6月25日に、Googleからスマートスピーカーの新製品「Google Home スピーカー」が発売されました。2020年10月に発売された「Google Nest Audio」から実に5年8か月ぶり。Googleの生成AI「Gemini for Home」を搭載し、Geminiに最適化して設計されていることが最大の特徴です。従来モデルよりも賢くなったのか? 新たに何ができるようになったのか? Googleから借りて、いち早く使ってみました。

■アシスタントの音声は10種類から選べる
電源を入れたら、まずは「Google Home」アプリで初期設定を行います。スマホはAndroidでもiPhoneでもOK。デバイスを登録し、スマホと同じWi-Fiネットワークに接続すれば、すぐに使える状態になります。
操作方法は従来と同じ。「OK Google」または「ねぇ、Google」と話しかけると起動し、「今日の天気は?」などと話しかけると音声で回答してくれます。その音声は10種類から選べるようになりました。自分にとって心地よい声で聴けるわけで、結構よい進化だと思います。
■アバウトな問いかけや言い直しにも答えてくれる
従来のGoogleアシスタントでは、なるべく簡潔明瞭な言葉で指令を話す必要がありました。例えば「今日の東京の天気は?」「タイマー10分」「◯◯の楽曲を再生して」といった感じ。一方、Gemini for Homeは、アバウトな言い方でも理解し、複数の指令もまとめて聞いてくれるように進化。さらに、ひとつの指示の後に別の指示を追加したり、言い直したりしても対応してくれます。
例えば、「これから横浜に行くんだけど、傘はいる?」って話すと、横浜の天気予報を知らせてくれた上で、「傘があると安心でしょう」などと助言してくれます。「今日の天気と、今日の予定を教えて」と話すと、自宅の住所の天気予報と、Googleカレンダーに登録した予定を続けて教えてくれます。回答後、しばらくは聞き取りモードが続くので、その間に「それから、鎌倉への行き方を教えて」などと、畳み掛けて質問することも可能。「鎌倉に…、いいや、北鎌倉への行き方を教えて」と聞いてみると、ちゃんと北鎌倉への行き方だけを知らせてくれました。
■Gemini Liveは手放せなくなりそう
もうひとつ大きな進化があります。「Gemini Live」への対応です。
Gemini Liveは、人がおしゃべりするような感覚で、スムーズな対話ができる機能。「OK Google 話そう」と話しかけると起動し、Google Home スピーカーは聞き取る状態が維持されます。
「暇だから何か話そうよ」と他愛のないことを話すこともできますが、筆者は、料理を美味しく作るコツ、犬をもう1匹飼うべきかどうか? そろそろ買い替えるべき電子レンジをどうするか? などを相談してみました。
ハンバーグを作っているときには、「美味しく作るコツは?」と聞いて、材料を冷やしてからこねることや、焼き時間の目安などを教えてもらいました。その流れから、ハンバーグの付け合わせにおすすめの副菜を聞き、いくつか提案されたものの中からトマトのマリネを選んで、レシピを教えてもらったりもしました。
犬を飼うことについての相談は、現在飼っているビーグルとの相性、多頭飼いを始めるにあたって注意すべきことから始まり、自宅から近くにある保護犬を世話している団体や、譲渡会などのイベントの予定も調べることができました。
以前話したことを覚えていて、「このあいだ話した電子レンジのことなんだけど」と会話を再開することも可能。ただし、これはうまくいかず、「〇〇についての “メモ” がありません」などと返答されることも。そこで、会話中に「電子レンジのメモを作って」「この話を保存しておいて」などと話してみました。すると、あとから話した内容を引き出しやすくなることに気づきました。 “メモ” だけでなく “リスト” も作成できるようなので、それも試してみようと思っています。
Gemini Liveはハンズフリーで何でも相談できるコンシェルジュのような存在。まだ数日使っただけですが、手放せなくなりそうな予感がします。
■2台をGoogle TV Streamerに連携させて、ミニホームシアターに
Google Home スピーカーは音質の向上も図られています。3つのスピーカーユニットを内蔵し、360度に広がるサウンドを実現。筆者は前モデルのGoogle Nest Audioを使っていないので比較はできませんが、新しいスピーカーは特に低音の迫力が強化され、部屋の環境に合わせて音質を自動調整する「アダプティブサウンド」機能も備えているとのこと。
