スマートウォッチに続くウエアラブルデバイスとして、普及が期待されているスマートリング。2025年は新しいメーカーが続々と参入し、選択肢が増えてきました。仕事柄いろいろな製品を試した筆者が「これだ!」と決めて購入し、使っているのが「Oura Ring 4」です。
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
* * *
Oura Ringはフィンランド発祥で、2015年に睡眠トラッカーとして初代モデルをリリース。その後、進化を続けて、市場を世界に広げています。調査会社が2023年に発表したデータによると、世界市場でのスマートリングのシェアは約80%で1位。おそらく現在も、あとから参入した他社を大きく引き離していると思われます。
最新モデルのOura Ring 4は、日本では7月17日に発売されました。筆者はオンラインで購入し、8月13日から使い始っています。まもなく3か月経ちますが、期待していた以上に気に入っています。
筆者は今年61歳。まだ高齢者という自覚はありませんが、大きな病気の経験もあり、健康に気を使わなければならない世代です。Apple WatchやGoogle Pixel Watchなどのスマートウォッチも持っていますが、Oura Ringのほうが自分のライフスタイルに合うように感じています。
それでは、Oura Ring 4の気に入っているところを紹介していきましょう。
■ほぼ設定不要で簡単に使いこなせる
Oura Ring 4はiPhone、Androidのどちらにも対応していますが、筆者はiPhone 16 Proと接続させて使っています。iPhoneにインストールした「Oura」アプリを起動し、画面の案内に従うだけで使えるようになりました。迷うことはなかったと記憶しています。
多少面倒だったのが、サブスクリプションへの加入。Oura Ringは「Ouraメンバーシップ」(月額999円または年額1万1800円)に加入することで、詳細な測定結果を見られ、自分に最適化されたアドバイスが読めたりします。加入しなくても使えますが、その場合、コンディション、睡眠、アクティビティのスコアなど、最低限のデータしか表示されないとのこと。なので、サブスクへの加入を前提に購入したほうがいいと思います。加入に際して、住所や氏名、クレジットカード情報などの入力が必要になりました。
あとは、使用目的など、簡単な質問に答えただけ。スマートウォッチでは、ヘルスケアの自動モニタリングや、異常が検知された場合の通知、ワークアウトの目標や自動検出の設定など、あれこれ設定しなければならないことがあるのですが、Oura Ring 4は充電して指に着けるだけでOK!
■着けっぱなしで、いろいろなことがわかる
Oura Ringに限りませんが、スマートリングの最大の利点は、着けっぱなしでいいこと。防水に対応しているので、手を洗うときも、お風呂に入るときもそのままでOK! 着けたままで寝ると睡眠がモニタリングされます。
筆者がOura Ring 4を使い始めたのは夏。海で泳いだり、シュノーケリングをしたりするときも着けていました。外すことを忘れていたというか、考えもしなかったというのが正しいかも。Oura Ringは一般的な指輪よりは大きいですが、数日着けていると、その状態が当たり前になります。海水に入った後は、水道水でしっかり洗いましたが、不具合は生じていません。
Oura Ring 4はフル充電で5〜8日程度持つそうです。筆者の感覚では、ギリギリ1週間持つか持たないかという印象。長く使い続けているうちに充電できる容量が減っていることも考えられるので、週2回程度、80〜90%を目安に充電しています。
充電し忘れて電池切れしてしまったことが何度かありますが、問題ありません。スマートリングは、スマートウォッチと違い、電池が切れてもそんなに困らないんですよ。そもそもディスプレイがないので時刻がわかるわけではなく、通知も届かない。ただ、心拍数など身体のチェックが一時的に中断するだけです。
着けていてわかるのは「コンディション」「睡眠」「アクティビティ」「心拍数」「ストレス」の評価。「コンディション」は総合的な体調の評価で、100点満点で表示されます。「睡眠」と「アクティビティ」もそれぞれ100点満点で表示され、細かい分析やアドバイスを読むことができます。「心拍数」は直近の計測データを確認でき、「ストレス」ではストレスとなった時間と回復に要した時間などがわかります。
