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中学デビューで何使ってた?シャープペンシル今昔物語をヒット作で振り返る

【大人の文房具“再”入門】

中学生になってはじめて手にした憧れの文房具と言えば、シャープペンシルだった人は多いはず。小学生までは「鉛筆を使いなさい」と言われていたのに、学年が上がった瞬間に自由度が広がり、削る手間から解放されたあの感じ。筆箱の中に1本加わっただけで、少し大人になったような気分になった記憶が残っている人もいるでしょう。

そんな身近な道具ですが、振り返るとシャープペンシルには時代ごとに大きな流れがあり、いくつもの当たり前をつくったヒット作が存在します。書き心地が軽くなったり、芯が折れにくくなったり、シャー芯(シャーペンの芯)のノック感にこだわりがあったりとさまざま。

そこで今回は、30代から50代までの人に「中学生の頃に使っていた1本」をアンケート。あわせて、いま学生を中心に注目が高まっている高価格帯のモデルも取り上げ、昔と今のシャープペンシルの姿を見比べていきましょう。

■あぁ懐かしの我がシャーペン。年代別思い出に残るシャーペン6選

【1本目】:当時最先端の“フレフレ機構”を搭載した、中二ゴコロくすぐる1本

1985年(昭和60年)発売(※現在は販売終了)
パイロット

「2020(フレフレ)ロッキー」(販売当時500円前後)

振ったら芯が出るというのがとにかく斬新だったことと、重くて太いんだけど一度慣れると「これでないと!」となった記憶があります。カチカチ押すではなく、振るという行為に今で言う“中二ゴコロ”がくすぐられたわけですよ。心のなかで「かっこいいだろ」とか思いながら使っていました(笑)(50代)

 

1985年にパイロットから誕生したシャープペンシル「2020(フレフレ)ロッキー」。その名の通りゴツゴツとした四角いフォルムが目を引きますが、実は緻密に計算された設計により、驚くほど手によく馴染みます。1978年発売の「ヤング2020(フレフレ)」に続き、当時振るだけで芯が出る画期的だった“フレフレ機構”を搭載しており、長時間の筆記におけるリズム作りにも最適。鮮やかな色の樹脂ボディと硬質な金属パーツのコントラストも美しく、長年愛用できる高い堅牢性も備えた頼れる1本でした。

>>パイロット

 

【2本目】:ジャケ買い必至の良ビジュアル。プロ向け仕様だから書き心地は折り紙付き

1990年(平成2年)発売
ステッドラー
「ステッドラー925 25」(1760円)

とにかくジャケ買い! 見た目のスタイリッシュさがとにかくかっこよくて、値段なんてそっちのけで親にせがんだ覚えがあります(笑)。実際に使ってみたら、書きやすいけど“重い”、“痛い”、“冬は冷たい”の三重苦。でも不思議なことに、柔らか系グリップに浮気すると「柔らかすぎて書きにくい!」と、結局使い続けていましたね。長い時間握っていると指先に跡が残ったのが今になっては良い思い出です。(30代)

1990年に発売された、洗練されたシルバーのアルミボディが目を引くステッドラーの「925 25」。プロの要求に応える本格的な製図用シャープペンシルとして誕生し、安定した筆記を支える低重心設計により、長時間の作業でも疲れにくいのが特徴です。定規に密着する4mmのロングスリーブや、確かなホールド感を生む滑り止めグリップなど、細部にまで機能美が宿っています。同シリーズの発売20周年を記念して誕生した、深みのあるナイトブルーが美しい兄弟機「925 35」とともに、長く愛用したいシャーペン。

>>ステッドラー「ステッドラー925 25」

【3本目】:圧倒的疲れ知らずの柔らかグリップがクセになる、超ロングセラーモデル

1991年(平成3年)発売
パイロット

「ドクターグリップ(初代)」(販売当時500円前後)

