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大は小を兼ねるのか。「ポータブル電源」購入時にチェックすべき4つのポイント

【大“電動化”時代到来!特集「バッテリー」】

防災用品として近年、脚光を浴びるようになった“ポータブル電源”。コロナ禍のキャンプブーム時には、キャンプ場での電源を確保用としても人気となりました。

いざという時でもスマホを充電できて、電化製品を使える。大きな災害が起こるたびに「うちにもあったほうがいいのかな」と考える人も増えているかもしれません。

もちろんあるに越したことはないわけですが、いざ購入を考えた際に問題となるのが、どれを選べばいいのか。手のひらサイズのモバイルバッテリーですらあのズシリとした重さがあるほど、実はバッテリーというのは重いもの。とはいえ、小型のポータブル電源となると、はたして備えになるのか微妙な気も…。

容量もサイズもさまざまラインナップするポータブル電源から、いったいどれを選べば正解なのか。そして買うにあたってどういった点を注意すればいいのか。

ポータブル電源を数多く手掛けるJackery(ジャクリ)に話を聞くと、購入時にチェックすべきポイントが見えてきました。

▲話を伺ったJackery Japan広報の犀川さん

 

■購入する際に確認したい4つのポイント

商品紹介ページにはいろいろ数字や単位が書かれていて、分かるようで案外分かりづらいポータブル電源。どんなところをチェックすべきなのか、自分に合ったモデルはどれなのか、購入前に知っておきたいポイントを整理しました。

 

【Point 1】容量をチェック

1000Wh以上あれば、ほぼすべての家電を動かせますよ(犀川さん)

▲左が容量1070Whの「Jackery ポータブル電源 1000 New」(公式サイト価格:11万9800円)、右は容量632Whの「Jackery ポータブル電源 600 Plus」(8万6000円/オフライン販売のみ)

最近は、3日間停電したときに家族が生活できる最低限の電力を、という基準で購入する人が増えているといいます。以前はアウトドア目的のユーザーが多く、軽くてコンパクトな容量帯が多かったラインナップも、ニーズに応えるために2000Whや3000Whといった大容量のモデルを増やしてきたジャクリ。

ここでちょっと気になるのが、容量の単位である<Wh(ワットアワー)>。

スマホやモバイルバッテリーでは<mAh(ミリアンペアアワー)>という単位が使われていて、こちらは馴染みがありますが、何が違うのでしょうか。

「Whとは、1時間でどれだけの電力が使えるかという意味になります。Ahは1時間に流れる電流を表しています」

これらに加えて、電圧を表すV(ボルト)があれば、ポータブル電源の電力量はモバイルバッテリーならどのぐらいかを計算できるようになります。

詳しい計算式は省きますが、1000Whの場合、約270000mAhとなります(USBの電圧を一般的な3.7Vとした場合)。

「モバイルバッテリーの容量から考えるのであれば、10000mAhの場合はだいたい37Whだと考えるとわかりやすいかもしれません」

そもそも20000mAhのモバイルバッテリーでもかなりの重さや大きさであることを考えると、やはりポータブル電源はかなりの大容量であることが想像できるのではないでしょうか。

一般的に家電製品の使用電力はWで表示されます。例えば容量1070Whの「Jackery ポータブル電源 1000 New」の場合、定格出力(実際に使える電力量)が30.4Ahであることから考えると、これだけ使えるようになります。

※出典:Jackery Japan公式サイト

もちろん、容量がほぼ倍の2000Whクラスになると、この倍の時間使えるわけです。ただしその分、大きさも重さも増えていきます。

いざという時に何をどのぐらい使いたいかを考えておくといいのではないでしょうか。

 

【Point 2】サイズ&重さをチェック

最近は軽量化とコンパクト化が進んでいます(犀川さん)

こちらは容量2042Whの「Jackery ポータブル電源 2000 New」(公式サイト価格:23万9800円)。サイズは335×264×292mmで、重さは17.9kgあります。さすがに片手で持ち上げるのは厳しいですが、クルマに運び込む程度なら大人ひとりでも問題ないかと思います。

「EV(電気自動車)でも使われているCTB(Cell to Body)という技術がポータブル電源にも使われていて、内部のスペース効率化などが進んでいます。その結果、以前の同容量モデルと比べても軽くコンパクトになってきています」

 

