【酒と泪と男とカルチャー】
この世には実にたくさんの本で溢れています。小説やエッセイ、実用書、ビジネス書などなどジャンルや内容を挙げていくとキリがないほどです。デジタル社会と言われて久しいですが、それでもなぜ文字情報だけの本にこんなにも夢中になるのでしょうか? それはやはり我々の想像力や思考力を掻き立てたり、それにより感情・心を揺さぶられたりするからだと思います。お酒は本性や感情を表に出す働きもしますし、適度に酔いがある状態で好きな本を読むと心地良さや感動もひとしおなはず。何より、夜にしっぽりとひとりでお酒を嗜みながら本を読んでいる姿って、何だか絵になると思いませんか? 今回は人気作家の西尾 潤さんと『ダ・ヴィンチ』編集長に「お酒と本」について伺いました。
■お酒は心を解き、自分を許すために大事な存在

映画化・コミカライズ化した『愚か者の身分』をはじめ、さまざまな作品を世に送り出し注目される小説家兼ヘアメイク・スタイリストの西尾 潤さん。社交性が問われる職業と自分の内側に深く潜る作業も必要とする職業、そのどちらにもアクセスする彼女にお酒と本について語ってもらいました。
――今回は「お酒と本」についてお話を伺います。早速ですが、そもそもお酒はお好きなのでしょうか?
西尾 潤さん(以下、西尾):好きですよ。家に常にストックをしていますし。とは言え、強いわけではなくて本当に嗜む程度なんですけどね。
――ストックしているお酒はいろいろな種類を?
西尾:家に置いてあるのは白ワインが多いですね。ちょっと軽めの飲み口の、チリワイン。ゲヴュルツトラミネールってブドウの品種があって、結構安価で購入できるんです。ワイン自体にすごく詳しいわけではないですし、目に留まったモノを購入するくらいですけどね。
――1日に1本飲む、みたいな感じですか?
西尾:いえいえ、そんな。1、2杯を嗜む程度で。ちょっと調子に乗って飲んだとしても3杯くらい。酔うために、というよりはちょっと心を解きたいな、みたいな感じで楽しんでいます。例えば、仕事が終わって寝る前にほんのちょっととか、少し心を解いてリラックスして。執筆は夜に行うことが多いので、普段は夜中3時を過ぎないと飲まないようにしているんです。もちろん、人と会うときなどは全然気にせず楽しみますよ。でも、結構外で飲むのって久しぶりかも。今年に入って2、3回目くらい?
――それでは今回の取材でお酒を飲んでいただくのは希少なんですね。ありがとうございます!
西尾:こちらこそ、ありがとうございます(笑)。普段は執筆するのに集中して、筆が乗ると集中して朝までバーっと書いてそのまま倒れるように寝る、みたいなことも多いですし。むしろこういう機会を作ってもらえて嬉しいし、楽しいですよ。本当は毎日飲みたいくらいなんです。心をバーっと解いて、コテッと寝たいというか。
――ありがとうございます(笑)。それにしても、朝まで執筆されるということですが日中にヘアメイクやスタイリストの仕事が入ることもありますよね? すごく大変そうと言いますか…。
西尾:もちろんフリーランスなので断ることもできるのでしょうけど、そうすると縁が切れてしまうじゃないですか。それは寂しいというか、執筆もヘアメイクもスタイリストも全部それぞれ好きなんですよね。それぞれで得るものがありますし、新しい人とも出会いますし、それがすごく自分の中では大きくて。いろいろな引き出しができますし、それぞれの仕事で生きますよね。
――なるほど。先程白ワインがお好きだと仰っていましたが、今回本に合わせるお酒はラムなんですね?
西尾:そうですね、特にラムソーダ。それこそ、このバーで初めて飲んだのかな。すごく美味しいと思って。スッキリしているのに味わいもちゃんと感じられるし、家の冷蔵庫にも冷やしてあって、飲むときはやっぱり炭酸で割って飲んでいます。
――ラムソーダに合わせて読みたい本はありますか?
