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軽いのにちゃんと撮れる。「LUMIX L10」を街に持ち出して分かったこと

コンデジ最大の利点は手軽に持ち出して、手軽に撮れること。そのうえでスマホで撮る場合との違いがあることが重要なのかもしれません。

では、標準ズームレンズを搭載した最新モデル「LUMIX DC-L10」(予想実勢価格:20万9880円/7月9日発売予定)を持ち歩き“写真を撮る”ことにどんな利点があるのでしょうか。フォトグラファーの田中利幸さんがレビューします。

監修・執筆:田中利幸(たなかとしゆき)|ファッション誌などでブツ撮りやポートレートを中心に活動するフォトグラファー。カメラ・ガジェット好きで自身で運営するブログ「Tanaka Blog」において、カメラやガジェットに関するちょっとマニアックなことを書いている。

 

 

【趣味カメラの世界 #38】

前回は、LUMIX L10を“持ち出したくなるカメラ”として見たときの魅力を中心に紹介しました。では実際に街へ持ち出して撮ってみると、どうだったのか。結論から言うと、日常のスナップカメラとして、かなりバランスの取れた一台だと感じました。

 

■軽くてコンパクトだからこそ、撮りたい瞬間にちゃんと手元にある

コンパクトカメラに求めるのは、やはり気軽に持ち歩けること。いくら写りが良くても、大きかったり重かったりして持ち出すのが億劫になると、結局使う機会は減ってしまいます。日常のスナップで大切なのは、性能以上にまず「持ち出せるかどうか」だと思います。

LUMIX L10は、ポケットに入れて歩けるほど小さいわけではありませんが、コンパクトなボディと軽さ(約500g)のおかげで、普段のバッグに無理なく入れておけるサイズに収まっています。ペットボトル一本分くらいの感覚で持ち運べる重さなので、毎日カバンに入れておくことが苦になりません。

街を歩きながら使ってみると、この軽快さは想像以上でした。構えたいと思ったときにすっと取り出せて、そのまま自然に撮影へ入れる。LUMIX L10は、どこか特別な場所に持っていくカメラというよりも、むしろいつもの街並みや日常の断片を軽やかに切り取るためのカメラとして、かなりしっくりきます。

 

■起動もAFも現代的。ただし、AFは過信しすぎないくらいがちょうどいい

こうした日常使いのカメラでは、起動やレスポンスの速さも重要です。LUMIX L10は、その点でもきちんと現代的でした。電源を入れてから撮影に入るまでやメニュー操作のレスポンスが大きなストレスになることはなく、最近のカメラらしい使い心地です。

▲LUMIX L10、39mm(35mm換算)、シャッタースピード1/400秒、F2.5、ISO100

AFについても、人物撮影では思っていた以上にしっかり被写体を追ってくれます。歩きながら振り返えってもらいましたが、しっかりと人物を認識して、ピントを合わせてくれました。最新のハイエンドミラーレス機のような絶対的な安心感とまでは言えませんし、少し速い動きや暗い場面では、迷ったりピントを外したりもチラホラ。AF性能だけを最優先にして選ぶカメラではないとも思います。

ただ、日常のスナップや軽いポートレートという使い方で不満を感じる場面はほとんどなさそうです。過信しすぎず、このカメラの性格を理解して使えば、しっかり撮影できるAF性能だと感じました。

 

■ズームの守備範囲が広く、日常のほとんどを無理なく撮れる高性能なレンズ

個人的に使いやすいと感じたのは、やはり標準域をカバーしたズームレンジです。広角から中望遠寄りまで、いわゆる標準ズームとして扱いやすい範囲をカバーしているので、街を歩きながらのスナップで困る場面はほとんどありませんでした。

▲LUMIX L10、33mm(35mm換算)、シャッタースピード1/250秒、F2.2、ISO2500

▲LUMIX L10、24mm(35mm換算)、シャッタースピード1/1600秒、F3.2、ISO400

狭い店内で向かい合った人もそのまま撮れたり、広角でパースを活かした個性的な構図にしてみたり。

▲LUMIX L10、75mm(35mm換算)、シャッタースピード1/800秒、F5.0、ISO125

▲LUMIX L10、75mm(35mm換算)、シャッタースピード1/2000秒、F2.8、ISO1000

建物や空を入れた少し引きのカットも、望遠側で撮ることで背景を整理し、グラフィカルな構図に。

望遠側は開放F値が2.8とズームレンズとしてはしっかり明るく、ボケを活かした撮影もしっかりできます。

パワーズームなのでズーミング操作を軍艦部のレバーで行います。レンズのズームリング操作ほどにはパッと変更できないので、スチールメインだと少し使いにくさを感じる場面もありました。

ただ、それ以上にこのレンズ一本でかなり幅広いシーンをカバーしてくれる汎用性の高さが、日常を切り取るスナップ撮影にピッタリだと感じました。

レンズが伸びる見た目は、第1回でも触れたように好みが分かれるところですが、実際に撮影していると、このレンズの守備範囲の広さにはかなり助けられました。見た目の好みより、撮れるシーンの多さが勝つ場面は多いと思います。

 

■近接撮影も強いから、花も食事も“つい撮りたくなる”

LUMIX L10はワイド端で最大3cmまで近寄れるスペックで、近接撮影にもしっかり対応してくれます。マクロモードはレンズ鏡筒のレバーで変更できるので、操作性も良好です。

▲LUMIX L10、24mm(35mm換算)、シャッタースピード1/1000秒、F1.7、ISO250

▲LUMIX L10、47mm(35mm換算)、シャッタースピード1/250秒、F2.7、ISO320

日常の中で「ちょっと撮っておこう」と思う被写体は、意外とこうした近い距離のものが多い気がします。たとえばランチの一皿や、テーブルの上のものなど、スマホで済ませてしまいがちな場面でも、L10を取り出したくなります。そこにはやはり、4/3型センサーと明るめのレンズが生み出す“ちゃんとカメラらしい描写”があるからだと思います。

 

■LUMIX L10は、日常を軽やかに切り取るためのカメラだった

LUMIX L10は、ハイエンド機のような圧倒的なAF性能や、ポケットカメラのような極端な小ささを持っているわけではありません。けれど、日常の中で無理なく持ち歩けて、撮りたいと思った瞬間にきちんと応えてくれるバランスの良さがあります。

▲LUMIX L10、75mm(35mm換算)、シャッタースピード1/250秒、F2.8、ISO100

軽いこと、起動やレスポンスが軽快であること、標準ズームの守備範囲が広いこと、そして近接撮影でも使いやすいこと。こうした要素が積み重なったLUMIX L10は、日常のスナップカメラとしてかなり完成度の高い一台だと感じました。大げさなカメラ感がなく、それでいてスマホとはひと味違う写りが得られる。この“ちょうどよさ”こそが、このカメラの本質なのかもしれません。

次回は、LUMIXらしい色の楽しさやリアルタイムLUT、アプリ連携まで含めて、LUMIX L10がいまどきの趣味カメラとしてどこまで現代的に楽しめるのかを見ていきます。

>> パナソニック「LUMIX DC-L10」

>> 趣味カメラの世界

<取材・文・写真/田中利幸 モデル/田淵瑚都(@tako_ism)、深井モエカ(@shinnimoeka)>

 

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