2台あるとステレオスピーカーとして使えて、Google TV Streamerとペアリングすると「YouTube」や「Netflix」などを観るときに臨場感のあるサラウンドサウンドを楽しめます。自宅のリビングをホームシアター化できるわけです。筆者はGoogleから2台借りているので、Google TV Streamerとの連携も試してみました。
設定は、やはり「Google Home」アプリから。それぞれのデバイスを、同じWi-Fiネットワークに接続し、同じ部屋(リビングなど)に設定。ふたつのスピーカーは「音声」→「ステレオペア」を設定し、左右を指定。最後に、Google TV Streamerの「設定」→「音声出力」でGoogle Home スピーカーからの出力に切り替えたら完了。
筆者はこれまで「Netflix」を観るときは、テレビの内蔵スピーカーからの音声を聴いていましたが、Google Home スピーカーのステレオ音声に切り替えて、迫力が何倍にも増しました。Google Home スピーカーは1万6800円なので、2台で3万3600円。価格以上の満足度を得られること請け合いです。
音量はスピーカーをタップする、またはGoogle TV Streamerのリモコン、あるいは声で調整できます。スピーカーをタップする際、どちらが1台をタップするだけで2台両方の音量をコントロールできました。逆に言うと、左右どちらかの音声を上げたり、下げたりということはできないようです。ただし、「Google Home」アプリでは、音質を自分好みにカスタマイズしたり、左右バランスを変えたりすることもできます。
■既存のスマートディスプレイもGeminiに対応
筆者はこれまで、Google Pixel Tabletを付属の充電スピーカーホルダーにセットし、スマートディスプレイとして使っていました。ディスプレイがあると、再生中の楽曲がわかったり、時刻や天気を目でも確認できたりするのが便利です。Google Home スピーカーでは調べたことが音声でしか確認できないので、引き続き、Google Pixel Tabletも使う予定。
ちなみに、Google Pixel Tablet本体はGeminiに対応していますが、スマートディスプレイ化する「ハブモード」ではGeminiは起動せず、旧来のGoogleアシスタントだけが使えます。なお、Google Nest HubとGoogle Nest Hub Maxは、Gemini for Homeに対応しています。性能面ではGoogle Home スピーカーに劣る可能性がありますが、ディスプレイが不可欠であれば、それらの購入をおすすめします。
■使い方によってはサブスクへの加入が必要
Google Home スピーカーは無料で使えますが、より多くの機能を利用するには「Google Home Premium」というサブスクリプションに加入する必要があります。Gemini Liveを利用したり、スマートホームをより便利に使うには「Standard」(月額1000円または年額1万円)、カメラ(Green Nest Cam)やドアホン(Google Nest Doorbell)をより便利に使うには「Advanced」(月額2000円または年額2万円)への加入が必要です。
なお、GoogleのAIとクラウドストレージを利用できる「Google AI Pro」(月額2900円)に加入している場合、追加料金なしで「Standard」を利用可能。最上位の「Google AI Pro Ultra」(月額1万4500円〜)に加入している場合は、追加料金なしで「Advanced」を利用できます。
Google Home スピーカーを購入した場合、Google Home Premiumの「Standard」を6か月試用できるので、実際に使ってみてから、サブスクを継続するか否か、あるいはGoogle Oneのプランを「Google AI Pro」にアップグレードするかなどを検討するといいでしょう。
筆者はもともと「Google AI Pro」に加入していますが、最近になって、Google Pixel Watchをより便利に使える「Google Helath Premium」(月額1580円または年額1万3000円)が内包され、今回さらにGoogle Home Premiumも追加され、月額2900円という料金が安く感じられるようになってきました。
Google Home スピーカーは価格もお手頃で、買って損がないデバイスだと思います。特に「Google AI Pro」に加入している人にとっては、コスパに優れたスマートスピーカーとなるでしょう。
>> Google Store
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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