03

毎日酷暑が続くこの夏、涼を求めて映画館へGO! というワケで、先日観て参りました。恐竜好きとしてはお待たせしました!の新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』。2022年公開の『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』で大団円を迎えてから3年リブート作品となる本作では再び恐竜たちが大暴れします。

特に2001年公開の『ジュラシック・パークⅢ』で登場したスピノサウスルスは、ティラノサウルスを倒した最強の恐竜として強烈なインパクトがありました、復活の大地ではこのスピノサウルスがさらにパワーアップして登場(それも群れで!)。

前置きが長くなりましたが、映画を観て頭の中がすっかりジュラシック・ワールドになった達人は、今回は最強恐竜スピノサウルス製作します!(全3回の1回目)

▲エクスプラス(X-PLUS)の『ジュラシック・パークⅢ』スピノサウルスキットのボックスアート

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』
人類を救う新薬開発のために陸、海、空の3大恐竜のDNAを採取する極秘任務を任された秘密工作の専門家ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)。彼女は探査チームと共に、いまだ危険な恐竜が数多く生息する禁断の島へと足を踏み入れる。日本公開日:2025年8月8日

©Universal City Studios LLC and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved.

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。タミヤ公式YouTubeチャンネルなどでもハウツーレビューを配信中。

 

■エクスプラス(X PLUS)のスピノサウルス

今回製作するのは、恐竜や怪獣、ムービーモンスターなどをプラモデル化しているエクスプラス(X PLUS)のプラモデルで、『ジュラシック・パークIII』に登場したスピノサウルスを1/35スケールで立体化したキット。劇中のクライマックスシーンをイメージしたリアルなジオラマ台座が付属しています。

で、このキットをストレートに組み上げても、リアルなスピノサウルスになるんですが、今回は『ジュラシック・ワールド/復活の大地』でギャレス・エドワーズ監督によってリデザインされ、よりパワーアップされたスピノサウルスを再現します。

劇中で、陸上だけではなく海中でも獲物を狩っていたという考古学的な新説に基づき、主人公たちの乗る船を海中から襲います…。それも群れで…。

ジュラシック・パークIII版のスピノサウルスと比べて、いちばんの違いは体色。前作での地味目の“いかにも恐竜!”といったダークトーンな色調から一新、特徴的な背びれから体にかけて派手なオレンジ色の帯が入っています。

劇中では鮫の背ビレみたいに、スピノサウルスの背ビレが海面で波を蹴立てて、主人公達の乗る船に群れで迫ってくるシーン、なかなかにゾワゾワきます。

というわけで今回は体色がお色直しされたジュラシック・ワールド/復活の大地版のスピノサウルスとして製作を進めます。

エクスプラス(X PLUS)
「1/35 ジュラシック・パークIII スピノサウルス」(6600円)
発売:2024年12月

>> X PLUS

 

バンダイ スピリッツからも、恐竜の可動プラモデル「プラノサウルス」シリーズより『ジュラシック・ワールド/復活の大地』をフィーチャーした「スピノサウルス」の特別キットが発売中。オレンジの模様が入った体色を再現

バンダイ スピリッツ
「プラノサウルス JURASSIC WORLD スピノサウルス(色分け済みプラモデル)」(2915円)

 

■派手な恐竜がいたっていいじゃない

スピノサウルスは白亜紀後期に生息していた恐竜で、見つかっている化石では、体長約12m、体高約4m、体温調節に使われていたと言われている背びれの高さが約1.8m、巨大な爪と鋭い牙を持つ肉食恐竜とのこと。いや、夜道で絶対会いたくないタイプの恐竜なんですね(会わねーよ)。

恐竜の体色に関しては現代のワニとかトカゲを元に考察されたものとのことなんですが、誰も見たことがないんだから、どんな色をしていたかは実際のところわかりません。言うところの“俺はアブナイよ”って主張する警戒色ってヤツということで、背びれがオレンジのスピノサウルスがいたって良いと思うワケです。

そして模型的には好きな色に塗る楽しみがあるのですが、今回のポイントとしては生物的な塗装になります。劇中のスピノサウルスの体色は全然違和感なく、俺は凶暴だぜぇを主張するアイコンにもなっていました。

キットは皮膚の質感やシワ、筋肉の付き方などが非常にリアルに再現されているので、生物的な塗装が映えます。そこで今回はエアブラシではなく、アクリル塗料を使い筆塗りで質感を出していこうと考えています。

 

■まずは組み立て

エクスプラスの恐竜は、大変よく考えられており、パーツの合わせ目(接着線)が極力目立たないパーツ分割がなされています。

胴体はありがちな左右分割とかではなく、芯になるパーツに外皮パーツを貼り付けていく構成となっており、またパーツ精度が高いのでパーツの合わせ目が目立たないようになっています。

パーツが左右分割だと、リアルに再現されている皮膚のディテールが合わせ目消しのサンディングで消えてしまうので、内部パーツに外皮を貼り付けていくのこの方式は大正解だと思います。

▲キットの組み立て説明図。芯となる胴体に7点の外皮パーツをを貼り付けていくことが分かる。説明はすべて英文だがエクスプラスは日本の模型メーカー。これは古き良き時代の海外メーカーへのオマージュだ

▲成型色はレンガ色。これが胴体の芯となるパーツ

▲フライドチキンではなく、外皮パーツを接着した胴体パーツ。中央の盛り上がった部分に後足がつく。各パーツは大きめのピンでしっかりと芯となる胴体側に固定できるので隙間や段差はできない

▲スライド金型で成形したことで内部を空洞化、肉厚のパーツで避けられないヒケ(パーツ表面の凹み)を防いだ背びれパーツ。胴体と隙間なくピタリと組み合わせられる

▲大きく開いた口と頭部は上下分割

▲鋭い牙や舌などは別パーツ化されており、口腔内もリアルな仕上がりとなる

▲組み上がった頭部。凶暴な目つきもシャープなディテールで再現されている

▲胴体に組み上げて首を接着する。接着タブが大きくしっかりと取り付けられる

▲太くがっしりした後足を胴体に取り付ける。しっかりしたピン4本で位置決めもしやすい

▲わずかだが出るパーツ接合線は溶きパテを塗り込んで、約30分ほど乾燥させて後、溶剤で吹き取ることで埋めて修正。ヤスリで研磨しないので外皮のディテールを傷めない

▲咆哮するスピノサウルス。口腔内のディテールも迫力満点だ

▲腕も取り付けてスピノサウルス素組み完成。ここまで組み立ての所要時間は約4時間。そのままでは自立しないのでキット付属の展示ベースに仮固定している

▲こちらもキット付属のジオラマディスプレペース。スピノサウルスが泥水を踏んで跳ね上がる水がリアルに再現されている

▲塗装の参考用にと購入した塗装済み『ジェラシック・ワールド』のトイ。でも劇中のスピノサウルスとはイメージが随分と違うのが残念

 

■ジェラシックワールドの世界をプラモで楽しむ!

ということで、今回はスピノサウルスはサクサク組んで完成させました。本格的な恐竜プラモですが、組みやすくプラモのスキルが少ない方にもオススメのキットです。さて次回からはいよいよ筆塗りで塗装を進めていきます。

塗装は水性塗料を使い筆塗りとすることで、生物的な質感を表現していきます。

シリーズが30年続いているジュラシックパークの世界。3作目となる『ジュラシック・ワールドⅢ』で登場し、最新作で装いも新たにパワーアップして登場したスピノサウルスの姿をどう仕上げるか、乞うご期待です!

>> [連載]達人のプラモ術

<製作・写真・文/長谷川迷人>

 

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