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買い替え前に要チェック!「iPhone 17/Air/17 Pro」各モデルの違いとイチ推しモデル

今年もiPhoneの新モデルが発売され、買い替えに悩む時期がやってきました。今季は従来のPlusシリーズが廃止され、新シリーズ「iPhone Air」が追加されるなど、ラインアップにも大きな変化があったことから、事前のリサーチはより重要になっています。本稿では、そんな新モデルへの機種変更に備え、各機種のポイントをおさらいしていきましょう。

 

■大多数にとっての買いの一台は「17」

さて、大部分の人にとってまず検討すべき機種は、スタンダードな「iPhone 17」です。画面サイズは6.3インチ。価格は12万9800円(Apple Storeオンラインにて、税込、以下同)から。

▲「iPhone 17」

この「iPhone 17」では、従来世代では上位のProシリーズに限られていた、リフレッシュレート120Hzかつ常時表示も対応するディスプレイをついにサポートしたことが重要です。また、チップセットが最新世代になり、ディスプレイの仕様が強化されたことも相まって、バッテリー持ちが従来世代の「最大22時間」から「最大30時間」まで増えていることも見逃せません。

そのほか、カメラに関して、超広角カメラが従来の12MPからメインカメラと同じ48MPまで高解像度化したこと。そして、前面カメラの仕様が強化され、縦向きに持ったまま横長の比率でセルフィー等を撮影をできる進化を遂げたこと、の2点を抑えておきましょう。

既存の仕様を含めてポイントをまとめると、数世代前から追加された“2倍ズームでも解像感を保って撮影できるメインカメラ”や、滑らかで常時表示に対応したディスプレイ、バッテリー持ちの長さなど、かつての「Pro」シリーズに求めた特徴が、スタンダードモデルでもほぼ詰め込まれたわけです。一般ユーザーが日常用途で使う想定ならば、ここ数年で一番買いの世代だと感じます。

ただし注意点として、USB Type-Cポートのデータ伝送速度が相変わらず「USB 2」準拠であり、最大480Mbpsしかないことは理解しておきましょう。もしiPhoneのカメラで撮影したデータを、有線ケーブル経由でPCに吸い出したい場合などには、この仕様がネックになってきます。

 

■新鮮な気分で使いたいなら「Air」

昨年までは「iPhone 16 Plus」のような「Plus」シリーズの選択肢がありましたが、2025年モデルからはこのPlusシリーズが廃止されました。そして、代わりに追加されたのが「iPhone Air」です。ややこしいですが、こちらのみ機種名にナンバリングの「17」は付きません。

▲「iPhone Air」

ちなみに、ディスプレイサイズは6.5インチ。従来のPlusシリーズが6.7インチだったことと比べると、AirがPlusの完全な後継というわけではないことがわかります。

iPhone Airは、「Air」の名を冠するとおり、カメラ周りに部材を集約することで、本体をできるだけ薄く整えたデザイン重視の一台です。筐体の厚さは5.64mmであり、先述のiPhone 17の7.75mmと比べると2.11mも薄く仕上がっています。重量に関しても、iPhone Airは165gで、iPhone 17の177gと比べて軽くなります。

ただし、デザインを重視したことで一部妥協された仕様があることも事実。例えば、背面カメラは48MPのメインカメラのみを備えており、iPhone 17のメイン(48MP)+超広角(48MP)と比べると画角が限られるほか、「マクロ撮影/ビデオ」や「空間写真/ビデオ」「シネマティックモード」での撮影が利用できないなど、撮影機能の面でも見劣りします。

またバッテリー持ちについても、iPhone 17がビデオ再生で最大30時間であるところ、iPhone Airでは最大27時間になっていることに留意しておきましょう。もちろん、それでも仕様上は従来の「iPhone 16 Plus(最大27時間)」と同等の数値ですし、別売の「iPhone Air MagSafeバッテリー」(1万5800円)を併用した場合には、最大40時間まで伸びます。しかし、こうしたバッテリー持ちを含め、純粋な使い勝手に関しては、シリーズ初代機ゆえに眉に唾をつけて構えておきたいところでもあります。