リングの内側にはセンサーが搭載されていて、それによって心拍数、血中酸素濃度レベル、体表温、身体の動きが計測され、それらのデータを分析して、上のような結果が導き出されるわけです。スマートウォッチは心拍数や血中酸素濃度などを手動で測定できる機種が多いですが、Oura Ring 4は完全に自動で、勝手に測定される仕組み。とてもラクです。
■ “圧” がなくユーザーにやさしい
Oura Ring 4は、あくまでも自分の健康状態を確認するためのデバイスで、より健康になるための道具ではないと感じています。もちろん、健康状態を客観視できるので、健康維持や生活改善へのモチベーションは高まります。ですが、「頑張らなくてもいい」と言われているような優しさも感じます。
例えばアクティビティは、ユーザーに最適化された消費カロリー量が目標として設定されます。その目標値は固定ではなく、その日のコンディションによっては、低めに設定されたりするわけです。目標が提示されるとついつい頑張ってしまいがちですが、体調が悪い日には無理なく達成できる目標に変更されるわけです。
しばらく使っていると、自分のクロノタイプが表示されました。クロノタイプとは「朝型」や「夜型」など、自分の活動時間の傾向を示すものですが、筆者は「昼前型」と診断されました。結果を読むとふむふむと納得でき、以降、集中を要する仕事はなるべく午前中に済ませるように努めています。
■Oura Ring 4は、こんな人に向いている
筆者はいろいろなスマートウォッチで健康データを測定したことがありますが、Oura Ring 4で測定されるデータはかなり正確だと感じています。睡眠の細かい分析や、ウォーキングの結果などを見ても、違和感を覚えることはありません。むしろ、なるほどなぁ〜と気付かされることのほうが多いです。
スマートウォッチを使っているが、いまいち使いこなせていない人や、着けたままでは寝られず睡眠を測定できない。そんな人にOura Ring 4はもってこいでしょう。
なお、サウナでは試していないですが、Ouraのウェブサイトによると、そんなに熱くないサウナに短時間入るには問題ないよう。ですが、動作可能温度は−10〜52℃なので、どうなんだろう? と思い、ネットを検索したところ、トラブルが生じている人もいるようです。使わないほうがよさそうです。そもそも金属なので、かなり熱くなるでしょうし…。
購入に際して最も注意してほしいのがサイズ選び。Oura Ringは人差し指に着けることが推奨されていて、12サイズから選べます。オンラインで購入する際は、サイジングキットを先に送ってもらえます。量販店で購入する場合は店頭でサイジングキットを着けて、ピッタリ合うサイズを選べます。
Oura Ringが白線の印が付いているところが指の内側に来るように着ける必要があります。クルクル動かないように若干キツめを選んだほうがいいようですが、指は時間帯によってむくんで太くなることがあります。オンライン購入の場合は、サイジングキットを一定時間着けて試したほうがいいでしょう。お店で試す場合は、迷うのであれば、少し時間を変えたり、手を温めたりして試してみるのがいいかもしれません。
筆者は最もシンプルで安いものがいいと思い、シルバーを選んだのですが、使っているうちに細かいキズが付いてくるので、キズが目立ちにくい色のほうがよかったかなぁと思ったりしました。スマートデバイスであると同時にアクセサリーでもありますからね。11月5日からは、セラミック仕上げの「Oura Ring 4 Ceramic」(7万4800円)もラインナップに加わっています。これから買う人は選択肢に加えるといいでしょう。
>> Oura Ring
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
【関連記事】
◆18のセンサー搭載!? トラッキング精度が桁違いなスマートリング、出ました
◆「SOXAI RING」を使ってわかった! スマートウォッチよりスマートリングが向いている人とは
◆「Galaxy Ring」を使って感じたスマートリングに欲しい機能
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/706200/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web