蕎麦が好き、お酒が好きな小宮山雄飛さんが、美味しいお蕎麦屋さん、そして蕎麦屋呑みの魅力を伝える連載Vol.15。今回は白金の老舗『利庵』を訪問しました。
前にも書きましたが、僕の蕎麦好きのルーツはすべて父親にあります。
子供の頃に、父親があちこちの美味しい蕎麦屋さんに連れて行ってくれたのが、蕎麦が好きになったきっかけ。
白金の利庵も、最初は父が連れてきてくれた。
中学生くらいの時だったか。
もちろんその時は、まだ<蕎麦呑み>はしていませんでしたが。
大人になった今は、まずは枡酒、定番の菊正宗。
嬉しいのは、お酒を頼むと、お通しとしてエビの頭の方を揚げたのを出してくれる。
これが、ちびちびと日本酒を呑むのにぴったりなんです。
升を口元へ運んだ時の、檜の香りがさらに酒を進ませます。
◾️思い出の変わらぬ味、新しい蕎麦前を楽しむ
こちらに来たら、頼まずにいられないのが「出汁巻き玉子」。
外はしっかり、中はトロトロの焼き加減。
醤油と甘さ、どちらも少し濃いめなのが、いかにも東京らしくて美味しい。
子供の頃から大好きな一品です。
焼き鳥も蕎麦前の定番ですが、こちらのお店では通常の焼き鳥に加えて「鳥パリ」というメニューがあります。
名古屋コーチンを皮目だけパリッパリにしたもの。
皮のクリスピーな食感と、肉のジューシーさ、両方を楽しめます。
◾️小腹が空いたら蕎麦を手繰る。これぞ江戸の蕎麦っ食い
締めの蕎麦は、これもうちの父の好物だった「天せいろう」を。
いわゆるエビの天ぷらではなく、エビのかき揚げなのが利庵流。
かき揚げ本体はわりとしっとりしていて、上に乗った揚げ玉でサクサク感を出しているのも特徴。
二八で打たれた細めの蕎麦は、実に瑞々しく、甘めのつゆとの相性も抜群。
お昼にしっかり食べるのもいいですが、通し営業されているので、お昼過ぎの小腹が空いた時に、さっとお蕎麦をたぐっていくというのも、いかにも江戸の蕎麦っ食いぽくていいかもです。
いつもの蕎麦呑みなら、蕎麦前をしっかり楽しんで、締めにお蕎麦を食べたら帰るのですが、こちらに来たら、もう一つの締めがあります。
それが、自家製の『わらびもち』。
添えられた串で持ち上げるのも難しいくらい、ぷるんぷるんの食感。
適度な弾力はあれど、口の中ですっと溶けてしまうほど瑞々しく、酒呑みでも絶対最後に食べたくなる一品。
今も昔も変わらず、ゆったりとした空気の中で、美味しい料理を楽しめるお店です。
利庵
住所:東京都港区白金台5丁目17−2
TEL: 03-3444-1741
営業時間:11:30〜19:00
定休日:月曜・火曜
<写真/Troca Inc.(橋本真美>
小宮山雄飛|ホフディランのVo&Key担当。ミュージシャンの傍ら、グルメ番長として食のシーンでも活躍し、様々な雑誌やWEBサイトでの連載、レシピ開発なども行う。著書には『旨い!家カレー』『レモンライス レシピ』『小宮山雄飛 今日もひとり酒場』など。テレビ、ラジオ番組などの出演も多数。
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