サイトアイコン IT NEWS

Apple Watchの睡眠データで更年期研究が前進〜ハーバード大が発表

ハーバード大学の研究チームが、Apple Watchを活用した大規模研究の結果を発表しました。睡眠データ約94,000泊分を分析し、更年期移行期の睡眠変化が明らかになったと報じられています。

Apple Women’s Health Studyとは

Appleはハーバード大学などと連携し、健康研究を続けています。専用アプリを通じた取り組みの一環で、Apple Women’s Health Studyもそのひとつです。米国内の参加者は2025年2月時点で35万人以上に達しています。

今回の研究対象は、参加者338人のApple Watch睡眠データです。年齢は25〜59歳で、大多数は45〜59歳となっています。

研究で明らかになった睡眠変化

最終月経記録の前後12ヶ月において、夜間の覚醒時間が増えた参加者が多かったとのことです。閉経の18ヶ月前から、睡眠データがある女性の60%でWASOの増加が確認されました。WASOとは入眠後に目が覚めている時間のことです(Wake After Sleep Onset)。平均の上昇幅は7%だったとされています。

閉経前後を比較すると、睡眠中の覚醒時間の割合は約0.8%増加したとのことです。

出典:A Transition of Seasons: Sleep Patterns and Changes in Perimenopause

個人差が大きく一律ではない

研究チームは「更年期・閉経の経験は人それぞれ異なる」と強調しています。WASOが大幅に増えた参加者がいる一方、ほぼ変化がなかった参加者もいたとのことです。データはあくまで集団としての傾向であり、個人の症状とは異なる場合があります。

睡眠悪化と関連が深い症状

出典:A Transition of Seasons: Sleep Patterns and Changes in Perimenopause

睡眠を追跡した参加者(338人)が最も多く報告した症状は、ほてりの82.3%でした。次いでイライラ68.1%、精神的疲労65.7%、性的症状65.6%と続きます。いずれも半数以上の参加者が経験しており、更年期に広く見られる症状です。

症状軽度〜中等度重度〜非常に重度合計
ほてり
(ホットフラッシュ)
52.1%(176名)30.2%(102名)82.3%
イライラ51.2%(173名)16.9%(57名)68.1%
精神的疲労43.5%(147名)22.2%(75名)65.7%
性的症状40.5%(137名)25.1%(85名)65.6%
(n=338名)

参加者が記録した更年期症状の内訳は、上記の表のとおりです。症状ごとに軽度〜中等度・重度〜非常に重度の割合も確認されています。睡眠悪化と最も関連が強かったのは、膀胱症状・関節症状・心臓の不快感・抑うつ症状でした。

Apple Watchが医学研究に果たす役割

Apple Watchが個人の健康管理を超え、医学研究の基盤として機能しつつある事例です。ウェアラブルが集める継続データは、従来困難だった大規模・長期の研究を可能にします。心拍数センサーを搭載するAirPodsシリーズなど、Apple製品全体でヘルスケアデータの収集範囲が広がっており、高血圧検知機能の向上も期待される次世代Apple Watchとあわせ、今後も健康分野での活用拡大が見込まれます。

Source:Harvard T.H. Chan School of Public Health
Photo:Harvard T.H. Chan School of Public Health / Apple

モバイルバージョンを終了