【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/72 グタミヤ ラマンF-14Dトムキャット」
飛行機には詳しくない一般の人にも人気が高く知名度もあるジェットファイターと言えば、グラマン(現ノースロップ・グラマン)「F-14トムキャット」。映画『トップガン』(1986年公開)の大ヒットで一躍注目を集めたアメリカ海軍の艦上戦闘機です(2006年にアメリカ海軍の「F-14」は全機退役)。
トムキャットは「F-4ファントム」の後継機として1973年に部隊配備が開始されたアメリカ海軍の主力戦闘機ですが、双発エンジンに可変翼を採用した近未来的(1970年代当時)なスタイルの機体ということもあり、プラモデルでも人気は高く、初飛行当時から国内外の模型メーカーが製品化。これまで、さまざまなスケールでキット化されています。
今回は、2026年1月にタミヤから発売された「1/72 F-14Dトムキャット」を製作。究極にして頂点と言われるトムキャットをロービジ仕様にしてみました。
■キットに関して
今回タミヤがキット化したのは、多くのバリエーションがあるトムキャットの中でも最終型と言われる「F-14D」(1990年から配備)で、搭載されたレーダーをはじめ電子機器が最新のものに刷新され、爆弾の搭載能力など大幅に性能を向上させた機体です。
キットは可変翼が左右連動して可動。主翼の動きに合わせて胴体とのすき間を埋めるエアバッグとシーリングパネルは差し換え式のパーツ化となっており、完成後も主翼前進状態・後退状態、両方の再現が可能です。
また機首右側面の給油プローブ、左側面の搭乗用ラダーと足掛けは展開/収納どちらかを選べます。
搭載ウエポンはレーザー誘導爆弾やランターン目標指示ポッド、AIM-54フェニックスをはじめ、AIM-9サイドワインダー空対空ミサイルなどの兵装類がセットされています。さらに座姿勢のパイロットフィギュアが2体付属しています(作例は乗せていません)。
タミヤからは、2016年に1/48スケールで「F-14A」を発売。2018年には後期型となる「F-14D」を発売。さらに2021年には、空母の発鑑クルーと甲板を追加した「F-14A トムキャット (後期型) 発艦セット」が発売されています。
タミヤは1/72スケールでは、過去にウォーバードシリーズで「F-14A」を発売していますが、これはタミヤと提携しているイタレリ社製のキットで、今回発売された「1/72 F-14D」は、2025年秋のホビーショーで発表された完全新設計となるタミヤオリジナルキットです。
タミヤ
ウォーバードコレクションNo95
「1/72 タミヤ グラマンF-14Dトムキャット」(5500円)
2026年1月発売
■1/48トムキャットの縮小版とは呼ばせない
タミヤが2016年に発売した「F-14」は、それまでの「F-14」のキットを全て超えた間違いなく頂点に立つモデルでした。圧倒的な精度を誇る機体のディテール。そして組み立てやすさを配慮したパーツ構成。完成後の強度も配慮された素晴らしいキットです。
今回、新たに1/72で発売された「F-14D」は当初、先に発売された1/48のスケールダウンモデルだと言われることがありました。しかし実際は別モノと言える内容で、究極の1/72トムキャットと言える内容に仕上がっています。
2021年に空母の発鑑クルーと甲板を追加した「1/48 F-14A」で採用されたデカールによる可変翼可動部のこすれ汚れの表現は今回の1/72でも踏襲され、タミヤらしいリアリティへのこだわりを感じさせてくれます。
さらに部隊マークは5種用意されており、ハイビジの機体とロービジの機体に加えて、ブラックトムキャットと呼ばれる兵装試験部隊VX-9ヴァンパイアーズの「F-14」のデカールも付属しています。
※ハイビジ塗装
1990年ごろまでアメリカ海軍の艦載機に多く見られた派手な塗装のこと。機体上面は明るいグレー、下面はホワイトで塗装され、部隊マークなども赤、青、黒など派手な原色使われている
※ロービジ塗装
機体を艶のないグレーで塗装することにより、曇り空や霞んだ空に溶け込み、上空での見分けがつきにくくすることを目的とした迷彩(国籍マークや部隊マークもグレー系のモノトーンに統一)。ロービジ迷彩と呼ぶ
■プラモの達人とトムキャット