考えごとをしながらつい無駄に振ってしまい、気づいたらびっくりするくらい芯が出てて慌てたりして。握る部分のラバーがなんともいえないフワフワとした感覚があって、テスト勉強のときに活躍してくれました。町の1番大きな文房具店で何度も試し書きをして買ったなぁ…。(40代)

▲初代ドクターグリップ。お世話になった人も多いのでは。

1991年にボールペンが発売され、翌年にフレフレ機構を備えたシャープペンが登場。“疲れにくい筆記具”という全く新しいジャンルを確立したドクターグリップ。細軸ペンが当たり前だった時代に、人間工学から導き出された独自の太軸と弾力性のあるラバーグリップを採用し、ハードな事務作業などで救われた人も多いのでは。最新モデルは、光沢を抑えたメタリックボディによる洗練されたルックスへと進化。

▲最新モデルの「ザ・ドクターグリップ」(1045円)

操作音を従来比で半減させたこだわりの静音設計や、携帯時の誤作動を防ぐ便利な「フレフレロック」機構を追加するなど、現代のニーズに合わせてよりスマートにブラッシュアップされています。

>>パイロット「ドクターグリップ」

【4本目】:一線を画す手馴染みの良さを生み出す木軸シャーペン

1995年(平成7年)発売
OHTO(オート)

「木軸シャープ WN01」(460円)

当時好きだった子が使っていたシャーペンで、よく借りて使っていました。元々忘れ物が多かったのもありましたが、我ながら今思えば本当のところはどうだったんでしょうね(笑)。隣の席だったんだけど取りやすいように筆箱を開けておいてくれてて…。(40代)

昔ながらの鉛筆の温もりをそのままシャープペンシルに落とし込んだオートの「APS-280E」は1995年発売。現在は実質的な後継機である「WN01」として愛され続けています。軸には本物の鉛筆にも使われるインセンスシダー材を使用しており、木の心地よい質感が手に馴染みます。先端やノック部には真鍮を採用しつつ、わずか5.5gという驚きの軽さを実現。トップには便利な消しゴムも備え、レトロなルックスで「隠れシャープ派」の心もくすぐる、遊び心と実用性を兼ね備えた逸品。

>>OHTO「木軸シャープ WN01」

【5本目】:珍しいサイドノックにポップなスケルトンデザインで一世を風靡したベストセラーモデル

1996年(平成8年)発売(※現在は販売終了)
ぺんてる

「ピアニッシモ」(220円)

わざわざ電車に乗って行った、田舎の中で唯一セレクトモノを取り扱っている文房具店で見つけた思い出の1本です。周りがフリフリしているなか、ひとりサイドノックでカチカチする愉悦に浸ってました(笑)(30代)

 

▲2020年に限定復刻した「ピアニッシモ」。スケルトン×サイドノックのもちろん、透明感のあるカラバリも人気の理由だった

1996年に登場し、一世を風靡したぺんてるの「ピアニッシモ」。最大の特徴は、ペンを握ったまま軽やかに芯を繰り出せるサイドノック機構です。その驚くほど軽いノック感から、音楽記号の「きわめて弱く」を意味する名が付けられました。透明キャップが美しいスケルトンボディは、当時の流行を象徴しつつ今見ても新鮮な魅力を放ちます。2020年には限定復刻も果たした、世代を超えて愛される画期的でポップなシャープペンシル。なお海外展開モデルは「テクニクリック」と名を変えて現在も海外で販売中。※現在「ピアニッシモ」は国内では販売していません。

▲海外展開モデルの「テクニクリック」。スケルトン×オレンジがとにかくかっこいい…

>>ぺんてる「ピアニッシモ」

【6本目】: 飾らない透明ボディの魅力。長時間の勉強を支える究極の高コスパペン

2006年(平成18年)発売
無印良品

「ポリカーボネート シャープペン(ラバーグリップ付)」(120円)

当時、無印良品の文房具などが安くてイケてると学校でも話題でした。近未来的なスケルトンボディに子供だった私たちは心動いたわけです。そこから早数十年、今でもペンケースにはこのシャーペンが。特筆するほどお気に入りだったというわけではなかったはずなのに、気付いたら長い付き合いになりました。(30代)

