【“ウォーキング”のススメ】
特別なウエアも必要なく、手軽に始められるウォーキング。手軽とはいえ、体を動かすわけだから、正月の食っちゃ寝生活でちょっと太っちゃった、なんて人にもぴったりな運動です。
もちろん歩くという行為は、生きている以上必ずやるものなのですが、いざ"ウォーキング”となると、やはりある程度の距離や時間は歩こうと思いますよね。そうなると、気になるのが“靴”の存在。
普段履いているスニーカーじゃダメ? たしかに歩ける靴ならなんでもいいと思いがちですが、例えば旅行に行くとなった時、旅先で結構歩きそうだなーとなると、やはり歩きやすい靴を選びませんか?
ウォーキングだって同じではないでしょうか。歩きやすく体や足に負担が少ない靴があれば、気分だって「よし、今日はちょっと歩いてみよう」となるはずです。
ではいったいどんな靴がウォーキングに向いているのか。靴選びや歩行を専門するシューフィッターの佐藤靖青さんに、ウォーキング用の靴の選び方を聞きました。
佐藤靖青(さとう・せいしょう)|プロシューズアドバイザー・シューフィッター。2万人以上の足に実際に触れ、日本初の靴に特化した「靴のお買い物アテンド」やオンラインでの足と靴の相談も好評。YouTubeの個人チャンネル「シューフィッター佐藤靖青 足と靴のスペシャリスト」はチャンネル登録者7万人超。著書に『予約の取れないシューフィッターが教える正しい靴の選びかた』扶桑社新書
■厚底?それとも薄底?
GoodsPress Web(以下GPW) ウォーキングしよう!となった時の靴選びで、まずチェックすべきポイントはありますか。
シューフィッター佐藤さん(以下佐藤さん) あたりまえですが「ウォーキングシューズ」もしくは「ランニングシューズ」を選びましょう。ナイキ「エアフォース ワン」や「エアジョーダン」といったバスケットボールシューズや、アディダスの「スタンスミス」といったテニスシューズは、止まる、ターンするといった動きにはいいのですが、ウォーキングという“前進運動”には完全に不向きです。
GPW 「エアフォース ワン」は一足持っていますが、たしかに長距離歩くと疲れるんですよね。あれは止まるための靴なのか。言われてみれば納得です。やっぱりウォーキングのためのシューズを探したほうがいいのかな。
佐藤さん そうですね。ただ靴選びはセルフチェックが難しいので、ショップの詳しい店員さんにお任せしたほうがはるかに効率が良いですよ。そういう意味で言うと、靴選びよりショップ選びのほうが大事です。「スポーツゼビオ」や「スポーツデポ」といった大型スポーツ店で探すのがベターだと思います。最近はランニングシューズとウォーキングシューズの境目がないブランドも多いので、スタッフの方に聞いちゃったほうが早いですから。
GPW いっぱいあると、どれがいいか分からないですしね。遠慮なく相談できて、かつ選ぶ幅が広い大型店がいいというわけですね。ちなみに、これまであまり歩いていないという人の場合、靴選びで気をつけることはありますか。
佐藤さん 体力に自信がない人や、これからウォーキングを始めるという人、膝や腰にすでにトラブルがあって痛みを抱えている人なら、厚底でクッションが効くシューズがベターです。また、靴底がややアーチ状になっていると、踏み込むと同時にローリングが効くので、足のケガを防ぎながら徐々に無理なく体力と脚力がついてきます。
GPW 最近は厚底のランニングシューズやスニーカーが多いですよね。
佐藤さん でも、もし体力や脚力がある人ならば、“ベアフットシューズ”と呼ばれる薄底のシューズがオススメです。足の裏の筋肉から体幹まで満遍なく使って、体本来の力を呼び起こしてくれますよ。
GPW ちなみに歩こうと思っている距離によって選ぶ靴って変わってくるものなんですか?
佐藤さん 個人的にはあまり意識しなくていいと思っています。むしろ、いきなり「1日1万歩」のように、むやみやたらに長距離を歩くことは膝や股関節の軟骨が削られる可能性があるので、それよりはやや早歩きで15~20分ぐらい歩くほうがベターだと考えています。
GPW そうなんですね。いやー、1日1万歩ってとりあえずの目標でちょうどいいなと思っていましたが、無理はしちゃいけないってことですね。
佐藤さん まずは「歩きすぎないこと」です。フィットしたウォーキングシューズに出合ってしまうと、自分の体力を忘れて、つい歩くスピードが速くなってしまったり、いつの間にか長距離を歩いてしまったりして膝を痛める人は案外多いんですね。最初の数週間は今までと同じ歩数やスピードを維持して、脚力と心肺能力がついてくるのを待ちましょう。
GPW ランニングシューズを履いたりすると、足が勝手に前に出てくれる感覚がありますよね。となるとウォーキングシューズのほうがいいんでしょうか。
佐藤さん ランニングシューズをウォーキングに使うのはアリですよ。とくにウォーキングを始めたばかりの人であれば、5000円前後のランニングシューズで十分です。
GPW まずはそこからでいいと。
佐藤さん はい。一般的にウォーキングシューズに分類されるモデルは1万円前後となかなかの価格ですから。もちろんランニングシューズといっても、マラソン用や競技でタイムを争うようなモデルはオーバースペックなのでNGですが。各メーカーの廉価ランニングシューズのほとんどはウォーキングシューズとして使えますよ。
GPW 5000円ぐらいで済むのであれば、始めやすいですね。
佐藤さん まずはフィットする靴を選んで、そして面倒でも「いちいちヒモを結ぶ&解く」をやりましょう。もし、かがむのが難しいという人は“ハンズフリーシューズ”に頼ってしまってください。
