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見た目以上の収納力がちょうどいいミーンズワイルの「ミニマルボディバッグ」。再販が繰り返されるその理由を徹底解析!

みなさん、ボディバッグって使っていますか?

ちなみにボディバッグと聞いて「ナンジャラホイ??」と思っている方も多いかもしれませんが、ボディバッグとは、少量の荷物を体にぴったりとフィットさせて持ち運ぶ小型バッグのコトで、いわゆるウエストバッグ的な感じのアイテム…です。というか、大小の差はあれどだいたい用途は一緒なんですけれどね(笑)

このボディバッグ、ちょっとしたお出かけ時、たとえばほぼ手ぶらで行きたいけれどポケットが少ないファッションのときなんかは、スマホや財布、カードケース、喫煙者ならタバコとか、女性ならコスメ系アイテムなんかの必要最低限のモノを入れられるので、じつはとても便利だったりします。しかし、ボディバッグは数あれど、「なかなかちょうどいいモノが見つからない!」という方も多いのでは。

今回は日本のファッションブランドmeanswhile(ミーンズワイル)からリリースされている、「UltraWeave Minimal Body Bag(ウルトラウィーブ ミニマルボディバッグ)」をご紹介しましょう。

■ただならぬ形状が、ただならぬちょうど良さ

meanswhileは「身体に最も近い道具」をコンセプトに、道具としてのファッションを提案しているファッションブランド。なかでもこの「Minimal Body Bag」シリーズは、これまでに幾度と再販がくり返されているという、まさにヒットアイテムと言っても過言ではない、定番化しているアイテムなんです。

▲バッグ本体部分は、通常ご覧のように蛇腹(ジャバラ)状に折り畳まれています

本体部は蛇腹(ジャバラ)状に折り畳まれており、広げると見た目以上の収納力。通常の形状は、バッグというよりはむしろベルト状の形をしており、ベルトループにも通せるくらいの太さなので、もちろんベルトとしての使用も可能。

▲サイドリリース型のバックルで簡単にリリースが可能

バックル部には、サイドリリース型のマグネット付きタイプ採用だから、どんなシーン(たとえば片手)や環境(たとえば手袋着用時)でもサッとハメて、サッと外せる。ソコもいい感じなんですよ。

▲バックルの裏側にマグネットを装備で、どんな状況でも簡単にハメられます

素材は、現在までにHigh Power Mesh(ハイパワーメッシュ)、Dyneema Composite Fabric (ダイニーマコンポジットファブリック)、そしてUltraWeave(ウルトラウィーブ)の3種類で展開。ちなみに、ワタクシの個人的オススメは、Challenge Outdoor社のUltraWeave (ウルトラウィーブ)を採用した「UltraWeave Minimal Body Bag」。

▲バッグ本体部はUltraWeave™素材で、軽くて、耐久性、そしてストレッチ性も

このUltraWeaveという素材は、防弾ベストにも使用される特殊素材をベースにした、高強度、超軽量、高耐久性を備えた次世代素材。鉄の約15倍の強度を持ち、水や紫外線、化学薬品にも強い特性を持っているという、まさに生地界のスーパーマン的な素材なんです。

▲「UltraWeave Minimal Body Bag」使用時

そんなスーパーマン的素材を使用した「UltraWeave Minimal Body Bag」ですが、いったい全体どんな経緯で開発されたのでしょうか。

■デザイナーに聞く、その開発経緯とは

今回は、meanswhileデザイナーの藤崎尚大さんに、ブランドのなりたち、そしてこの「UltraWeave Minimal Body Bag」の開発経緯、そして特徴について伺ってみました。

▲meanswhileのデザイナーの藤崎尚大さん

─meanswhileは生地やパーツなど、かなりのにこだりを持っているというブランドイメージですが、まずは立ち上げた経緯を教えてください。

藤崎尚大さん(以下、藤崎さん) 流行を作って、常に新しいモノを作りつづけるという、現状のファッション業界のビジネスのやり方に疑問を持ったのがキッカケです。洋服って大きく分けると衣装の側面と道具としての側面があると考えていまして、衣装の側面を強調するから、前年にカッコイイと思ったものが、次の年にはもうダサい感じになってしまう。そういう賞味期限ができる売り方になっているんですよね。だから、その面を排除して、道具としてブランドをはじめようというのがmeanswhileの始まりです。

─生地やパーツなどにとてもこだわられていますが、もともと生地やパーツに関わるようなお仕事をされていたのでしょうか。

藤崎さん もともとアウトドアが好きで、アウトドアブランドから出てくる新しい素材を常にチェックしているんです。そして、その素材が日常にも活かせる場面が多いというのが実感でありまして…それをファッションとして提案していくというコトで、さまざまな素材を使っています。