【Point 3】出力をチェック

日本の家庭のコンセントの出力は1500Wです。なので、出力が1500W以上あれば、おうちで使っている電化製品はほぼ動くと考えてもらえるといいと思います。(犀川さん)

例えばこの「Jackery ポータブル電源 2000 New」のACポート(コンセント)には、全ポート合計で2200Wと書かれています。これは同時に使用して最大2200Wの出力が得られるという意味です。ちなみに瞬間最大の出力は4400Wになります。ドライヤーなどの熱発生系家電の場合は、最初に大きな電力が必要になることがあります。そういった製品にも対応しているわけです。

「最近は、イベントなどで『電子レンジは動きますか?』といったご質問を受けることも増えました」

以前のようなアウトドア使用を考えているユーザーではなく、いざという時の備えとしてポータブル電源を購入しようと考える人が増えているようです。

 

【Point 4】安全性をチェック

2025年に一般社団法人 日本ポータブル電源協会という団体をメーカー各社で立ち上げました。こちらの会員かどうかは安全性という意味ではひとつの目安になるのではないかと思います。(犀川さん)

>> 一般社団法人 日本ポータブル電源協会

モバイルバッテリーの発火事故など、バッテリー搭載製品の安全性という部分で懸念が高まっていることは事実です。そこで、日本でポータブル電源を販売しているメーカーにより、JIS規格の制定や安全基準の策定、災害時における有効活用方法を啓蒙、防災用品業界や自治体との連携推進を行うべく設立されたのが「日本ポータブル電源協会」です。

現在、会員として7社が参加しています。

アンカー・ジャパン株式会社
EcoFlow Technology Japan株式会社
エレコム株式会社
株式会社JVCケンウッド
株式会社Jackery Japan
BLUETTI JAPAN株式会社
株式会社ポスタリテイト(賛助会員)

購入時に、日本ポータブル電源協会の会員社かどうかというのも、安全性を考えた時に指標のひとつになるのではないでしょうか。

 

■購入後に注意すべき3つのポイント

先にも触れたとおり、バッテリー搭載製品だからこそ、使い方や保管によっては事故が起こる可能性もあります。防災用品として購入した場合は、日常では使うことがないため、いざという時に使えないなんてことが起こるかもしれません。その逆に、いざという時に使えるように普段からも使って慣れるようにしている、という人もいます。

さまざまな使用のシチュエーションが想定されるポータブル電源ですが、買った後に気をつけるべきことには、どんなことがあるのでしょうか。

 

【Point 1】保管場所と保管状態をチェック

「保管場所」「保管温度」「水濡れ」には注意してください。(犀川さん)

▲注意事項は製品にも書かれているので使用する前に確認を

ポータブル電源は当然ながら電化製品です。通電する以上は、水はNG。中には防水機能付きモデルもありますが、使用する場合はやはり水気がつかないように注意しましょう。

置いておく場所についても注意が必要です。

「ジャクリの最新製品の場合は保管温度(1カ月)は-20℃~45℃としています。例えば真夏の車内はおそらく45℃を超えてくることもあります。そういったところに長時間放置すると危険です。また自宅に置く場合も、他の家電などとくっつけて置くのは避けてください。前後左右10cm程度は空けて置いておくことを推奨しています」

また長持ちさせるコツもあるといいます。

「一般的には60~80%の電池残量で保管しておくと劣化を防げます。ただ、ジャクリの製品のように“パススルー機能”(電化製品とコンセントの間にポータブル電源を入れて、コンセントからポータブル電源を経由して電気を使える機能)がある場合は、残量を気にせず使っていただいても問題ありません」

何もつながずにしまっておく場合は残量60~80%にしておけば、劣化を遅らせられるとのこと。また3カ月に1回程度、動くかどうかチェックしておいたほうがいいそうです。

 

【Point 2】劣化具合をチェック

フル充電したのに、以前より使用できる時間が大幅に短くなってきた場合は使用を控えていただいたほうがいいですね。(犀川さん)

ジャクリの現在の主力製品である<Newシリーズ>は毎日放電していても10年は使える設計で、100%の状態で保管した場合、1年経ってもわずか5%の低自然放電技術も採用されているといいます。とはいえ、利用状況は人それぞれ。場合によっては5~6年で電源が入らなくなる可能性もあります。

そこでチェックしたいのが、フル充電した時に貯められた電力量。表示は100%でも、実際に家電を動かしてみると以前より使える時間が短くなっている気がしたら、バッテリー劣化の可能性が考えられます。他にも、充電が一向に100%にならない、使用時の残量が急降下するなども寿命のサインのひとつです。

