腕時計の中には、最新の機能や洗練されたデザインだけでなく、その時計が誕生した時代背景やストーリーを色濃く宿しているモデルも数多く存在します。初めて宇宙に行った時計、技術革新の象徴として誕生した時計――、そうした一本には、作り手の思想や当時の価値観、そして歴史そのものが刻まれており、身に着けるだけで物語の一部を共有できる、特別なタイムピースとなります。
このたびオリスから登場した「オリス スター エディション」(36万3000円)も、まさにそんなストーリーを宿した一本です。
1930年代に制定された“スイス時計法”は、過度な競争を抑制してスイスの時計産業を守るためのものでしたが、その一方で時計メーカーの自由な技術開発を大きく制限する存在でもありました。オリスにとっても例外ではなく、自社の意思で高品質なムーブメントを開発する自由を奪われ、より高性能なスイスレバー脱進機が主流となっても、ピンレバー脱進機のみの使用を義務付けられていたのです。
そんな閉塞した状況に風穴を開けたのが、1956年にオリスへ招へいされた若き弁護士のロルフ・ポートマン博士(オリスの現名誉会長)。博士は約10年もの歳月をかけて法改正を粘り強く推し進め、ついに1965年に時計法は撤廃されます。これはオリスだけでなく、スイスの機械式時計産業全体の未来を守った歴史的な勝利でした。その翌年となる1966年、オリスから自社初のレバー脱進機搭載モデル「オリス スター」が誕生!
そして今回、オリス スターの誕生60周年を記念して登場したのが、「オリス スター エディション」。スイス時計の転換点となった時代と、独立を貫くオリスの精神を象徴するオリス スターへのオマージュとして生まれた特別な一本です。
歴史的なストーリーを物語るかのように、「オリス スター エディション」はバレル型ケースやプレキシ風防など、当日の意匠を受け継ぎつつも、現代的な技術や美的感を巧みに融合させた復刻モデルとなっています。
腕なじみのよい35mmのバレル型ケースは、当時のクラシカルな雰囲気を残しつつも、ヘアラインとミラー仕上げを使い分けることで、曲線的なケースのフォルムをより際立たせるエレガントな佇まいに。
縦方向にヘアライン加工が施されたモノクローム調のグレーダイヤルには、立体的なインデックスと針が輝き、3時位置にはオリジナルと同じデイト表示も配置。中央には「ORIS STAR」の刻印も入り、復刻モデルとしてのアイデンティティをしっかりと主張します。
さらに、丸みを帯びたプレキシ風防が生み出す、やわらかく温かみのある光の屈折が、ヴィンテージな雰囲気を演出。ねじ込み式のケースバックにはヴィンテージオリスシール刻印が施され、細部に至るまで当時へのオマージュが込められています。
ストラップには、クラシックな雰囲気にピッタリな厚みのあるブラックレザーを採用。細身のストラップがバレル型ケースのシェイプをより美しく引き立て、腕元に上品なバランスをもたらします。
ムーブメントには41時間のパワーリザーブを誇る自動巻きの“Oris Calibre 733”を搭載。5気圧防水も備えているため、ヴィンテージデザインでありながら、日常使いにも安心して取り入れられる実用性を持ち合わせています。
スイス時計の歴史的転換点を象徴するアーカイブへのオマージュとして生まれた「オリス スター エディション」。 その佇まいには、オリスが歩んできた自由への軌跡と、独立ブランドとしての揺るぎない精神が静かに息づいており、歴史を知るほど、この時計の価値は深まっていくはずです。
>> オリス
<文/GoodsPress Web>
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