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新世代のプレミアムミニバンのあるべき姿!?新型「エルグランド」は長時間でも疲れにくい乗り心地を実現

日産自動車が第4世代にあたる新型「エルグランド」を2026年7月に発売しました。乗った印象は“走りの日産”という言葉を思い出させるもの。人気のアルファード/ヴェルファイアにどこまで斬り込んでいけるかが見ものです。

「長時間でも疲れにくく、酔いにくい乗り心地を実現」とうたわれる新型エルグランド。長い距離の移動をいかに快適にするかがテーマだった、と日産の開発者は語ってくれました。

シートだけに注目しても、見るべき点は多くあります。乗員の姿勢保持に注力した「ゼログラビティシート」や、後ろの列の着座位置を高めにするシアターレイアウトといった具合。

▲上級グレードの「G 4ORCE」には14.3インチの2画面スクリーンがそなわる

2列目シートには、脚を休ませられるオットマンも備えているし、エルグランドが先鞭をつけた2列め重視のVIPも、ちゃんとラインナップに用意。プレミアムクラスのミニバンの面目躍如という感じです。

▲デュアルリクライニングオットマンと名づけられた2列めシートも乗員の体圧分布や頭を効果的に支えるやわかないヘッドレストレイント(ヘッドレスト)などをそなえる

エルグランドは、第1世代が1997年に登場。当時「最高級新世代1BOX(ワンボックス)」として喧伝されました。

日産は90年代初頭からミニバン(当時はカテゴリー名が定まっていません)に注目していて、「セレナ」「バネットラルゴ」「ラルゴ」など、大小サイズのモデルを送り出していました。

初代エルグランドは、それまでの集大成というべきでしょう。フルフラットの床面、大排気量エンジン、電子制御ダンパー、4WDシステムなど、さまざまな技術を積み込みました。

おかげで、エルグランドは好調なセールスを記録。ここにセダンに代わる鉱脈があることを、いち早く気づかせてくれたのでした。

今回の第4世代が、従来と大きく違っている点、それはなにかというと、ドライブトレインです。エンジンはバッテリーの給電のためだけに使うハイブリッドシステム「e-POWER」にスイッチです。

加えて、トルクを制御しやすいモーターによる4輪の駆動コントロール「e-4ORCE(イーフォース)」と、電動制御ダンパーを使った「インテリジェント・ダイナミックサスペンション」も標準装備。

新世代のプレミアムミニバンのあるべき姿を追求したらこれしかない、ってことでしょうか。

■キャラクターが、がらりとが変わる乗り味

実際に、感心したのは、乗り味です。コンフォートからスポーツまで、ドライブモードによって、がらりとキャラクターが変わるのにも感心。使用状況に応じて選べるのは、乗る人にとってうれしいはず。

後席重視のモードは「コンフォート」。開発者によると、このモードを真っ先に確定して、そこから「スタンダード」と「スポーツ」を味付けしていったのだそう。

高速を走ると、まさにコンフォート。車体のシェイクは抑えられ、感じるのは、ゆるやかな上下動のみです。

▲ピッチングをなめらかに制御するとうたわれるスムーズストップ機構により停止時の”カックンブレーキ”もない

もう少しステアリングフィールが重めのほうが好み、という人にはスタンダードモード。さらにしっかり走りたい、というならスポーツモードがおすすめです。

もうひとつ、感心したのは、取り回し性の良さ。5m近い全長ですが、車体の小回りがきき、ステアリングホイールも正確なので、すいすいという感じで動かせます。

聞くところによると、開発過程では、コイン駐車場などでの取り回し性を徹底的に検証したのだそうです。新型はドライバーの視点を従来より76mm高くして視界の良さを確保したそうで、近くも遠くも、よりよく見えるようになったんですね。

ボディのデザイン性の高さも魅力です。フロントマスクは四角形を連続させたマトリックスを活かしたもので、一部がシグネチャーランプになっています。オーテックなどの車両はここのデザインを変えています。

もうひとつ、ボディの特徴は、面をばっさり切り落としたようなデザイン処理が各所に観られるところです。日産では「どのビュー(真正面、真横、俯瞰)から見てもシャープなシルエットと踏ん張り感のあるスタンスの良さ」と謳います。

上質感のあるデザインです。インテリアも同様で、2色の色づかいや、質感のあるダッシュボードの表面処理など、デザインが好きなひとに強くアピールしそうではありませんか。

運転支援システムも、最新です。日産が開発を続けている「プロパイロット」は標準装備で、オプションでより高機能な仕様も用意されています。

とりわけ、ナビリンク機能、渋滞時ハンズオフモード、車線変更支援機能付の最新仕様では、カーブ手前の車速コントロールや、ウインカーレバー操作によって車両がステアリングホイール操作をサポートしてレーンチェンジができる機能や、高速での渋滞時のハンズオフ走行など、多様な機能が盛り込まれています。

実際、上記の車線変更支援機能も便利でした。移りたい車線のほうへウインカーレバーを操作すると、前後の車両の状況をウォッチしていた車載コンピューターが作動します。

よきタイミングを見計らって、クルマはすーっと車線変更してくれます。ドライバーは軽くステアリングホイールに手を添えているだけでOKです。

新型エルグランドは、基本的に2グレード。価格は「X e-4ORCE」が689万7000円、先進的装備が増える「G e-4ORCE」が757万9000円。

さらに、リクライニング機構をもつ2列目シートをそなえた特別仕様「VIP e-4ORCE」は869万8800円、「オーテックe-4ORCE」は824万7800円です。

【Specifications】
Nissan ElGrand G e-4ORCE
全長×全幅×全高:4995×1895×1975mm
ホイールベース:3000mm
車重:2430kg
パワートレイン:1498cc 4気筒ハイブリッド
駆動:全輪駆動
最高出力:103kW+前後モーター(151kW+100kW)
最大トルク:228Nm+前後モーター(330Nm+195Nm)
乗車定員:7名
燃費:16.8km@l(WLTC)
価格:757万9000円

<写真と文/小川フミオ>

オガワ・フミオ|自動車雑誌、グルメ誌、ライフスタイル誌の編集長を歴任。現在フリーランスのジャーナリストとして、自動車を中心にさまざまな分野の事柄について、幅広いメディアで執筆中

 

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