「F-14」は個人的に好きな機体ですが、達人のプラモ教室でも人気が高く、過去10年の間だけでも「F-14」の新旧キットを20機以上、製作のお手伝をさせてもらっています。それだけ人気があることの証拠でだと言えるでしょう。
某メーカーのモデルは、発売以来定番人気のアイテムとなり、20年以上生産を続けた結果、金型が摩耗してキットのモールドが一部消えてしまったなどの逸話もあります。
「F-14」は特徴的な機体形状に可変翼を採用していることもあり、発売時期が古いキットの場合、製作難易度が高いモデルと言うモデラーも多いのですが、しかしハイビジ時代の艶やかなマーキングは模型映えすることもあり人気が高く(大きな垂直尾翼が2枚あるので)、凄みのあるロービジ塗装では退色表現塗装が腕の見せ所になるので、塗装にこだわるモデラーに人気があります。
映画『トップガン』のトム・クルーズ演じるマーヴェリック機、さらにはトップガンより以前の映画『ファイナル。カウントダウン』ではVF-84ジョリー・ロジャース所属の「F-14」が零戦とドックファイトを演じたこともあり(CGではなく実機を使い撮影。零戦はAT-6テキサンが演じている)、黒い垂直尾翼に白で描かれたクロス&ボーンの「F-14」は、今でも圧倒的な人気があります。トムキャットを製作したプラモデル講座でも10人中8人がジョリー・ロジャース仕様でした。
また人気コミック『エリア88』でも主人公の風間真の相棒ともいえるミッキー・サイモンの愛機として「F-14」が登場しており、キット化もされています。
■究極のトムキャットをロービジ塗装で仕上げる
達人は過去にタミヤの1/48トムキャットも製作しているので、今回の1/72 F-14Dは、どんな違い…というよりどんな進化を遂げたモデルとなっているのか興味深いキットでした。
コクピットのサイドコンソールや計器盤はデカールで再現されるのですが、立体的なディテールと相まって塗装のみでリアルな仕上がりとなります。まぁ老眼が進みつつある眼には、極小パーツはいささかキビシクもあるので、製作にはルーペが手放せません(苦笑)。
精度の高いパーツ構成で、機体はサクサクと組み進めることができるのが凄いですね。機首とインテークダクト、主翼はなどはそれぞれ単体で塗装してから機体に組み付けられるのですが、接着剤を使わなくてもピタリと位置が決まるのは感動モノです。またトムキャットの魅力を引き出すキット付属のウエポンも充実しており、作っていて楽しいキットであることは間違いありません。
■ロービジ塗装に昂る
本キットにはVF-2バウンティ・ハンターズやVF2203ブラック・ライオンズのCAG機(航空団指令機)をはじめ、黒い垂直尾翼に死神が描かれたVF-101グリム・リーバーズといった派手なデカールが付属しており、F-14好きににはたまらんのですが、今回達人はあえてモノトーンのロービジスキムを纏ったVF-231ブラック・ライオンズのロービジ塗装をチョイスしました。派手に汚れたロービジ塗装は、塗装の手間はかかりますが逆に新鮮で気に入っています。
■総括
緻密なディテールに高いレベルの完成度、それでいて1/72スケールとしての組みやすさにも特化しており 飛行機モデラービギナーでも楽しみながら最高のトムキャットを手にできるでキットとして、これから飛行機モデルにチャレンジしてみたいという方にもオススメします。ぜひチャレンジしてみてください。
▼タミヤ「1/72 F-14Dトムキャット」ギャラリー
さて、国内外の模型メーカーから新製品が続々と発表される今日この頃。次回は何を作りましょう? 乞うご期待!
>> [連載]達人のプラモ術
<製作・写真・文/長谷川迷人>
【関連記事】
◆無塗装を塗装で再現?ナチュラルメタル米軍機の塗装方法を解説【達人のプラモ術<F-104 スターファイター>】
◆2023年最も話題の最新キット、タミヤ「F-35B ライトニングII」を製作!【達人のプラモ術<F-35B ライトニングII>】
◆華麗なるアメリカ海軍飛行展示チーム「ブルーエンジェルス」をF-4JファントムⅡで製作!【達人のプラモ術<F-4JファントムⅡ ブルーエンジェルス仕様>】
- Original:https://www.goodspress.jp/howto/719270/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web