ポータブル電源が登場した当初に使われていた三元系と言われるバッテリーを使っている人は、もしかするとすでに厳しい状況になっているかもしれません。とくに置きっぱなしほったらかしという人は一度チェックしてみてください。

 

【Point 3】廃棄方法をチェック

メーカーが回収している場合もありますが、そうでない場合は一度、お住いの自治体にご相談ください。(犀川さん)

発火の危険性もあるため、バッテリー搭載製品は気軽に捨てられません。ジャクリの場合は、送料はユーザー負担になりますが自社製品は回収サービスを実施しています。回収した製品は、使える部品はリユースするなどしつつ処理を行っているそうです。

また実店舗で購入した場合は、販売店が回収を行っていることもありますが、ECサイトで購入した場合は回収サービスがないことも多々あります。

この場合は、住んでいる自治体に相談するしかありません。そもそもゴミとして出せるのか、出せる場合はどうすればいいかを一度確認してください。

最後まで責任を持つと考えると、回収サービスをしているメーカーかどうかも購入時の検討材料のひとつとしてもいいのかもしれませんね。

 

■売れ筋はどんな家電も動かせる出力の1000~2000Whクラス

Jackery Japanの犀川さんは「日本は他国と比べても防災目的のニーズが高い傾向があります」といいます。

「販売数の多いアメリカはやはりアウトドア目的で購入される方が多いですね。もちろんアメリカでも大雪など天災の備えとして買われる方もいらっしゃいますが、やはり日本の方が多い印象です」

近年は地震だけでなく、水害で3日間停電といったことも各地で起こっています。

「日本気象協会と一緒にイベントをさせていただくこともあるんですが、最近は災害が激甚化しているという話も伺っています。温暖化の影響で、年間降水量は変わらないが、ドカッと雨や雪が降るといったことも起こってますよね。そういったことに対して備えておかないといけないという話もされていました」

ちなみに現在のジャクリの売れ筋は容量1000~2000Whの容量帯だそうです。

▲ジャクリは、卓上で手軽に使える手のひらサイズの容量99Whのモデルから、容量5040Whという超大容量モデルまでラインナップを豊富にそろえている

「以前は長らく1000Whクラスが人気でしたが、2025年後半に発売された『1500New』というひと回り大きいサイズが、サイズが従来の1000Whとさほど変わらないため、いまとても人気が出てきています」

縦横高さというサイズは数字を見ればある程度イメージできますが、届いてみて驚くのがその重さです。バッテリーは想像以上に重く、届いてみて驚いた人も多いのではないでしょうか。

▲超大容量の「Jackery ポータブル電源 5000 Plus」(公式サイト価格:79万9000円)にはキャスターが付いている。このサイズになるとポータブル電源というよりは非常用電源かもしれない

「オンラインだとなかなか重さは伝わりづらく、また家電量販店やホームセンターで実機が展示していればいいのですが、モックといって実物を模したモデルしかない場合は、実際の重さは分かりませんよね。そこは我々の課題でもあると思っています」

ジャクリでは各地でイベントを行っており、そこでは実機を触れるので、もし近場でそのようなイベントがあればのぞいてみるのもアリ。これなら自分でも動かせるな、と思う容量のポータブル電源でどんな家電を動かせるのかをチェックしてみてください。

最後に、容量の目安を教えてもらいました。

「まず最初の1台としてご検討いただくのであれば、500Whぐらいのサイズがいいかもしれません。スマホやPCといったデジタル機器は当然ですが、扇風機や電気毛布なども使えます。容量が1000Whぐらいになってくると、出力が1500Wとコンセントと同じになってくるのでほぼすべての家電を使っていただけます。家電を少し長い時間使いたい、もしくは使う人数が多いといった場合は2000Wh以上のモデルをおすすめしています」

“備えあれば憂いなし”という言葉がありますが、かといって決して安いモノではないポータブル電源。また見た目以上に重さを感じるモノでもあります。オンラインで手軽に購入できる時代ですが、できれば直接触れて、そして自分の利用シーンに合わせた安全性の高いモデルを選びたいところです。

>> Jackery Japan

>> 大“電動化”時代到来!特集「バッテリー」

<取材・文/円道秀和(GoodsPress Web) 写真/逢坂 聡>

 

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