西尾:今日は2冊持ってきていて。本当はもっとたくさんあるんですけど。まず1冊目は燃え殻さんのエッセイ『それでも日々はつづくから』(新潮社刊)。そもそも、エッセイもそうですし、詩とか散文とかも好きなんですけど、燃え殻さんがすごく好きでラジオも毎週聴いているし、エッセイもほとんど読んでいるくらい。それで、エッセイってどこで読み終わっても良いじゃないですか。小説とかだとそうはいかないというか、私の場合は仕事モードになっちゃってメモを取りながら集中して読み出しちゃいますし。そうなると、せっかくリラックスしたくてお酒を飲もうとしているのにできなくなりますよね。
――確かに、エッセイだと気負わず読めると言いますか、自由に読めますよね。
西尾:しかも、燃え殻さんの作品がなぜ好きかというと自分とは違う着眼点だったり考え方だったり、自分の中の違う扉を開けてくれる感じがして。逆に自分が恥ずかしいと思っていることを肯定してくれたり。力の抜き方と真剣さのバランスがすごく心地良い。本当にお酒を嗜みながら読んでいると、ますます心が解れる感じがしますよ。
――ちなみにお酒を飲む空間、まさに今みたいな時間も作品に繋がることもあるのでしょうか?
西尾:もちろん、繋がりますよ。作家全員そうかもしれませんね。実を言うと、今まではあまり人に興味が持てなかったんです。でも、自分で物語を書くようになって「自分の人生だけじゃ足りない」「自分の考えだけじゃつまらない」と思うようになりましたし、いろいろなことを広く知りたいと思うから、人の話も面白く感じるようになるし。すごく嫌なことがあっても、そのうち作品に生きると思えば「まあ、いいか」みたいにも思えるし。今まで人に興味がなかったのに今は知りたくて仕方がない、そう思うと人間って不思議だし、面白いですよね。結局自分次第というか。
――そうですね、自分次第で全然変わるってよくよく考えるとすごく曖昧で面白いですよね。あと1冊は何でしょうか?
西尾:僭越ながら、自著の『審美』(小学館刊)です。ちょっとクセのある作品なので、バーボンとかが合うんじゃないかなと(笑)。バーボンをロックでちびちびと飲みながら、ゆっくりと読んでほしいですね。美容家の一代記なんですけど、戦中から戦後辺りから物語は始まるし、ジェットコースター的な内容で。今ではちょっと考えられないような辛いシーンも結構あったり…。現代社会は何て言うんですかね、無味無臭な、無害な味を求めがちだと思うんです。でも、私の作品はそうじゃなくて万人には受け入れてもらえないかもしれませんが、好きだとか共感してくれる人はいるというか。バーボンも好きな人は好きじゃないですか。力強さもありますし。それこそ『愚か者の身分』(小社刊)もクセが強いウイスキーと一緒に楽しんでほしいですね。
――仰るように、クセがないと深くはハマらないことが多いですよね。最後に、お酒と本を合わせる魅力を教えていただけますか?
西尾:例えば、フランス映画とかでフレンチビストロで食事をしながら片手で本を読んでいる姿やバーで読書している姿とかってシンプルにかっこいいじゃないですか。誰かに見てもらうために読むわけではないですけど、やっぱり“かっこいい”って素敵ですよね。あとは、冒頭でも言いましたがお酒は心を解いてくれるひとつのトリガー。しんどいことがあっても、お酒を飲むと自分をちょっと許してあげようかなって思えたりする。心に寄り添ってくれるアイテムだと思うんです。それって本とリンクしますよね。本も自分の心に寄り添ってくれたり、逆に全然違う考えに導いてくれたり。だから、毎日晩酌して良いと私は思います。自分を許してあげながら、好きな本を読んで心を解く。どちらか一方でも構いませんが、ふたつあると相乗効果が生まれるので。それが「お酒と本」を合わせる、1番の魅力ですかね。
>> 西尾 潤
▼今回ご協力いただいた店舗
「Bar Fractale」
住:東京都品川区上大崎2-14-3三笠ビル地下1階
営:19:00~26:00
休:日・祝
■“考えすぎ”の状態を一時停止して感性を開く。お酒と本は“前向きな現実逃避”へ誘う重要なツール
本を紹介する雑誌『ダ・ヴィンチ』編集長の似田貝さんは、出版の最前線で数々の名作家たちと向き合い、独自の視点でカルチャーを牽引してきた編集者のひとり。日々膨大な活字と格闘する彼にとって、お酒は仕事モードから私生活へと切り替える大切なスイッチだそう。お酒と読書がもたらす“前向きな現実逃避”の魅力とは? そして編集者として欠かせない“面白がる力”について、とある作家に縁のある大衆酒場でグラスを傾けながらディープに語ってもらいました。
――日々膨大な活字と向き合うお仕事かと思いますが、普段お酒を飲みながら本を読まれるのでしょうか?