─今回のこの「UltraWeave Minimal Body Bag」についてですが、結構繰り返し再販されているというコトで、いわゆるヒットアイテムということになると思います。これを作ろうと思った経緯、そしてこの形にしようと思ったキッカケはなんですか。

藤崎さん 毎日着用できて、あまり目立たないけれど、きちんとモノが入るというバッグの形状を考えたときに、腰部分に付けられるものが一番目立たず、そして体にもフィットしていいのでは、というところがキッカケです。たとえば、夏はアウターを着ないから、ポケットが少なくなりますよね。そういう時にモノをしっかりと入れられるようにつくったのが「Minimal Body Bag」です。

─現状、High Power Mesh(ハイパワーメッシュ)、Dyneema Composite Fabric(ダイニーマコンポジットファブリック)、そしてUltraWeave(ウルトラウィーブ)の3種類の生地でリリースされていますが、今回はこのUltraWeaveという素材の特徴についておしえてください。

藤崎さん このUltraWeaveという素材は軽量で耐久性があり、高いストレッチ性とキックバック力も持ち合わせていて、もともとの素材の伸縮性を活かして蛇腹状にしたことで、ミニマムだけれど見た目以上に拡張して収納力を確保できるんですよ。

─その"蛇腹状にする"というアイディアはどのように生まれたのでしょうか。

藤崎さん 実は、一番最初にそこから考えはじめました。モノの入れ方によって拡張できるつくりにしたかったという点で、伸縮性のない素材でも収納力が確保できて、しかもさまざまな素材を当て込める。そういう考えの部分からこの蛇腹状のアイディアに至りました。

▲蛇腹状に折り畳むアイディアは最初に考えたそう

─通常のバッグは、最初から形が出来上がっているものが多いかとおもいます。

藤崎さん シンプルにベルトとしても使用できるという考え方があったから蛇腹状というアイディアが生まれたのですが、ウエストバッグとしての収納力も欲しいという部分もありました。もともとウエストバッグのあの舟型みたいな形が好きなんですよね。だから、モノを収納したときに舟型になるようしています。

─用途としては、腰にベルト的に使用したり、あとは肩に斜め掛けしたりとかがメインになると思いますが、機能的な特徴はありますか?

藤崎さん このダンパーという本体横に設置されている波型の樹脂のおかげで、密着していても伸縮して体をあまり締めつけずに、多少の動きを持たせられるという機能を持たせてくれているんです。たとえば腰での装着時、しゃがんだときって体に厚みができるのですが、そういう体の動きにも対応してくれるんです。あとは、きちんとロックされるけれど、Dカンを引っ張ることですぐに緩む機能とか。このふたつの機能をつけたことで、さまざまな使い方の可能性が生まれました。そういった感じで、いろんな付け方ができるように想定してパーツを選んでいるんです。

▲コチラがダンパーというパーツ、多少の伸縮性をもつ樹脂だとか

─いちばんの用途としては斜め掛けが多そうですね。

藤崎さん 僕自身は、今日もつけていますが、ウエストバッグ的な使い方が好きです。しかもシャツがかぶるのでバッグが見えないという点もいいかと。ランニングするのが好きなのですが、最近は空き時間に「いま走ろう!」という感じで、この服のまま走ることが多いんですね。そういうときにこのボディバッグがあれば財布やスマホなどの一式を収納できるし、走っているときもブレづらい。ちなみにそれって、ランニング好きの先輩に「スケーターってスケートするときに着替えないから、ランニングもそれでいいじゃない」と言われて、「たしかに!」って。その考え方にもマッチするんですよね。

▲藤崎さんはウエストバッグ的な使用で毎日つけているそう

─走るとどうしても汗の問題が生じるかと思うのですが、その辺りの対策みたいなものはありますか?

藤崎さん これは防水ではないので汗を吸ってしまいますが、丸洗いが可能なので、汚れた場合はそのまま洗っていただければ問題ないです。

─丸洗い可能はいいですね!装着した時に、ジップ部分が前面になるようにしたのは意図的なデザインですか?

藤崎さん 装着したときにジップが真上に来ると開けづらいので、前面にくるようにデザインしました。

─本体部に装備されているDリングは、どんな使い方を想定されたのですか?

