【“いまどき”アウトドアシューズ解体新書】
アウトドアシューズブランドを中心に、最近よく目にするのが“トレランシューズ”。文字通りトレイルランニング向けのシューズとなるわけですが、登山向けのトレッキングシューズとは違いローカットでスニーカーに近い雰囲気があることから、街でも履かれているのを見かけることも。
ではこのトレランシューズ、そもそもどういう特徴を持つシューズなのか。いわゆるスニーカーとは何が違うのか。そして街で履くメリットはあるのか。
気になるアレコレをプロに聞いてみました。
■スニーカーとトレランシューズの違いとは
今回、お話を伺ったのは、Alpen TOKYOのランニングスペシャリストで、自身も現役ランナーとして日々走りまくっている寺島俊之さん。

「トレランシューズとは、山道とかぬかるみとか砂利道とか、アスファルトではなくいわゆる不整地を走るためのシューズです」
では、一般的なスニーカーとはどこが違うのでしょうか。
「まずアウトソール(接地する部分)が違います。ランニングシューズ(ロードシューズ)と違い、ラグと言われる溝が切ってあるんです。あと、下から突き上げを受けるため、ソールが硬くなっています。また上りや下り、左右に傾いているなど不安定な場所を走るため、カカト部分の安定感がとても強いモデルが多いのも特徴です」
さらにソール全体の幅を広くして、足を包み込むように支え安定感を生み出しているモデルも多いとのこと。
Alpen TOKYOでは、機械を使って足を測定してもらえるサービスを行っていて、そこで計測した結果を見ると、プロネーション(着地時にカカトが内側へ倒れ込む動作)が起こり距骨下関節が開いている人が多いと言います。
その結果、膝が内向きになり、腰が落ちてしまうことで足の上がりが悪くなる。そういう人にとって、カカト周りのサポートがあると、歩いたり走ったりがラクになるとか。
・しっかりしたカカト部分(ヒールカウンター)
→着地時の衝撃から足をサポート
・幅の広いソール
→足がぶれずに安定する
・ちゃんと曲がるMP関節(指の付け根の関節)部分
→親指をしっかり使って足を踏み出せる
これらのトレランシューズが持つ特徴により、不整地でも正しい歩行動作へと促してくれるわけです。
「トレランと聞くと難しそうに感じるかもしれないですが、道路から数十cm横の草むらもトレイルだと思ってもらえれば」
たしかにそう考えると、街なかだろうがトレイルロードはたくさんあり、トレランシューズが活きるシーンもたくさんあることが分かります。
■HOKAの大きなソールは意味がある
いまや数多くのブランドから発売されているトレランシューズですが、寺島さん注目のモデルを教えてもらいました。
「まずはHOKAの『チャレンジャー』。接地面積が広く、ラグもいいパターンです。ミッドソールはやわらかくクッション性がいいんですが、カカト部分はとても硬い。カカトの踵骨がソールにバコッとハマるので、カカトのブレが少ない。そして重くない」
HOKAのシューズはとにかくソールが大きく幅が広いという印象がありますが、やはりそれが重要だったんですね。
「普段歩いたり走ったりする時に、重心移動ってよくわからない人も多いと思います。だから適当に歩いてしまう。それを、この幅広のソールがある程度ガイドしてくれるんです。ドーンと接地したら、ブレずに前に転がるように足が出てくれます」
次に挙がったのは、みんな大好きGORE-TEX(ゴアテックス)搭載モデル。
「やはりこれからの季節、梅雨時期には重宝しますよね。濡れない蒸れない」
アウトドアシューズでは定番機能であるGORE-TEXを使ったモデルは、トレランシューズにも数多く存在します。雨の日も気にせず履けるというのは、雨の季節だけでなくゲリラ豪雨に遭った時でも安心です。
ということで、寺島さん注目モデルのHOKA「チャレンジャー」を履いてみました。
「靴を履く際は、まずカカトを後ろにあててしっかり入れる。そして中足部のヒモをしっかり締める。ヒモは毎回毎回、しっかり結んでくださいね」
めんどくさいからと、ヒモ緩めておいてスリッパのように履いてしまっていませんか? その気持ち、心の底からよく分かるんですが、それだとやはりトレランシューズの機能を活かせずもったいないと寺島さんは言います。
「フィッティングを上げてあげないと、シューズの中で足が動いて代償行動が起きてしまい、結果的に疲れやすくなります」
実際に正しく履いて歩いてみると、違いは一歩目から分かります。普段歩いている時と違い、体の動きが変わった感覚です。
「(シューズに促されて)オートマティックに重心が移動しているんです」
■梅雨時に履くならやっぱりGORE-TEX
トレランシューズがどういった機能を持つモノなのかが分かったところで、気になるのが選び方です。
「普段履きして雨の日も使いたいというのであれば、GORE-TEX搭載モデルがいいのではないでしょうか。商品名に“GTX”と入っているモノはGORE-TEXだと思ってもらって大丈夫です」
「そしてソールを見てもらって、接地面積がある程度広いモデルですね。できるだけブレない安定性の高いモデルを選んでもらうといいと思います」
「最後はMP関節部分がしっかりとたわむモデルです。普段履きで歩いていてゆっくり重心移動している時に、MP関節部分が硬いと体重を他に逃さなければいけなくなるので、ブレにつながってしまいます」
軽さや通気性、ミッドソールの素材など各ブランドでさまざま。そういった部分は、自分の体重やクッション感の好みなどで選ぶといいと寺島さんは話します。
* * *
最近はネットでシューズを気軽に買えるようになりました。店頭に好きなカラーがなかった、なんて時にネットショッピングはたしかに便利ですが、足のカタチは一人ひとり異なるため、まずは実際に履いてみることが重要です。
自分の足に合っているか、そして今回、寺島さんが挙げたポイントをチェックしつつ、自分にとってベストなトレランシューズを選んでみてはいかがでしょうか。
日々移動していると、時にはアスファルトのない場所を歩くこともあるかもしれません。そんな時でも安心して歩けるのがトレランシューズです。そう考えると、普段履きもアリだと思いませんか? 「自分は走らないし、ましてや不整地なんて」と思っている人も、一度履いてみるとその良さが分かるはずです。
「Alpen TOKYO」
住所:東京都新宿区新宿三丁目23-7
営業時間:月〜金 11:00~22:00/土日祝 10:00~20:00
>> Alpen TOKYO
<取材・文/山口健壱、円道秀和(GoodsPress Web編集部) >
【関連記事】
◆防水のトレランシューズがあったら街履きでも最強なのでは?と思った話
◆極厚×ビブラムで走破力アップ。メレルの本命トレランシューズ「アジリティーピーク6」が誕生
◆最新トレランシューズ「S/LAB PULSAR 4」でサロモンの最新技術を体感しよう!
- Original:https://www.goodspress.jp/howto/729782/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web