似田貝さん(以下、似田貝):職業柄、本を読む機会が多いので、飲みながら読書することもありますね。ただ、洒落たバーで飲むとかではなく、安いビールやコンビニで買えるような手頃なワイン、あとは焼酎なんかがほとんど。ゲラ(校正刷り)のチェックや資料の読み込み、インタビューの下準備、あるいはレビューを書くための本など真面目に読み込まないといけないものが大半ですが、お酒を飲み進めてくると当然酔っ払ってきますよね。そうなってくると仕事の読書は一旦切り上げ。気楽に読める趣味の本へとシフトします。
――仕事モードの読書から趣味の読書へと切り替えるスイッチがお酒だと。気楽に読める趣味の本と言うと、例えばどういったものでしょうか?
似田貝:今日持ってきている、西村賢太さんの日記集『一私小説書きの日乗 野性の章 遥道の章 不屈の章』(KADOKAWA刊)とかはまさにそう。西村さんの日記には、ご自身でササッと作った素っ気ない食べ物のことや本当に短い1日の出来事などが淡々と書かれています。小説のようにしっかりとした起承転結のあるストーリー展開や明確なオチなどはありません。だからこそ、どのページから読んでも良いんです。何も考えずにパッと開けば、ふらっとその世界に入られる。お酒を飲みながら読むにはぴったりの1冊なんですよね。さらに言えば、まさに今日私たちが来ているような、この大衆居酒屋で読むのが最高のシチュエーションだと思います。
――実際、ここ(「信濃路」)は西村賢太さん縁のお店だそうですね。作家が通っていたお店でその人の本を読むというのは、また違った味わいがありそうです。
似田貝:そうなんです。このお店は西村さんがデビュー前、それこそ日雇い作業員のアルバイトをしていた10代の頃から通い詰めていた場所なんです。当時の西村さんは血気盛んで、いろんなお店から出禁扱いされていたそうなんですが、なぜかここは一度も出禁にならずにずっと通い続けられたところで。このお店の良いところは客に対して過剰に干渉しない、絶妙な距離感です。お店の人から「西村先生、いつもありがとうございます」なんて声をかけられることもなく、良い意味で放っておいてくれる。そんな店だから我々がひとりで来て本を読む場としても、とても居心地が良いんです。
――昭和の空気がそのまま残っているような、雑多で温かい雰囲気がありますね。
似田貝:ええ。本を読む行為って、基本的には文字を追って頭の中で想像を膨らませるものですが、たまにはこういう所縁のお店に来て作中に出てきた食べ物に触れてみるのも面白いですよね。西村さんがエリートサラリーマン的な編集者を嫌っていた中で、アルバイト上がりの私を多少なりとも受け入れてくれたのは、こういう雑多な空気を共有できたからかもしれません。
ここで西村さんがよく飲んでいたホッピーやリンゴのチューハイなんかを頼みつつ、日記に出てくるハムカツやアジフライをつまむ。そうやって形から入ることで、「ああ、頭の中で想像していたのはこういう味で、こういう空気感だったんだな」と答え合わせができる。文字だけの世界から一歩踏み出して、より作品の世界観とリアルにコネクトできる気がしませんか。ファンの人にとっては聖地巡礼のようなものかもしれませんが、お店の喧騒をBGMにしながら読むのは本当に心にも体にも染みる読書体験になると思います。
――お店の空気ごと作品を味わう…素晴らしい読書体験ですね。ほかにお酒に合わせたい本や普段よく読まれるジャンルはありますか?
似田貝:『ダ・ヴィンチ』の前は怪談や妖怪を扱う雑誌の編集長をしていたこともあって、もともとお化けサイドの人間でした。妖怪の研究本から漫画などエンタメ全般、ざっくり言うとホラーが好きですね。ホラーと言っても“怖さ”の定義は人それぞれですが、読んでいる最中にギャーッと怖がるような作品よりも、読み終わった夜の寝る前なんかにふと思い出して、「ああ、なんか気持ち悪いな」と余韻が残るような作品が好きです。例えば、小野不由美さんの『残穢』なんかはモキュメンタリーの手法を用いた構造的な仕掛けが本当に怖いなと震えたもんです。
――そんなホラー好きとして、お酒に合わせたい1冊を挙げるとすると?