そして、その価格は15万9800円から。最小構成で比較した場合でも、先述のiPhone 17と比べて一部仕様が劣るものの、3万円(専用バッテリーを購入する場合は計4万5800円)高額になるため、どうしても仕様重視で考えると、コストパフォーマンスの面での見劣りします。

一方、初登場のシリーズ、かつデザイン重視の端末ということで、新鮮味やロマンを求める方ならば、ワクワクできる一台であることも事実。最近のiPhoneにはもう飽きてきていたという方こそ、検討しておきたいところです。また、ひょっとすると、かつての「iPod Touch」シリーズが好きだった方にも刺さるかもしれません。

 

■クリエーターなら「17 Pro」

残る最上位の「iPhone 17 Pro」と「iPhone 17 Pro Max」は、仕事や趣味でカメラの仕様にこだわる人向けです。本世代のProシリーズでは、特に48MPの望遠カメラを備えていることがポイント。倍率自体は4倍ですが、センサーの中央部のみを使うことでさらに解像感を保って2倍ズームを加えることができ、合計で8倍ズームまでサポートしています。

▲「iPhone 17 Pro」

また、本世代では、ベイパーチャンバー(シート状の放熱機構)を備えていたり、動画関連では「ProRes RAW」や「Apple Log 2」「Genlock」などプロフェッショナルが仕事レベルで使ううえで便利なフォーマットや機能に対応したりしたことで、Proの名に恥じない“撮影機材”としての存在感も堅実に高めていることがトピックです。

ただし、その価格は17万9800円から。先述したスタンダードモデルのiPhone 17と比べると5万円の差があります。正直、一般ユーザーにとっては、(1)望遠カメラが使える、(2)LiDARセンサーがあるのでARを正確に使える、(3)USB Type-Cが最大10Gbpsの高速データ転送に対応している、くらいがProシリーズを選ぶメリットになると思われるので、少々オーバースペック気味な端末に+5万円を出せるかどうかで決断が変わってくるでしょう。

あとは従来よりもさらにゴツくなったカメラ周りのデザインを許容できるかどうかも判断の分かれ目でしょうね。

*  *  *

最後になりましたが、2025年秋モデルでは、それぞれの機種におけるストレージの最小容量が256GBになりました。iPhone 16発売時の最安価格が12万4800円であったのに対して、iPhone 17が12万9800円であるように、高騰傾向にあることは否めませんが、従来世代が128GB〜であったことを考えると、安定して運用できる期間が長くなった、とポジティブに捉えることもできそうです。

また、大前提として補足しておきたいのは、今季の新モデルからはiPhoneで物理的なSIMカードが利用できなくなっていることです。eSIMのみに対応した、いわゆる“eSIMオンリー”な仕様に変わっており、これまでSIMカードを使って来た場合には、機種変更を行う際にeSIMへの変換が必要になります。おそらくは大部分の方が物理SIM→eSIMの変換に迫られることになりますので、あらかじめ理解しておきましょう。

なお、MNOが提供する通信プランでは、サブブランドやオンライン専用ブランドを含め、概ねeSIMでの提供に対応しています。また、MVNOが展開するいわゆる「格安SIM」の通信プランでも、大手ブランドならばeSIMに対応した選択肢は少なくありません。ただし、格安SIMのプランによってはeSIMを選択できない可能性はありますし、MVNOではiPhone同士でeSIMの登録情報を移し替えられる「eSIMクイック転送」に対応していないなど注意点もあります。機種変更の検討時には、現在運用中の通信プランや乗り換えを検討している先のプランについて、eSIMの対応状況を下調べしておくことをお忘れなく。

>> Apple「iPhone」

<取材・文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。X

 

 

 

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