GPW 最近増えている、手を使わなくても履けるスニーカーですね。あれはたしかにラクそうです。
佐藤さん ウォーキングの一番の大敵が“習慣化できないこと”です。玄関にハンズフリーの靴がひとつあるだけで靴を履くことに抵抗がなくなり、自然と習慣化できるはずです。
GPW ハンズフリー以外に佐藤さんが注目されている"歩くこと"を目的としたテクノロジーやトレンドはありますか。
佐藤さん “攻め”の薄底か、“守り”の厚底か、ですね。体力がある人向けのALTRA(アルトラ)や“ビボベアフットシューズ”などの薄底ブランドが数年前から上陸しはじめました。私も実際に履いていますが、快適です。厚底ではHOKA(ホカ)やOn(オン)といったブランドがランニングとウォーキングの垣根をなくしているのが興味深いですね。
■シューフィッター佐藤靖青さんオススメのウォーキング用シューズ5選
1. アルトラ「LONE PEAK 9+」(2万2000円)
私も愛用している薄底のべアフットシューズです。一応設計としては山の中を走る「トレイルランニング」用の設計なのですが、私はアスファルトでも泥道でも関係なく歩いています。つま先とかかとの高低差が一切ないつくりで、足の裏からハムストリング、腹筋、背筋まで全身の筋肉を自然に使えて、1日歩くと心地よく疲れます。あきらかに姿勢が変わるのでウォーキングとあわせて一挙両得です(佐藤さん)
アルトラを代表するトレイルランニングシューズの最新作。“ゼロドロップ”という、かかととつま先の高さが同じ構造と、指先が動かせるフットシェイプという形状が特徴で、多くのトレイルランナーやハイカーから支持されるモデルです。9+では、新たにアウトソールに“Vibram MegaGrip”を採用。従来モデルからグリップ力が大幅に向上しています。
>> ALTRA
2. ホカ「CLIFTON 10」(1万9800円)
厚底ランニングシューズの代表格ですが、こちらもウォーキング~日常履きまで使用可能です。幅が「標準・ワイド・エキストラワイド」の3種類から選べて(カラー限定)、足幅の華奢な人でも、逆に「超幅広」の人でも選択可能になっています。アキレス腱パッドもついており、ネンザ癖のある方にはとくにオススメです(佐藤さん)
厚底で知られるHOKAの定番シリーズ“クリフトン”の最新モデル。軽くやわらかいソールは着地時の足への衝撃をやわらげ、ロッキングチェアのような形状の“メタロッカー”構造がスムーズな重心移動をサポートしてくれます。ロードランニング用とカテゴライズされていますが、軽いジョギングからウォーキングまで幅広く対応する汎用性の高い一足です。
>> HOKA
3. オン「Cloud 6」(1万8700円)
ゴム紐でするっと足が入る割には脱げません。デザインもシンプルで、ウォーキングだけではなく通勤にも旅行にも使えます(佐藤さん)
ソールにオン独自の特許技術“CloudTec”が路面からの衝撃を吸収し、効率的な走りを実現しているアイコン的モデル。広めの履き口やゆったりめのフィット感、そして結ぶ必要がないゴム製のヒモが脱ぎ履きのストレスを軽減。ヒールの形状が改良されているため、サポート力も問題なし。履き心地などの快適さを追求したモデルです。
>> On
4. ナイキ「ペガサス イージーオン」(メンズ:1万6500円)
ランニングシューズ兼ウォーキングシューズですが、かかとを「ぐしゃっ」っとつぶしながら足を入れていくと履けるハンズフリーシューズになります。時間のない人、紐を結ぶのが億劫な人でも大丈夫。甲の高さ/低さもワンタッチで調整でき、基本的には一度調節してしまえばあとはいじることはありません(佐藤さん)
足をグッと押し込むだけで履けるハンズフリースニーカー。前足部とかかとにAir Zoomユニットを搭載し、さらに柔らかく耐久性のあるReactXフォームを組み合わせることで、クッション性に優れた履き心地を実現しています。履き口やシュータン、ソックライナーのパットを増やすことで、快適さと高いフィット感を両立したランニングシューズです。
>> ナイキ
5. アディダス「ランファルコン 5 ワイド」(ABCマート価格:6600円)
アディダスのエントリー向きランニングシューズですが、実勢価格が5千円前後(※)とコスパが最高。なのに「クッション・安定・すべりづらさ・足のぐらつき防止」を全て兼ね備えています。店舗数の多いABCマートで取り扱っているので、大型スポーツ店が近くにない人でも買えます(佐藤さん)
※2026年1月20日現在、セール中で5489円
クッションの効いたCloudfoamミッドソールと通気性の高いメッシュアッパーで、足を入れた瞬間から快適さを感じられるエントリー向けランニングシューズ。ジョギングからトレーニング、ウォーキング、タウンユースまで幅広いシーンで使える一足になっています。モデル名にワイドと入っているように、幅広な設計なことも特徴のひとつです。
>> ABCマート
<取材・文/円道秀和(GoodsPress Web) 写真/高橋 絵里奈>
円道秀和|&GP編集部所属。担当ジャンルはITデジタル、オーディオビジュアル、ホビー他。好きなものはコーヒー、旅行、キャンプ、乗り物全般、カレー、ラーメン、アジアのローカル料理、小さいギア。好きが高じてSCAJコーヒーマイスターの資格を取得
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- Source:GoodsPress Web
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