似田貝:最近出たばかりの、京極夏彦さんの長編『猿』(KADOKAWA刊)ですね。実は長編ホラーってすごく難しいジャンルなんです。短編の名作は山ほどあるんですが長編になると物語を広げたぶん、最後にある程度風呂敷を畳まないといけなくなる。そうすると読者の要望に応えようとして無理に因果関係を回収したり、最後は幽霊や怪物をやっつけるバトル展開になったりして、恐怖感から別の面白みにシフトしてしまう作品もある。怖いなら怖いまま、わからないものはわからないまま放置して、根源的な“恐怖”を味わいたいときもあるでしょう。その点、『猿』は長編なのに起承転結の“起”だけで終わってしまうような何とも言い難い構造なんです。
――長編なのに“承”や“転”、“結”がないというのは斬新ですね。
似田貝:無理にオチを付けるのではなく、「恐怖とは何か」とストレートに問いかけてくる作品です。京極さんの圧倒的な文章力だからこそ読ませられますし、細かい伏線を考察したり因果関係を論理的に考えても良いし、ありのままの怖さを純粋に楽しんでも良い。お酒を飲んでいる席ではあれこれ真面目に考察するよりも感覚で作品を受け止めたいので、こういう本もすごく向いていると思います。
――どちらの本も“何も考えずに”読めるのがお酒と合わせるうえでのポイントなんですね。
似田貝:そうですね。私はお酒を飲む行為を“前向きな現実逃避”のスイッチだと捉えています。生きていると毎日忙しかったり無理難題に直面したりして、なかなか気持ちが安らがないじゃないですか。「ここを解決しないと先に進めない」と考え込んでいるそんなとき、お酒を飲めば一旦その問題を保留にしてぴょんと飛び越えられる気がするんです。お酒を飲むと脳の理性が少しぼんやりして、普段カッコつけている部分や真面目すぎる自分の殻が剥がれ落ちていく。そうすると普段なら“どうでもいい”と見過ごしてしまうようなことまで、すごく面白く感じられるようになるんです。
――理性のハードルをあえて下げることで、物事を楽しむ感性が鋭くなると。
似田貝:
そう、私たち編集者にとって1番重要なのは対象を否定するのではなく“面白がる能力”だと思っています。何事も面白いと思えたほうが、世の中絶対に楽しいですから。ただ以前、若手の編集者に「自分の好きなことを企画にしたほうがいいよ」と言ったら「特に好きなものはありません」と返ってきてすごく驚きました。レポートのように対象をまとめて伝える能力が高くても自分の中の“好き”という拠り所がないと、人の心を動かす企画を作るのは難しい。
編集という仕事は自分が偏愛する対象を深掘りして、ほかの領域へ広げていける稀有な職業です。例えば妖怪が好きならは、なぜその土地にその妖怪の伝承が生まれたのか、気候や歴史、人々の暮らしまで視点を広げていける。入り口は本でもお酒でも音楽でも映画でも何でも良くて、ひとつのフックからいくらでも世界は広がる、そう思います。
――その「好きなもの」を見つけるために、お酒が役に立つ?
似田貝:頭で難しく“考える”と見つかりづらくなると思います。だから、たまにお酒の力を借りて思考をあえてぼんやりさせてみる。真面目に考え込まずに感覚を開いていけば、「あ、これ好きかも」とふと気付く瞬間があるはずです。あとで、その“好きかも”と思ったものを深掘りしていけばいい。本を読む行為は日常から離れるための“いい現実逃避”ですが、お酒もまた考えすぎるのを一時停止させて気分を切り替えるための“前向きな現実逃避”です。両者を組み合わせることで相乗効果が生まれ、気分の切り替えや感性の開放につながる。それがお酒と本を合わせる最大の魅力ですし、大人ならではの贅沢な時間なんだと思います。
>> 『ダ・ヴィンチ』
▼今回ご協力いただいた店舗
「信濃路 鶯谷店」
住:東京都台東区根岸1-7-4
営:7:00~24:00
休:不定休
■「お酒と本」のカップリングで、いつもの趣味時間がより奥深いひととときに
週末の夜、自宅のリビングはある意味趣味に使えるプライベート空間。そしてそこで読む本と嗜むお酒。ページをめくるごとに広がる奥深い本の世界と、その時間を彩る極上のお酒があれば、いつもの読書時間が格別なリラックスタイムへと昇華します。今回は、そんな大人の贅沢な知の探求をワンランク引き上げる、とっておきのアイテムをご紹介します。
■知的好奇心を満たす宇宙の旅と、熟成された至高の美酒。活字に酔いしれる夜
壮大な宇宙の歴史に思いを馳せながら、長い年月をかけて熟成された珠玉の美酒をじっくり味わう。そんな贅沢な知の探求ができるのも、自分のペースでくつろげる家での時間ならではの醍醐味です。難しそうなテーマの本も、芳醇な梅酒で適度に脳を緩めながら向き合えば、奥深い活字の世界に深く没入できる格別な読書体験へと変わります。
