夏場、リュックを背負って通勤していると会社に着くころには背中がもう汗でびっしょり。このどうにもならない“背中の蒸れ”、リュック派のビジネスパーソンなら一度は絶望したことがあるのではないでしょうか。
かく言う私も毎年この時期は背中との戦いです。しかも厄介なことに、愛用しているMatador(マタドール)のパッカブルバックパックは背面パッドのないタイプで、薄い生地が背中にぴたっと張り付く。つまり構造からして汗をかいてくださいと言わんばかりの作りなんです。
どうにか背中とバッグを引き剥がせないものか。そう思って探し当てたのが、MILESTO(ミレスト)の「UTILITY(ユーティリティ) メッシュ ファン パネル M」(3300円)でした。リュックの背面側にバックルで取り付けて背中のあいだにメッシュの“壁”を一枚作る、というシンプルなアイテム。今回買ったのはMサイズですが、大きめのバッグ向けにLサイズ(3520円)も用意されています。

仕組みは見た目のとおり潔い。リュックの背面に沿わせるようにパネルを固定すると、メッシュのぶんだけ背中とリュックのあいだに空間が生まれます。中央には調整テープが通っていて、これを締めたり緩めたりするとパネルの反り具合が変わる。自分の体型や使うリュック、その日の荷物の量に合わせて、空間の作り方を微調整できるわけです。
肝心の効果ですが、実際に付けて背負ってみると確かに背中とバッグのあいだに空間を感じる。特に風の強い日なんかは背中を風がスーっと抜けていく感覚まであります。もちろん、まったく汗をかかなくなるわけではありません。メッシュ越しとはいえ背中に触れてはいるので。
ただ、汗のかき方が明らかに違うんです。付ける前は背中に触れている面がまるごと汗だくになっていたのが、付けてからは“自然に汗ばむ”程度で済む。一面びっしょり、という最悪の事態にはならなくなりました。
たった一枚のメッシュでここまで変わるとは。正直あなどっていました。そして困ったことに、この快適さを一度知ってしまうと、もう付けていなかった頃には戻れなくなってしまう。恐ろしい子…!
気になる点もあります。まずは背負い心地。パネルを一枚挟むぶん、リュックの角度がわずかに変わるからか、肩まわりのフィット感が本来のものとは少し違ってきます。具体的には背負ったときにほんのり窮屈で、肩にかかる荷物の重さをいつもより感じるような感覚。とはいえ、一日じゅう背負いっぱなしにするわけでもないので、私はまあ許容範囲かな、というところ。ミレストのリュックに合わせたらどうなるんでしょうか。
もうひとつ気になっていたのが、名前に入っている“ファン”機能。このパネル、ハンディファンを取り付けられる構造になっているんです。背中を風で冷やしながら通勤、なんて絵を思い浮かべるとなかなかユニークですよね。ただ、一緒に購入したミレストのハンディファンを合わせてみたのですが、正直、風の存在をほとんど感じられず…。使い方が悪いんでしょうか。
おそらく、パネルとリュックのあいだの空間が、ファンがしっかり吸気できるほどには広くないのが原因かなと。使うリュックによっては変わりそうな気もするので、そこは新しいバッグを手に入れたときにまた試してみたいところです。
※実際の様子は動画で。
最後に、取り付け方でひとつコツを。このパネルは上部のバックルをショルダーベルトに回して留める仕様で、ベルトの太さに合わせられるようになっています。ただ、高さのないリュックだと、下ろして置いたときにパネルがずるっと落ちてきてしまうことがある。私のMatadorはまさにこれで、油断するといつもパネルがずれています。対策は簡単でトップにハンドルが付いたリュックなら、トップハンドルにもバックルを通しておくこと。これだけでずれなくなってぐっと快適になりました。
と、こうして並べてみると気になる点もそれなりにあるのですが、それでも私はもう、夏の通勤ではこれを手放せなくなってしまいました。私の場合、背中がびっしょりになるあの不快感がかなり減るメリットのほうがずっと大きい。リュック通勤で夏の背中に毎年うんざりしている人。もしいるなら、一度チェックしてみては。
>> MILESTO
<文/山口健壱>
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