2025年春にTVS REGZAが発表したレグザ2025年モデルの目玉機能のひとつが「レグザAIボイスナビゲーター」。発売当初は部分実装でしたが、この夏に行われたソフトウエアアップデートで「対話形式」に正式対応しました!
テレビでは番組やYouTube検索などで“ボイス検索”が既に実装されていますが、「レグザAIボイスナビゲーター」ではついにChat GPTのような会話画面のUIまで搭載されました(ちなみにレグザのAIはGeminiがベースです)。
今回、レグザのフラッグシップ有機ELテレビ「65X9900R」を借りているので、AI対応になったテレビ体験をレポートしていきます!
■番組名が思い出せないコンテンツも検索で探せちゃいます
まず、基本操作から。
「レグザAIボイスナビゲーター」はリモコンの「ボイス」ボタンから呼び出します。そして、そこから先の検索が単純なキーワード検索ではなく、AIチャットになっています。
「レグザAIボイスナビゲーター」の真打ちは、AIのインテリジェンスによって、質問内容の自然言語の理解と共に、SNSのバズり情報、パーソナライズを融合した回答をします。
僕が最初に試した質問が、本当に観たかったけど、うろ覚えの番組探し。
「NHKのデザインを扱ってる番組ってあれ何だっけ?」
こんな質問を投げてみると、自動的に検索条件に分解した上で、放送、ネット動画を横断検索。見事に、本当に探していた『デザインあneo』もピックアップ。
なお、検索対象は地デジ放送もネット動画も全部。有機ELテレビ「65X9900R」は地デジ全録の「タイムシフトマシン」対応で地デジ番組もHDD上に録画済みだし、YouTube、PrimeVideo、TVer等も検索対象と、かなり幅広く探してくれますよ。
検索結果の画面では、番組に番号が振られていて、ここから「1番を見たい」と音声で選択も可能。ただこれを本当に活用するにはハンズフリーが必要なので、そこはアップデート待ちですね。
他にも「レグザAIボイスナビゲーター」に色々質問しまくって、挙動を調べてみました。
■番組情報、SNS、個人の趣向も加味したAI
次はちょっとフワっとした質問に。
「ここ1週間くらいでバズったアニメって何がある」と尋ねてみました。
回答は『おしりたんてい』『ざんねんないきもの事典』『ダンダダン』という選出。SNSを見ても投稿はありますが、正直言ってバズってはいません。子供寄りなチョイスは、僕が子供にアニメを見せている履歴が反映されているんだと思います。ちなみに、シンプルに「今一番人気のアニメは?」だとランキングにジャンプ。
動画配信などを想定した質問も可能で「子供と一緒に見られるハリウッド映画ないかな?」と質問すると、PrimeVideo、Hulu、U-NEXT、Lumino等から主にアニメ映画がヒット。ただ、『リメンバー・ミー 狂気の母』(2022年のイギリスのスリラー映画)も出てきて、そのまま信じ過ぎないように注意も必要です。
他にも色々と質問してみたのですが、「確かにAIが会話から考えて、番組を探している」というのは間違いなさそうです。ただAIなので回答のブレ幅はあるし、同じような質問をしてもチャットで回答したり、検索結果にすぐに飛んだりと、毎回違う対応をしてくるところは御愛嬌。
ところで、AIチャットと会話するなら、どうせなら番組探し以外も付き合って欲しいですよね。そこで、「レグザAIボイス機能」に、あえて番組を探させない会話もしてみました。
まずは「空は何で青いの?」とお勉強の質問をしてみると、AIらしく科学的回答。ただチャット画面の文字数が少ないので、簡単に答えてくれる程度。
今度は「東京から大阪までいくにはどういうルートがいい?」と尋ねてみると、こちらも会話が成立。返答を受けて会話を続けられます。ただ、Chat GPTやGeminiのようにネット検索をしてくれるわけではないので、あくまで知識ベースで軽い会話をしてくれる程度ですね。
なお、AIによる回答はコンプライアンスによるフィルターがかけられていて、回答範囲はやや厳しめ。ちなみに「REGZAとハイセンスって何が違うの」と何度も尋ねてみても、そのリクエストには対応できないと言われてしましました。
こうして使ってみると、「レグザAIボイスナビゲーター」の回答は不完全ではあるけど、自然に話しかけて番組を探せるところがポイント。今までのキーワード検索代わりにしていた以上に便利に使えるようになりました。
■AIだけじゃなく、画と音も“本物”でした
レグザのフラッグシップ有機ELテレビ「65X9900R」があるので、画質・音質も最後にレポートしておきます。画質は、最新の4層有機ELパネルと「レグザエンジンZRα」を搭載しているだけあって、まさに最上級。
地デジ放送は、明るさと鮮やかさのバランスを取りつつ、精細感に優れた画質。HDR映画では、例えば映画『トップガン・マーベリック』でも、テストフライトのシーンの管制室の暗がりと、計器類の眩しい光は、これぞ有機ELの真骨頂!と唸らされました。
そして「65X9900R」は音もすごい。18個ものスピーカーを内蔵で、音の広がり、移動感と共に低音の再現性も極上。テレビ内蔵スピーカーとして音質も極めて優秀で、サウンドバー不要の完成度ですね。
発売時点から画質・音質とも2025年最高候補だったレグザのフラッグシップ有機ELテレビ「65X9900R」。元から「タイムシフトマシン」の地デジ全録で機能トップなのに、新たに「レグザAIボイスナビゲーター」にAIとの対話する機能が加わり、機能面では本当に突き抜けた一台になりました。
AI時代のテレビ体験も垣間見られるし、何より「レグザAIボイスナビゲーター」は今までの音声検索より普通に便利。
テレビは操作が面倒くさいデバイスだと思っていた人でも、新しいレグザの「レグザAIボイスナビゲーター」を体験してみると、ちょっと新しくて楽しくなりますよ!
<取材・文/折原一也>
【関連記事】
◆“大画面TV vs プロジェクター”究極の選択!臨場感MAXの「ビジュアル家電」5選【GoodsPress 上半期 AWARD 2025】
◆極上空間を創出!人気「オーディオ&ビジュアル」機器6選【買って得モノ&夏のトレンド調査】
◆2025年テレビ市場の主役はミニLED液晶!? ハイセンス、レグザ、TCL、注目3社の最新動向と狙い目モデル
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/698712/
- Source:&GP
- Author:&GP