 

わずか120円という価格ながら実用性を極めた1本。透明なボディは芯の残量がひと目で分かり、場所を選ばないシンプルなデザインも魅力です。指にしっかりフィットするラバーグリップと軽量な設計により、長時間の勉強でも手が疲れにくいよう工夫されています。先端が長く筆記面が見やすいなど、細部まで配慮が行き届いた高コスパアイテム。

>>無印良品

*  *  *

思い返してみると、どの年代にも「これ!」というヒット作がありました。仕組みの面白さや握りやすさ、デザインの良さなど、選ばれた理由はさまざまですが、どれも“自分に合う1本を探す楽しさ”が根底にありました。この感覚は、いまの世代にも確かに続いています。

最近は、道具そのものの進化も進み、書き心地の差がはっきり分かるようになりました。芯が折れにくい仕組みや、自動で芯が出る機構、重さの配分による安定感など、選ぶ基準は昔よりずっと細かくなっています。

加えてYouTubeや各SNSなどの登場により、“書きやすさの違い”が目で見えるようになったことで、学生を中心に注目を集めているのが“高級シャーペン”。勉強の効率を高める機能性の高さはもちろん、デザイン性の良さも相まって、今注目が集まっている3本を紹介します。

■機能性とデザイン性の両立が人気の理由。学生たちにも人気の高級シャーペン3選

▼ 使い込むほどに深まる愛着。木材と樹脂が織りなす美しき高耐久ボディ

パイロット
「S20(エストゥエンティ)」(2200円)

使うほどに手に馴染む質感が魅力の1本。樹脂を含ませて熱圧成型した木材をボディに採用し、高い耐久性と美しい外観を両立し、長く愛用するほどに独自の味わいが深まります。ノックの手間なく筆記に集中できる、素材と機能美を兼ね備えたこだわりの1本です。

>>パイロット「S20(エストゥエンティ)」

▼ノック1回で、芯が出続ける快感。ぺんてる最高峰の「究極の1本」

ぺんてる
「オレンズネロ」(3300円)

ぺんてるの半世紀にわたる技術の集大成とも言える最高峰モデル「オレンズネロ」。イタリア語で黒を意味する名の通り、全身を覆うマットブラックの12角形軸が重厚な存在感を放ちます。極細芯でも折れない独自のパイプ機構に加え、ペン先が紙面から離れるたびに自動で芯が繰り出される画期的な機能を搭載。

最初のワンノックだけで、思考を遮ることなく芯が短くなるまで書き続けられるのが最大の魅力です。樹脂と金属の混合素材による低重心設計が、極上の筆記体験をもたらす究極の1本です。

>>ぺんてる「オレンズネロ」

 

▼ノック不要で途切れない。芯の繰り出し量を5段階で操る、自分好みの書き心地

三菱鉛筆
「KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)」(5500円)

三菱鉛筆の「クルトガ ダイブ」は、その名の通り書く作業に深く没入できる至高のシャープペンシル。芯が回転し尖り続けるおなじみの機能に加え、筆記時のエネルギーを利用して自動で芯を繰り出す革新的な機構を搭載。芯の繰り出し量を5段階で調整できるため、自分好みの書き味をとことん追求できます。

吸着感が心地よいマグネット式のキャップを外すだけで、ノックなしですぐに書き始められるのも大きな魅力。自然情景を思わせる上品なカラーリングも美しく、大人の所有欲も存分に満たしてくれます。

>>三菱鉛筆「KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)」

>> 大人の文房具“再”入門

 

<取材・文/山口健壱(GoodsPress Web)>

山口健壱(ヤマケン)|キャンプ・アウトドアと動画担当。2年半ほどキャンプ場をぐるぐる回って、回り回ってGoodsPress Web編集部所属。“キャンプの何でも屋”としてキャンプを中心にライティング、動画製作、イベントMCなどを行う。テクニクリックを初めて使ったのは私です。海外展開モデルだったとは…。

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