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【小宮山雄飛の蕎麦呑み名店】辿りつくのに一苦労!? 予約困難な『ら すとらあだ』を体験

蕎麦が好き、お酒が好き! 小宮山雄飛さんがおすすめのお蕎麦屋で蕎麦呑みの魅力を伝える連載Vol.20。今回は普通の民家にしか見えないけど、知る人ぞ知る『ら すとらあだ』(中野坂上)を訪問しました。

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『ら すとらあだ』に辿りつくのは大変だ。

中野坂上駅から歩いて数分の住宅街。

看板なし、暖簾なし、どう見ても普通の民家。

 

▲目印は小さな電灯とこの扉

恐る恐る玄関の扉を開けてからも、靴を脱いで上がる、やっぱりごく普通の民家。

「ほんとにこのお店(というか家)で大丈夫かな!?」と心配になるだろうけど、こここそが、多くの蕎麦好きが通う、予約困難の有名店『ら すとらあだ』なのだ。

 

▲カウンター席近くには様々な作家もののぐい呑みやそば猪口が陳列している

 

◾️お任せコースのみ。癒しと驚きの料理と蕎麦をひたすら楽しむ

▲料理の前に薄削の出汁で胃腸をあたためる

メニューもなく、お任せコース(14,000円〜)のみ。
(今回は取材なので、その中から抜粋でお料理と蕎麦をいただきました)

一品目に出てきたのは、可愛らしい器に入った、薄く削った鰹節でとった汁。

塩も足さずに、まずはお店の味の基本である鰹節の味を味わう。

これがじんわりと美味しく、言うならば蕎麦前の前。

これから出てくる料理の前に、まずは味覚と胃を目覚めさせてくれる一杯。

 

▲季節限定酒「仙禽 線香花火」半合600円、1合1,000円

▲薄削の出汁で炊いた季節の野菜。コースでは小皿料理が10種ほど提供される

お野菜の煮物は、カリフラワーやごぼう、アスパラガス、カブ、ニンジン。一つひとつが細かく切られていて、ゆっくり、ゆったりと素材と出汁の味を味わうのに最適。

野菜の色の組み合わせにもセンスを感じます。

お酒はかなりの種類を取り揃えていて、ご主人がしっかり吟味しているので、何を頼むかは相談しちゃうのが一番。

この日はラベルの綺麗さに一目惚れしてしまった「仙禽 線香花火」を注文。片口もお猪口も種類豊富な中から選べて、酒好きにはたまりません。

フルーティーでキレのある味わいで、繊細な料理にも合いそう。

 

▲お猪口も好きなのを選ぶと愛着が増しますね

▲自家製XO醬と牛テールの煮込み、奥がそばがき

そばがきと一緒に出てきたのは、自家製XO醬と牛テールの煮込み。

煮込みは、かの有名な滋賀県の精肉店「サカエヤ」の牛テールを半日煮込んでほぐし、ゼラチンで固めたもの。

これだけでもお酒のアテとして最高ですが、なんとこれを作りたての「そばがき」に付けて食べるというんだから、美味しくないはずがない。

 

▲そばがきを一口。「これは旨い!」とほくそ笑む小宮山さん

長崎県五島市の蕎麦を使ったそばがき、ふんわりとろっとした食感と蕎麦の香りで、そのままでも十分美味しいのですが、先ほどのXO醬と牛テールをそれぞれ添えて食べると、本当に今まで食べたことのない味わい。

そばがきひとつとっても、まだまだ新たな食べ方があるんだと感動です。

 

◾️北海道から沖縄まで。石臼で手挽きした6種類の蕎麦がユニーク!

 

▲まるで友人宅に招かれたように、食器棚からそば猪口を選ぶ楽しみ

ここからはいよいよお蕎麦。

ちなみに日々6種類ほど出るお蕎麦は、すべて店主が石臼で手挽きして、打ち分けているんだと。

 

▲蕎麦はそれぞれおよそ25gずつ(合計150g、大盛り200g)。こちらは北海道せたな町の蕎麦

▲一種類ずつ、そばをゆがいて出してくれる日比谷吉弘さん

蕎麦好きならば、手挽きの大変さも、毎日6種類を打ち分ける大変さもお分かりいただけるでしょう。

ご主人の並々ならぬ蕎麦への探究心が窺われます。

 

▲最初は冷たい蕎麦。あとは常温で提供される

瑞々しくて、フレッシュな味わい。

細めながらしっかりした喉越しで、鰹出汁のつゆとの相性もばっちりです。

 

▲沖縄宮古島の蕎麦。サトウキビの甘さが入り込んだような味

▲つゆにオリジナルのスパイスブレンドを入れて味変を楽しむ。これもまたスパイシーで旨い!

二杯目は、うって変わって、ごりっと田舎蕎麦風の太めの麺。

珍しい沖縄宮古島産の蕎麦粉。

噛むと蕎麦の香りしっかりして、これまた美味しい。

単に太めで固いのではなく、太いけどするっと歯が入っていく絶妙な口当たりがさすがです。

 

さらに滋賀県産の蕎麦粉に小麦粉を加えた外二(蕎麦粉十割に対して小麦粉二割を加える)の平打ち麺。

小麦粉が入っていることと、独特の幅広さで、パスタのフェトチーネのようでもあり、これまた蕎麦の可能性の広さを感じさせてくれます。

 

四杯目は京都・美山産の蕎麦粉を使い、一杯目の蕎麦よりも石臼を早く回して、粗挽きにしたもの。

蕎麦の実の粒々感や甘皮の風味がしっかり残っていて、これまた蕎麦好きには堪らない一杯です。

五杯目は、そばがきと同じ長崎・五島産の蕎麦を使い、かなりの幅広麺に。

加水率高めで打たれている麺は、その見た目のインパクトとは裏腹に、トゥルっとしたしなやかな口当たりで、口の中をくすぐるような官能的な食感です。

◾️締めは温かな牛もつそば

▲最後は温かな牛もつそば

そして締めの六杯目はやはり大胆な一杯。

牛もつを使った温かい汁に、今日出たお蕎麦がランダムに入っています!

「牛もつ」とか「ランダム」とか、普段お蕎麦屋さんで聞かないワードですが(笑)、汁を一口飲んでみると、これが驚くほど上品な味。

薄削りの鰹節と白醤油のかえしを使っているそうで、そこに牛もつの甘みと香りが加わって、めちゃくちゃ美味しい。

ランダムに麺を入れるという発想も自由で最高。

食材として、そして料理としての蕎麦の可能性を無限に感じさせてくれる、蕎麦好きなら一度は行って欲しい名店でした。

 

▲ぷりっぷりの牛もつが至福

 

<写真/橋本真美>

 

ら すとらあだ
住所:東京都中野区本町2丁目41−2
アクセス:丸の内線線中野坂上駅3番出口から徒歩3分
TEL:03-6276-8364
営業時間:水〜金19:00〜、土12:00〜スタート
定休日:月・日曜
>>@lastrada20120525
※営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

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