「あれ? こんなニューバランスあったんだ」。それが最初に思ったことでした。と、言うのもデザインが良い意味でまったくニューバランスらしくないからです。長年、スニーカーを追っていると大体の系譜みたいなものがぼんやりと見えてくるのですが、今のタイミングでこの「1000」が発売されるというのが意外でした。
それは言うなれば既視感。そう、怒られるのを覚悟してはっきり言ってしまうとまるでナイキ「エアマックス 97」を彷彿とさせる流線型のデザインです。割とニューバランスとナイキは対極的なイメージが強かっただけに驚き、「このイケてるニューバランス、知りたい」とじっくりと見てみたくなり、購入せざるを得なかったのです。

ほかのアイテムと同じく、スニーカーにももちろんトレンドがあります。そしてそのトレンドに乗るように、各メーカーがこぞってそのエッセンスを盛り込んだ1足を市場に投入しているわけですが、特に「エアマックス 97」のような(少し昔の)ハイテクランシュータイプが今のトレンドのど真ん中というわけではありません。それが逆に面白いなと感じたのです。
元々は1999年に登場した「M1000」。トレーニングモデルを復刻させたクラシックモデルとして販売されていたのですが、それがモノトーンの新色として今回お目見えしたわけですが、ますます謎です(2024年に「1000」自体は発売されていましたが、最近になってなぜオールブラックの新色? という)。今のスニーカーのトレンドって大きく見るとトレランや最先端の技術を積んだランシュー、あるいはレザーシューズがベースのモノだったり厚底だったりがメインとなっているのに、どうしてでしょうか? “旧ハイテクタイプ”とも言うべき1足…。そのデザインやディテールなどを改めて見ていきましょう。
まずはデザインの9割方を占めると言っても過言ではないアッパー部分。先述した通り流線型で非常にスタイリッシュです。そのなかにぼんやりとレトロハイテク然とした空気が感じられます。
シューレース部分の構造も同様です。それがやっぱりニューバランスのほかの系譜とはまったく異なっています。ニューバランスと言えば「990」や「996」のようなレトランタイプか、あるいはテッキーであっても「2002」とか近未来的な感じじゃないですか(もちろんほかにもたくさんのモデルがありますが)。ニューバランスって良くも悪くもニューバランスの範囲内だったと言うか、ひとつのジャンルっぽい見え方だったんですよね。
■個人的にはニューバランスにおいて革新的な1足だと思う
それがこの「1000」を見ると、今までのニューバランスの印象を一変させるくらい凄いことが起きていると思ったんです。最近は確かにローファースニーカーが出たりと外的トレンド要素も入ってきてはいましたが、あくまで“よそはよそ、うちはうち”的なスタンスだったのに。つまり、ニューバランスのシューズって“◯◯(他ブランド)っぽい”ってあんまりなかったと言うか。だから驚きはしたものの、良いモノは取り入れるというようなスタンスが見えて、こんな世界的に人気でネームバリューもあるブランドなのに進化しようとしている、と嬉しくも感じました。
この異素材ミックス感もあんまりニューバランスっぽくありませんし。もちろん、今までいろいろな素材を組み合わせたシューズはたくさん同ブランドからも登場はしています。でも、もう少し“ニューバランスっぽい”組み合わせでしたし、レトロフューチャー(レトロハイテク)×スタイリッシュみたいな雰囲気のスニーカーって正直あんまりなかったように思います。
ただ、ちゃんとニューバランスっぽさが感じられるところはあります。それが機能性です。例えば、かかと部に搭載されたFull ABZORB heelは衝撃吸収性・反発弾性が良くクッショニングは抜群ですし、TPU素材でアーチ部を補強したStability webは安定感を向上させています。高い歩行性、足運びしやすさはしっかりと担保していて、デザインだけでは終わらないところはまさしく“ニューバランス”だなと。
かかと側の履き口もクッションで補強されていますし、足馴染みが良く本当に歩いていて快適。いろいろなシューズを履いてきた人たちが結局ニューバランスにまた戻っていく傾向にあるのも、ニューバランスの靴を履くとわかります。しかも長く履けば履くほど、日々歩いているときのストレスの少なさに気付くはず。さすがは“スニーカー界のロールス・ロイス”と言われる「M1300」を生み出したブランドです。
個人的にはニューバランスのメインストリームから外れていると思っている「1000」。外れていると言うよりも、新しい支流ができたと言うか今後根付いていく段階なのかもしれません。もちろんスニーカーにもっと詳しい人たちはたくさんいますし、その人たちからしたら何を言っているんだと思われるかもしれませんが、それでも、その“ブランドらしさ”だけに固執するだけではなく、良いモノをどんどんと取り入れて消化し、自身のモノにしていくブランドのほうが素敵に見えます。それはつまり常に進化を求めているわけですし。とにかく、今回紹介してきた「1000」の新色は本当にツボですし、見た目も機能も良い…チェックしておいて間違いない、そう思います。
>> ニューバランス
<取材・文/手柴太一(GoodsPress Web)>
【関連記事】
◆最先端の雪駄!? 伝統的な履き物が新しい解釈で生まれ変わった“和”のフットウエア「SETTA C/6」とは
◆2026最新版“ハイスペ”サンダル&スニーカー44足
◆鼻緒系サンダルには効果絶大。履いて分かった「サンダルソックス」の効果
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/741752/
- Source:GoodsPress Web
- Author:GoodsPress Web