取材であちこち歩き回る仕事柄、一日の終わりには足がぐったり。いい靴に買い替えればいいんでしょうけど、今のお気に入りを手放すのもなんだか惜しい。靴はこのままで、足だけラクにする方法ってないものでしょうか。
そんな矢先に、取材で知った1万円以下で作れるオーダーメイドインソール「フットクラフト」の存在。聞けばこの「フットクラフト」、足のアーチやアライメント(骨の並び)を計測して、自分の足に合わせて整えてくれるんだとか。たかが中敷きで足の辛さどころか足元の土台から変わるなんて、そんな馬鹿な!

というわけで今回は新宿のAlpen Tokyoで足を計測してもらい、その場で熱成形して作る「フットクラフト カスタム バランス」(9900円)を実際に作って買ってきました。「バランス」はその名のとおり、サポート力とクッション性をいいとこ取りしたスタンダードモデル。ランニングや球技にも対応する、いわば万能型だそうで、日常使いにもぴったりなんだとか。本当かよ。
まずは足の計測から。MyFootcraft(マイフットクラフト)という3D足形計測器に乗って、足の長さや幅、左右差、アーチの高さといった足の形を一気に計測。直立する、膝を軽く曲げる、つま先を持ち上げる、といった動きも含めて読み取るので、自分の足のクセをひと目でチェックできます。
私の場合、左足のプロネーション(足首が内側に倒れ込む動作)が強すぎるという結果に。過剰なプロネーションは身体の自然な動きに影響があるらしく、この結果を見て「何もないところで右足がつまづきやすくないですか?」とスタッフの方。ええ! まさにつまづきがちです。
「あと、靴の左足、小指の付け根部分のアウトソールだけすり減ってませんか?」…す、すり減ってる! どうやらこの左足のクセのせいで身体の他の場所がカバーしようとして、結果全身の動きが崩れてしまっている可能性があるんだそうな。ちなみに学生時代から左膝を痛めがちだったのですが、それも言い当てられました。怖!
その計測結果をもとに、自分の足に合うベースのインソールを選びます。今回は日常履きから軽い運動に使いたいので、前述の「カスタム バランス」というモデルセレクト。あとは専用の機械で熱を加えて柔らかくしたインソールに足を載せ、自分の足型に変形させていくのですが、ここがただ載せるだけじゃないんです。
足を載せる前にスタッフが足首の向きを整えてくれ、いざ成形というときにも足首をグッと支えて正しい位置に近づけた状態で形をとってくれる。“今の自分のクセ”をそのまま固めるのではなく、“あるべき位置”に寄せて作ってくれるわけです。熱でやわらかくなったインソールを足型に合わせていく工程はまさに“その場で作っている”感があって、お店で人の手にやってもらう価値だなと感じます。
ちなみにひとつ気をつけたいのが時間。私が行った店舗では“10~15分ほど”という案内も見かけましたが、実際は混み具合や、作る前の計測にしっかり時間をかけてもらったこともあって、もう少しかかりました。最低でも30分は余裕を見ておくと安心です。
肝心の履き心地ですが違和感がすごい。痛いとか合わないということではなく、“いつもの足の置き方と違う”という、とにかく普通じゃない感じ。普段意識することのない土踏まずを感じられるようになるのが違和感の正体かも。ちなみに、クッション性のあるインソールではないので注意。その代わり、かかと周りが硬めでスポッと収まりのいい感触。
聞けば、これを常用して1か月ほど履き続けると歩き方そのものに違いが出てくるそう。つまり今感じている違和感は、足が新しい位置に慣れていく途中の感覚ということになります。
新しい靴を一足買うより手軽に、今の愛用靴はそのままで足元から見直せる。少なくとも今のところ、なかなかいい買い物をした気がしています。1か月履いたら本当に歩き方まで変わるのか。そこは、しばらく自分の足で確かめてみようと思います。ちなみに今のところ2週間程履いていますが、プラシーボかも知れないけど快調です。
>> Alpen
<文/山口健壱>
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