チョーヤ梅酒
「CHOYA 五年の宴」(700ml 希望小売価格:1万3750円)
和歌山県産の最高級南高梅をふんだんに使い、5年間静かに寝かせた特別な原酒。長期熟成による深みのある香りと程良い甘さに加え、梅の種由来のかすかな渋み、後口には芯のある酸味とコクの余韻が心地良く広がります。この奥深く洗練された味わいはページをめくりながらじっくりと思考を深める読書時間と好相性。静かに文字と向き合う、大人の知的な夜を豊かに彩ってくれます。
『東大研究員がゼロから考えてみた「宇宙の常識」』(著:澤田 涼、大和出版刊 1980円)
「宇宙はビッグバンで始まった」という常識に対し、過去の科学者たちがどうやってその結論に至ったのかを丁寧に解き明かす1冊。相対性理論など一見難しそうなテーマだからこそお酒を片手に脳を緩めて読んでみたい。科学者たちの試行錯誤の歴史を辿るうちに、思わず夜空を見上げて壮大な宇宙に思いを馳せたくなるはずです。
■“自分ひとりではない”。そう思いながら飲みたい夜はこんな本と一緒に
お酒や本は不思議なもので、孤独感に浸れるものでもありながら、この世の誰かと繋がっているような気にもしてくれます。そんな心に寄り添ってくれるふたつのツール、選ぶとしたらこんな組み合わせはいかがでしょう? 自宅でひとりで楽しむのも良いですし、それこそバーで静かに読むのも良い。お酒が好きなすべての人に勧めたいカップリングです。
ジャックダニエル
「ジャックダニエル テネシーアップル」(700ml 希望小売価格:2838円)
テネシーウイスキーの王と言っても過言ではないジャックダニエル。同ブランドから12年ぶりに登場した新商品「ジャックダニエル テネシーアップル」。ジャックダニエルならではの雑味のないまろやかなウイスキーに、みずみずしいアップルの味や香りが加えられ、ウイスキーが苦手な人ほど味わってほしいリキュールです。ロックやストレートはもちろん、ソーダ割りやカクテルのベースとしても大いに活躍してくれるはず。
>> ジャックダニエル
『今夜、すべてのバーで 新装版』(著:中島らも、講談社刊 814円)
お酒と聞くと真っ先にこの本を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか? お酒を愛し、お酒と共に生きた中島らもが実体験をベースに描いた本作は「どうしてもお酒を飲まずにはいられない」その心の模様や生きている様をリアルかつ、らもらしい独創的でユーモラスに表現しています。お酒との付き合い方について、改めて自分自身にも問えると同時に、お酒が好きなのは自分だけではないとも思える傑作小説。
■子守唄のように心地良い文章が、お酒の相棒としても輝く
例えば夜、ひとりでグラスを片手に読書をしているとき。趣味の時間だからひとりで楽しむのは当たり前なものの、ふと寂しく感じる瞬間はありませんか? そんな孤独感を癒やしてくれるような物語が詰まった本と一緒なら、趣味のひとときがより愛おしくなるはず。趣味とは本来、自分の人生を豊かにする、自分をより愛するためのひとつの行動と考えれば、こんなマリアージュも楽しみたいですよね。
朝日酒造
「KUBOTA GIN よそふ春」(700ml 7150円)
日本をはじめ世界中で愛される日本酒ブランド「久保田」。その「久保田」ブランドにジンがあるのはご存じでしょうか? 期間限定の「よそふ春」はカモミール、ローズマリー、カルダモン、柚子の皮がキーボタニカルなだけに、ソーダなどで割るとより花が開いたようなボタニカルの風味が楽しめます。それでいて味はスッキリと爽やかで、普段ジンを飲まない人にこそ一度試してみてほしい一品。パッケージもしゃれているため、プレゼントなどでも喜ばれそうです。
『月とコーヒー ノクターン』(著:吉田篤弘、小社刊 2090円)
発売から7年、10万部を突破した人気シリーズ「月とコーヒー」シリーズ最新作。人気作家の吉田篤弘がしたためた珠玉の物語たちは、お酒と合わせると一層心の隅々まで染み渡るはず。1話のページ数はどれも原稿用紙10枚程度でどこから読んでも楽しめるため、まさにお酒の相棒にぴったり。まるで子守唄や温かいコーヒーでほっこりとさせられるような、そんな心地良い空気に浸れる短編集です。
<取材・文/山口健壱、手柴太一(GoodsPress Web編集部)>
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