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pecoさんは「悩んだけれど、私だってアリソンと同じなんだから」と語る。愛犬を理解して共感することで乗り越え、深めた愛【DOG LOVERS PRESS】

「いつか大きな犬と暮らしたい」そんな想いを胸に、準備を進めていたpecoさん。念願かなって迎えたのは、保護犬であり、野犬の子、アリソンだった。出会ってからの3年、お互いにどう向き合い、特別な存在になったのかを聞いた。

 

peco|1995年、大阪府生まれ。原宿系ファッションのカリスマ読者モデルとして10代を中心に絶大な人気を集め、パートナーのryuchellとバラエティ番組やテレビCMに多数出演。2023年に自身がデザイナー・プロデューサーを務めるブランド『Tostalgic Clothing』を開始。一児の母となった現在は、育児や生活のようすを投稿したSNSが人気。2024年に出版した初のエッセイ『My Life』(祥伝社)には、第1章にアリソンのことが書かれている。Instagram:@pecotecooo

アリソン 3歳(ミックス)

■15頭の子犬の写真を見せてもらって1頭だけ他のコと違う雰囲気のアリソンにひと目で夢中になった。

アリソンは狭く深くっていうタイプなんです。他の犬も人も苦手で、ビビりちゃん。心を開く人は限られていて、新たに出会った人に心を許すまでにめちゃくちゃ時間がかかります。そんなところが私と似てるなって」

愛犬アリソンについてそう話すのは、10~20代の頃からカリスマ読者モデルとして人気を集め、現在もタレントして活躍するpecoさん。今回の取材にあたり、事前にこう伝えられていた——。

「アリソンには、できるだけ近づかず、目を合わせず、声もかけないでほしいです。特に男性が苦手です」と。

その言葉通り、現場ではさっそく男性スタッフに吠えるアリソンの姿が。 けれど、pecoさんに対してはまるで別犬のよう。じっと顔を見つめ、キラキラした目でシッポを大きく振りながら、いつもの公園を楽しそうに歩いていた。そこには、深い信頼と、寄り添ってきた時間の重なりが、静かににじんでいた。

pecoさんの家にアリソンが来たのは3年前、息子さんが4歳になった頃。

「8年ほど前にテレビ番組で保護犬とかかわる機会があって、いつか犬を迎えるときは絶対に保護施設からと思っていました。息子も手がかからなくなってきて、兄弟みたいになってくれるコに出会えたらいいなと思って、番組でお世話になった保護施設『ピースワンコジャパン』の安倍さんに話したところ、ちょうど野犬の赤ちゃんが生まれたと教えていただいて。写真を見たときに、真っ先に惹かれたのがアリソンでした」

▲犬の散歩には汚れてもいい服装で行くという飼い主も多い中、「お散歩用の服や靴、バッグとかっていうのはない。普段からこんな感じです」とpecoさん。自身のブランドのアイテムを身に着けることが多い

▲アリソンとの暮らしでの悩みは小さなことでも、ピースワンコジャパンの安倍さんに相談しながら解決してきたそう

■「p e c oさんたちの愛を受け止めているからもうそれで満足しているんだと思う」その言葉で犬や人が苦手なことも割り切れた。

アリソンはすぐによき家族になった。休日は家族で散歩したり、家ではソファでくっついたり。そんな中で、若いアリソンをたくさん運動させるために週3~4回通うようになったのがドッグラン。最初は走り回って楽しく遊んでいたが、1歳頃から他の犬に対して怒るように。

悩んだpecoさんはピースワンコジャパンに相談し、トレーニング方法を教えてもらって、散歩中にアイコンタクトをとる、他の犬が通りすぎたときに反応しなかったら褒める、といった練習をした。そうして散歩は上手になったものの、やはり他の犬は苦手なままだった。

▲pecoさんに対してはすべてを受け入れているものの、息子さんに対しては怒ることもある。ただ、子どもが苦手な犬が圧倒的に多い中で、アリソンは息子さんと育ったからか、子どもが大好きというのがすごい

アリソンのリードは、迎えたときにピースワンコジャパンのスタッフからもらった『SUZUKOUBOU』のモノ。それ以来ずっと愛用しているそう

「でも、私だって大人数のところにポンって入れられて『仲良くして』って言われてもやりたくないと思う。それと一緒だと思ったら、これはアリソンの個性なんだって割り切れました。それに、安倍さんに言われて涙が出そうになったのが、アリソンは私と息子の愛を本当に大きく受け止めているからこそ、別にそれ以上の愛を求めていない、もうそれで満足しているんだと思うよって」

アリソンも意味もなく怒っているわけではないということも分かってきた。今は来客があると、絶対に目を合わせない、自分から近づかない、寄ってきてもいったん無視して、とにかくアリソンのペースで、といったことを事前に細かく伝えている。それでもpecoさんに対しては、何をしても受け入れてくれるのは変わらない。息子さんとの生活で煮詰まりそうになるときも、アリソンがいるからこそ力が抜けたり、笑ってしまったりすることもある。そんなアリソンにかけがえのない安心感をもらっているという。

▲pecoさんの着用アイテムはすべて自身のブランド『Tostalgic Clothing』。TシャツはBalance logo tee / white、パンツはTostalgicdenim pants / blue、ウェストバッグはFanny pack / purple。オンラインショップでも購入できる

「とはいえ大変なこともありますよね?」と水を向けると、「うーん、本当にないかもしれないです。めっちゃお利口なんですよ。ダメって言ったらやめるし、話せば伝わる。正直困ったことってあんまりないですね」とpecoさん。

自分に正直なpecoさんの生き方は過去にこだわったり未来を不安に思ったりすることなく今を生きる犬と似ているのかもしれない。だからこそ、アリソンに対しても「犬はこうあるべき」という固定観念にとらわれずありのままを受け入れ、アリソンもそんなpecoさんを全面的に信頼する。そうして揺るぎない絆が築かれてきたのだろう。

▼THANK YOU for My Partner

生まれてきてくれて、出会ってくれて、息子の妹になってくれて、わたしの娘になってくれて、本当にありがとう。アリソンはアリソンのままが一番。私もアリソンと同じで本当に狭く深いタイプだし、心を開くのに時間がかかるし、めっちゃ人を選ぶし。アリソンと一緒なんだよ!

 

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<写真/かくたみほ、構成/小出健太郎、文/山賀沙耶>

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