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Appleと中国主要サプライヤーの関係に転機か〜BOEとLuxshareの現状

中国を代表するディスプレイサプライヤーであるBOEについて、iPhone向け有機EL(OLED)ディスプレイの供給数減少が報じられています。

影響力を拡大し続けているとみられていたLuxshareについても、Appleとの関係を見直しつつあることが、海外メディアの報道から明らかになっています。

Appleのサプライチェーンにおいて存在感を高めてきた中国サプライヤーの立ち位置に、変化が生じているのかもしれません。

中国サプライヤーに変化か

iPhone向けOLEDディスプレイでは、韓国のSamsung DisplayとLG Displayの影響力を抑えるため、Appleが中国BOEを戦略的に育成していると考えられてきました。

BOEは、Samsung DisplayやLG Displayよりも低い供給価格を提示することで、Appleにとって価格交渉力を高める役割を担っていたとみられます。

Luxshareも同様に、既存サプライヤーの工場を買収するなどして、Apple製品の受託製造額を拡大してきました。

しかし、BOEとLuxshareのいずれについても、Appleとの取引拡大を前提とした従来の成長シナリオに見直しの動きが出ているようです。

BOEは受注拡大に苦戦との報道相次ぐ

BOEは一時、数年以内にiPhone向けOLEDディスプレイの供給数でLG Displayを上回ると期待されていました。

しかし、iPhone13向けOLEDディスプレイで仕様を無断変更していたことが明らかになって以降、品質面での課題がたびたび指摘されています。

そのたびに受注数が減少しているとみられ、Appleとの取引拡大は想定通りには進んでいないようです。

iPhone16eで最多数供給もiPhone17eで供給数減

BOEはiPhone16e向けOLEDディスプレイでは価格競争力を発揮し、同モデル向けパネルの最大サプライヤーになっていたとみられます。

しかし、iPhone17eではBOEの供給数が大幅に減少し、Samsung Displayが最大サプライヤーの地位を奪ったと報じられています。

次期モデルであるiPhone18eは、Dynamic Islandを採用すると噂されています。これが事実であれば、OLEDパネルには現行モデル以上に高度な開口部加工や品質管理が求められます。

BOEがiPhone18eで受注数を再び増やすには、品質面でAppleの要求を安定して満たす必要があります。現時点では、そのハードルは低くありません。

iPad mini向けOLEDは断念の可能性

BOEについては一時、第8.6世代OLEDディスプレイの量産を早期に開始し、iPad miniやiPad Air向けOLEDの受注を目指すとの見方もありました。対象になるとみられていたのは、発光層が1層のフレキシブルOLEDです。

BOEが第8.6世代OLED製造ライン建設の起工式に、Appleが評価しているとされる蒸着装置メーカーであるキヤノントッキの関係者を招待したとの報道もありました。これは、Apple向けパネル受注を意識した動きだった可能性があります。

その後、実際にはキヤノントッキ製の蒸着装置が導入されないまま、第8.6世代OLED製造ラインが稼働開始したとされています。

この経緯を踏まえると、少なくとも当面の間、BOEがiPad miniやiPad Air向けOLEDを受注する可能性は低下したとみられます。

AppleとSamsung Displayとの関係強化の動き

BOEの存在感が伸び悩む一方で、Samsung Displayとの関係はむしろ強まっているようです。

AppleはSamsung Displayへの依存度を下げたいと考えているとされてきましたが、実際には新規OLED採用製品で同社の役割が拡大する見通しです。

新型iPad mini、折りたたみiPhone、MacBook Pro向けOLEDは、Samsung Displayが独占供給すると噂されています。

これらはいずれもAppleにとって重要度の高い新製品であり、品質や量産安定性を優先する場合、Samsung Displayに頼らざるを得ない状況が続きそうです。

Luxshareも方針転換の可能性

Apple製品の受託製造では、Luxshareが将来的にFoxconnに迫る規模まで取引額を拡大するのではないかと噂されていました。

Luxshareは、Compalの工場を買収してiPhoneの製造を開始、MacBook Airを製造していたWingtech Technologyの工場などを買収し、Apple向け製造能力を高めてきました。

こうした動きから、同社はAppleの受託製造において、Foxconnに次ぐ主要サプライヤーとしてさらに存在感を増すとみられていました。

しかし、最近の報道では、LuxshareがApple向け製造への追加投資を抑え、新規分野に資金を振り向ける動きが伝えられています。

IPO資金はAI分野へ

Luxshareは香港証券取引所で新規株式公開、IPOを近日中に行う見通しです。

報道によれば、IPOで調達する資金はApple製品の製造能力拡大ではなく、AI関連製品などの新規分野に投資される見込みです。

Apple製品の製造を現在も継続しているものの、今後の新規投資は必要最小限にとどめる可能性があります。

これは、Apple依存の成長戦略から、事業領域を分散する方向へ軸足を移す動きとも受け取れます。

既存工場は維持か

Luxshareはこれまで、Appleとの取引拡大を見据えて複数の工場を買収してきました。そのため、既存のApple向け製造拠点を直ちに縮小するというよりも、現有設備を活用しながら追加投資を抑える方向に進むとみられます。

Appleにとっては、Foxconn、Pegatron、Luxshareなど複数の組み立てサプライヤーを維持することが、供給リスクの分散につながります。

LuxshareがApple向け投資に慎重になる場合、Appleは他のサプライヤーとの役割分担を見直す必要が出てくるかもしれません。

中国勢とAppleとの取引額拡大に陰り?

BOEとLuxshareはいずれも、Appleのサプライチェーンにおいて中国勢の存在感拡大を象徴する企業でした。

BOEはOLEDディスプレイでSamsung DisplayとLG Displayに対抗し、Luxshareは受託製造でFoxconnに迫る存在になると期待されていました。

しかし、BOEは品質面と受注数の問題に直面し、LuxshareはApple向け追加投資よりもAI関連など新規分野を重視する姿勢を見せています。

Photo: Apple Hub/Facebook

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