【アウトドア銘品図鑑】
スノーピークの「ランドネスト」シリーズは設営しやすさにとことんこだわったエントリー向けラインです。2023年のデビュー以来、スノーピーク品質でこの価格!? と初心者はもちろんベテランキャンパー勢もざわついた魅惑のシリーズですが、「できればちょっとしたリビングになる前室付きがいいよなぁ」なんて思っていた人、多いのでは。
そんな声に応えるように、待望の2ルーム「ランドネストシェルター」(8万7780円)が仲間入りしたのは2025年春。なかなかサンプルを試すタイミングがなかったのですが、9月6~7日に開催された「スターキャンプ2025 in 朝霧高原」で展示すると聞き、会場で体験させてもらいました。
■「ランドネストドーム」ゆずりの構造
先にデビューした「ランドネストドーム」シリーズは、真ん中のメインフレームが2つのAフレームとリッジポールで逆Y字型となり自立。トンネル型のようにくたっとすることなく、多少の場所移動だって楽ちん。だれもが素早く美しく設営できるのが特徴です。
「ランドネストシェルター」もこの構造を受け継いでいます。
小さな子がいると、親のどちらかが子どもの相手をするシーンが多く、ひとり設営せざるを得ないことも。「ランドネストシェルター」はふたりでの設営が理想ですが、風がなければひとりでもなんとか設営できる。これもキャンプ好きファミリーにうれしいポイントです。
もっとも「ランドネストシェルター」ではメインとなるAフレームの二股部分がぐーんと高くなっていて、ここのパネルはメッシュ付きで巻き上げOKに。メインフレーム部分から出入りできるようになっているんです。
どの方向からでも室内にアクセスできるから、混雑したフリーサイトや林間サイトでもストレスなく過ごせます。
サイドのドアはほぼ垂直なので結露したパネルに触れずにすむのも◎。
前後・左右シンメトリーだから設営時の「あっ、間違えた!やり直し」っていうことはありません。
サイドの張り綱の向きにも注目。V型になるよう、2本の張り綱を1本のペグで固定するので美しいし、張る方向に迷うこともありません。脚をひっかけて転ぶ危険も低減されます。小さい子がいるファミリーにとってこれはうれしい!
もちろん風が強い日は張り綱1本に対して1本のペグで固定すれば、ペグが吹き飛ぶリスクを抑えられます。
張り綱はポールに巻き付けたウェビングに取り付けるスタイル。風による揺れを大幅に低減できますね。初心者ファミリーに心強い仕様です。
■インナーテントもひと工夫されています
インナーテントはどちら側に取り付けてもOK。
奥行き220cm、幅338cmで親子4人でゆっくり眠れます。インナーテント内の高さは最大180cmなので大人も子どもも着替えやすいし、ハイコットを入れても圧迫感がありません。
インナーテントは吊り下げ式で、手前2か所をペグダウン。わずか2分で2ルームテントのできあがり。
インナーテントはワンアクションで開閉できるでっかいドアが2面。後部はシェルターの出入り口とリンクしているので、前後をメッシュパネルにすれば風を取り入れながら眠れます。
シェルターの後部パネルを巻き上げず、短いポールを使って少し浮かすように跳ね上げれば寝室内が見えにくくなるし、風を取り入れつつ急に降り出した雨が入り込むのを防げます。
メインフレーム部分に引っかけるのですが、身長165cm程度あれば手が届きます。
両側にもフックがあるので、吊り下げ式インナーの“壁だらーん”による、ほんのりした圧迫感はありません。
インナーテントを取り外してシェルターとしても利用可能。
これだけ広いと、雨の日はこの中で全部片付けてからシェルターを撤収するなんてことも余裕でできますね。
■エントリーモデルだけどオールシーズン対応
エントリーモデルのシェルターですが、暑さが厳しい夏キャンプも、凍える冬キャンプにも対応する設計なのも「ランドネストシェルターはコスパがいい」と言われるゆえん。
同じエントリーモデルの「エルフィールド」とは違い、ルーフ部分には遮光ピグメントPUコーティングを採用。
同社の憧れ2ルーム「ランドロック」(150Dポリエステルオックス)ほどの厚みはありませんが、軽く、扱いやすいのに遮光ピグメントで日差しを軽減できるなんてステキ。耐水圧も十分です。
オプションの「ルーフシート」を装着すれば、暑さを大幅に和らげられるし、結露の低減にも役立ちます。
前後と左右に大型メッシュを搭載しているので開放感抜群。
中央に2か所、トップベンチレーターを装備していて、雨の日などパネルを閉じていても換気しやすくなっています。
夏の暑さ&湿気対策だけじゃありません。全周にスカートを装備していて隙間風をシャットアウト。
リビング部分にローチェアとテーブルを置いて、家族みんなでぬくぬく過ごせます。
「ランドネストシェルター」は1張りでリビングと寝室を作れますが、荷物が多い家族や大きめのファニチャーを使っている家族だとリビングがちょっと手狭に感じるかも。
そんなときはパネルを手持ちのポールで跳ね上げるほか、「ランドネスト」シリーズは色味が同じなので「ランドネストタープセット」を組み合わせてリビングを拡張しても統一感があってステキです。
スノーピークは修理やテント乾燥サービスなどアフターサービスが万全。そしてエントリーモデルといえど手を抜かず、細部まできっちり仕上げています。
慣れると30分ほどで設営も撤収も完了する「ランドネストシェルター」。1年中快適にキャンプできる設計で税込み価格が10万円を大幅に切るというのですから、ベテラン勢の食指が動くのも納得です。
>> スノーピーク
<取材・文/大森弘恵 撮影協力/ハイマウント>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/697767/
- Source:&GP
- Author:&GP