アクションカメラといえばGoPro(ゴープロ)、というくらい、このブランドとジャンルは切っても切り離せない関係にあります。そのGoProがこれまでのHEROシリーズとはまったく異なる新ラインナップ「MISSION 1」シリーズを発売しました。
GoProの歴史は2002年、創業者ニック・ウッドマン氏が「サーフィン中にカッコよく自分の映像を撮りたい」という思いからスタート。2004年に第1弾カメラを発売して以来、HEROシリーズを軸に進化を重ね、スポーツやアウトドアの映像記録をガラリと変えてきました。いまやスカイダイビングからダイビング、自転車レースまで、あらゆるアクションシーンに欠かせないカメラブランドとして世界中に浸透しています。
今回発表したのは、同ブランド初となるプロフェッショナル向けのコンパクトシネマカメラ。HEROシリーズとは別軸の、明確にクリエイターやフィルムメーカーを意識した製品ラインナップですが、果たしてどう変わったのか。
■新シリーズで変わった“暗所でのパフォーマンス”とバッテリー持ち

今回展開されるのは「MISSION 1」(10万5400円)、「MISSION 1 PRO」(12万2600円)、「MISSION 1 PRO ILS」の3アイテム。
「MISSION 1」シリーズ最大のトピックは、新開発の50メガピクセル・1インチセンサーの採用です。簡単に言ってしまえば、これまで苦手としていた“暗がり”でもかなりきれいに撮れるようになったということ。これまでのGoPro製品に搭載されてきたセンサーと比べ、受光面積が大幅に拡大。センサー単体で14ストップのダイナミックレンジを実現し、暗所でのパフォーマンスはこれまでとは次元が異なります。
例えば曇りの山中のような状況下で撮影したときに思いの外ざらついた映像でガッカリした、なんて経験はアクションカメラあるあるですが、そういったシーンでも美しく撮影できるのはかなり嬉しい進化です。
センサーを制御する新プロセッサー“GP3”は5nmプロセスで設計され、AIニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を新たに内蔵。高解像度・高フレームレート撮影時でも発熱を抑えつつバッテリー持続時間も確保するという、GoProが"カテゴリーリーダー"と表現する性能を実現しています。
つまり、“8Kで撮り続けてもカメラが熱くなりすぎず、バッテリーも長持ちする”ということ。高性能なカメラほど熱やバッテリー消費の問題がついて回りますが、そこをチップレベルで解決してきたのが今回の大きなポイントです。
■「MISSION 1 PRO」のスペックがすごいことになっている
「MISSION 1」と「MISSION 1 PRO」共通して言えるのは、センサー・プロセッサー・画質面の恩恵はまったく同じという点。
GP-Log2を用いた10ビットカラー収録、HLG-HDR、複数台のカメラで時間軸を合わせるタイムコード同期も両モデルともに対応しています。ざっくり言うと“色の情報を豊かなまま記録して編集時に自在に調整できる”、“複数台同時撮影でも映像の時間軸が揃う”ということ。本格的な映像制作に必要な機能はどちらのモデルにもきちんと揃っています。
一方、両モデルの違いはひとことで言えば、“どこまでのフレームレートで撮れるか”と“8Kオープンゲートに対応しているかどうか”の2点です。
フラッグシップの「MISSION 1 PRO」(12万2600円)は8K60p / 4K240p / 1080p480pに対応し、さらに1080pで960fps(32倍スローモーション)のバースト撮影も可能です。凄すぎて逆にピンとこないかもしれませんが、スポーツのひとつひとつの瞬間をとんでもなく細かく記録できるようになります。
また、センサー全域を使う"オープンゲート"撮影は、「MISSION 1 PRO」のみ8K30pでの対応が可能です。簡単に言うと、センサーの端っこまで余すことなく使って4:3比率で映像を記録する撮影モードのこと。あとから縦にトリミングしてSNS用の縦型動画にしたり、横に切り出してシネスコープ比率の映画っぽい映像にしたり、編集の自由度が一気に広がります。
標準モデルの「MISSION 1」(10万5400円)は8K30p / 4K120p / 1080p240p対応で、オープンゲートは4K120pまでの対応となります。8K60pや960fpsバーストスローモーションは使えませんが、低照度性能や画質の恩恵はPROとまったく同等。より高いフレームレートや8Kオープンゲートを必要としないクリエイターにとっては、十分な選択肢となりそうです。
■レンズ交換式モデル「MISSION 1 PRO ILS」も秋に登場
秋頃の発売が予定されている「MISSION 1 PRO ILS」(12万2600円)は、マイクロフォーサーズ(MFT)マウントを採用したレンズ交換式モデルです。つまり、カメラのレンズをGoProで使えるということ。
マイクロフォーサーズはオリンパスやパナソニックが普及させたレンズ規格で、対応レンズの種類が豊富なのが特徴。「MISSION 1 PRO」と共通の1インチセンサーおよびGP3プロセッサーを搭載しながら、望遠やマクロなど、これまでのGoProでは不可能だったクリエイティブな撮影表現が広がります。
本体内蔵の"HyperSmooth"スタビライゼーションが単焦点レンズ装着時でも機能するため、GoProならではの強力な手ブレ補正とプロ用レンズの描写力を両立できるのも見どころです。
■防水性能やUI面でも着実な進化
「MISSION 1」および「MISSION 1 PRO」はハウジングなしで水深20mの防水性能を備えており、ダイビングや水中撮影でもそのまま使えます。専用のプロテクティブハウジングを装着すれば水深60mまで対応できるため、本格的な水中撮影にも十分に対応できます。
背面のOLEDディスプレイは従来のフラッグシップモデルより14%大型化され、グローブをしたままでも押しやすいよう、ボタンは高さと厚みのあるデザインに刷新されました。新設計レンズはネイティブで159度という超広角の視野角を実現しており、ダイナミックな映像が撮りやすくなっています。フレアを抑える取り外し可能なレンズフードも備えています。
音声面では4つのマイクによるステレオ録音に加え、32bit Float録音に対応。音が大きすぎて割れてしまう"音割れ"を防ぐ仕組みで、ライブや滝のそばといった音量が読めない環境でも、クリアな音声をそのまま記録できます。ワイヤレスでのオーディオ接続もサポートしています。
■アクション時だけじゃない。本気の画作りができて映像制作にぴったり
GoProといえば「アクション撮影のカメラ」というイメージが強いですが「MISSION 1」シリーズはそこから一歩踏み出して、映像表現そのものと向き合うクリエイター向けに作られた印象。
1インチセンサーによる豊かな階調と低照度性能を活かせば、夜のストリートや薄暗いライブ会場といったシビアな環境での撮影も、これまでとは見違えるような絵が得られるはず。8K収録によるトリミング耐性の高さは動画編集時の自由度を大きく高めますし、コンパクトなボディでどんな場所にも持ち込める。手のひらサイズにここまでの性能が詰まっているのは、映像制作に関わる人にとってはかなり興奮する話なのでは。
「MISSION 1 PRO」および「MISSION 1」は2026年5月28日より順次販売中。「MISSION 1 PRO ILS」(12万2600円)は2026年秋頃の発売予定となっています。
<文/山口健壱>
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/735250/
- Source:GoodsPress Web
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