藤崎さん いろいろな使い方はあるとおもいますが、パンツによってはベルトループのないイージーパンツとかもありますよね。そういう時にカギを引っ掛けて使用しています。

─ちなみに、そういったパーツ自体はどのようにセレクトされているのでしょうか。

藤崎さん パーツには結構こだわっていまして、海外のメーカーから直接買い付けて仕入れているんです。よく買うのは、韓国とかドイツ、アメリカですね。

─このダンパー部分、この機能を使用しているブランドさんをあまり見たことがないかもです。

藤崎さん たしかにあまり見たことはないですね。腰はかがんだときをはじめ、食事の前後や呼吸によっても前後しますから、このダンパーを使用することで、締めつけすぎずにフィットしてくれるというパーツなんです。

─これからも再販はつづく予定なのでしょうか。

藤崎さん 定番として作り続けているアイテムですので、再販していく予定です。

■どんなシーンでも使いやすい収納力

▲バッグ自体の重量はたったの50g程度

つづいて、実際にワタクシ自身が使用してみての使用感をお伝えします。

まずは持ってみて感じたのは、とにかくその軽さ。モノを入れずに約50gということで、昨今のポテトチップス系がだいたい60g前後ですので、ポテチを一袋持ち歩く感じと言っても過言ではないでしょう。もちろんモノを入れていない状態の話ですが。

ワタクシ、基本は斜め掛け派。着用時はベルトを調整するときっちりロックするから、ちょっとした動きなどでブレるコトはありません。藤崎さんのインタビュー中にもありましたが、本体とベルト部をつなぐダンパーの伸縮のおかげで、体にピッタリとフィットさせていても、体のどんな動きに合わせてフィットしてくれます。これならミョーな体の動きで突如苦しくなって、いちいちベルトを緩める必要もなさそう。

▲コチラがベルトを調節するバックル部分。DカンとはD状のパーツのコト

ベルトを緩めたいときは、Dカン部分を引っ張ることでスッと緩むので、バッグの脱着がかなり簡単なんです。

▲Dカンを引っ張れば簡単にロックが解除され、ベルトが緩みます

蛇腹状の本体を広げると、おそらく通常のパンツのポケットふたつ分くらいの収納力はあるかと。スマホはヨセミテストラップで斜め掛け派なので入れずに、大きめのガマ口財布と名刺入れ、SUICAなどのカード類、カギ類、のど飴など、いつもポケットに入れて持ち歩いているかさばるモノたちが、このバッグのなかにスッキリ収納しました。

▲大きめのガマ口財布もスッキリ収納

本体部についているDリングは、カギを付けるというのももちろんアリだけど、例えば、カラビナでスマホを接続して、スマホストラップ的な使用法もアリかと。

▲バッグ本体サイドに設置されているDリングはさまざまな使用法が考えられます

ウエストバッグ的な使用法であれば、シャツやアウターなどの上着が被ってバッグが見えなくなるし、しかも、ベルトとして使用すれば、紙幣を入れられるので、旅行時などはセキュリティーベルトバッグとしても使えるのもいいですね。

▲折り畳み時は通常のベルトと同じくらいの太さなので、ベルトループに通せばベルトとしても使用可

耐久性に関しては、前述のUltraWeaveの特性を見ればナンの問題もないかと。

散歩時のメインバッグとして、旅行時のサブバッグとして、そしてベルトとして。さまざまな使い道が考えられるmeanswhileの「UltraWeave Minimal Body Bag」。

野球的に「打つ」、「走る」、「守る」的な、「強い」、「軽い」、「使い勝手がいい」の、まさにボディバッグ界の三冠王と言っても過言ではないでしょう。

>> meanswhile

meanswhile
「身体に最も近い道具」
日常着である以上、服は衣装ではなく道具である。 人の活動に付随するのが道具であり、デザインとはその道具がより機能するためにある。 道具が日常に馴染むたび、使い手のスタイルが築かれる。 そのスタイルこそが、ファッションとしてあるべきものである。

藤崎尚大(Naohiro Fujisaki)
meanswhile デザイナー
服飾大学卒業後、アパレルメーカーにて経験を積み、2014AW シーズンより独立。「日常着である以上、服は衣装ではなく道具である」をコンセプトに “meanswhile” を始動。 ファッションの持つ表面的で無稽な部分に、道具としての機能を追求したプロダクトを展開する。
2016 新人デザイナーファッション大賞プロ部門において最高位の賞を受賞。2019年にはTOKYO FASHION AWARD 2020を受賞。国内は元よりニューヨーク、パリ、香港などの多数のメディアに掲載されるなど今後活躍が期待されるブランドとして注目を集めている。

<写真&文/カネコヒデシ(BonVoyage)>

カネコヒデシ|メディアディレクター、エディター&ライター、ジャーナリスト、DJ。編集プロダクション「BonVoyage」主宰。WEBマガジン「TYO magazine / トーキョーマガジン」編集長&発行人。ニッポンのいい音楽を紹介するプロジェクト「Japanese Soul」主宰。 バーチャルとリアル、楽しいモノゴトを提案する仕掛人。http://tyo-m.jp/

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