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基礎から学ぶ「生成AI活用メソッド」【デジタル&AIギア 完全ガイド】

チャット型AIは誰でも簡単に扱える。しかし、効率よく扱うには、“ちょっとしたコツ”の積み重ねが欠かせない。ここでは最初の1歩を、2歩目に進めるための基本的なテクニックをおさらいしよう。

*  *  *

生成AIを扱う基本の作法として、

(1)プロンプトの工夫
(2)チャットの整理整頓

いう2点は早めに押さえておこう。有効なプロンプトを生成AI自身に用意させ、膨大な履歴が蓄積するまえに整理整頓に取り組んでおくことで、使い勝手はグッと改善しやすい。

ちなみに、トークン(生成AIの利用量の基準となる単位)を節約するテクニックとしては、ひとつのチャットに複数のテーマを混在させないことや、長く続いたチャットは引き継ぎ用プロンプトを作成して新規チャットに情報を引き継いで改めること、などがあるので頭の隅に入れておきたい。

作業効率をアップするという視点では「カスタム指示」の活用や、マルチモーダルな入力(テキストだけでなく文書や画像、音声を添付する指示)などもうまく取り入れたい。それぞれ「メール返信」や「議事録作成」の文脈に対応させているので、可能な範囲で実際に試してみてはいかがだろう。

ITライター
井上 晃
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスなどを取材。Webメディアや雑誌などに記事を寄稿する。

【AI活用のきほんの「き」】

<デキるプロンプト作成法>

■プロンプトのフォーマットもAIで準備しよう

出力精度を上げるためにプロンプト(≒指示文)を細かく指定すべきかどうかは、いまや使用するAIモデルによっても議論が分かれるところだ。しかし、一般ユーザーの視座に立ち、これから生成AIを使いこなしていこうと考えるうえで、プロンプトの駆使はやはり基本的なスキルとして大切。ただし、長文になりがちなプロンプトを毎回手動で全文入力しようとするのは本末転倒だ。プロンプトのフォーマットを生成AIに出力させて楽をしよう。

▼ChatGPT

▲例えば、ChatGPTで「◯◯するためのプロンプトを書いて」と指示すると、あっという間にフォーマットを用意できる

↓

▲フォーマットで入力必要な部分を書き換えることで、普段と異なる出力ができた。プロンプト用の生成AIを分けてもよいだろう

<チャット整理のやり方>

■使い込む前に整理方法を確認しよう

生成AIを使う頻度が増えてくると、まるで“ブラウザの検索履歴”のように、用途ごとに生成した膨大なチャットが散らかってくる。お気に入りのWebサイトをブックマークするかのごとく、各生成AIサービスの整頓機能を駆使して、重要なチャットの内容が後から確認しやすくなるよう、心がけておきたい。

▼ChatGPTの「プロジェクト」機能

▲ChatGPTでは「プロジェクト」単位でチャットを整理できる。メニュー・チャットの一覧から「新しいプロジェクト」で作成可能だ

▼Geminiの「一時チャット」

▲Geminiの「一時チャット」は履歴に保存されず、その場限りの調べごとなどに最適だ。チャット画面右上のペンアイコンから使える

<メール返信を効率化>

■タグを使ってメールのフォーマットを指定

チャット型AIだけでもメール作成を効率化する方法はある。例えばChatGPTならば、設定画面から「パーソナライズ」を選び、「カスタム指示」の入力欄に、目的のメールのフォーマットと呼び出し用のタグを指定しておこう。タグを指定することで、フォーマットを元にメール文章を生成できる。Geminiの「Gem」、Cladeの「Claudeへの指示(あるいは指示)」でも同様のことが可能だ

▼ChatGPT

▲まずChatGPTの「カスタム指示」機能にメールのフォーマットを入力し、そのフォーマット呼び出すタグを指定しておこう

↓

▲タグでフォーマットを指定しつつメールを作成。送信アイコンをタップすれば、メールアプリが起動し、テキストが入力された状態に

<会議の議事録を作成する>

■音声ファイルを添付して情報を整理しよう

前提として、機密情報が関わる議事録作成には、企業・組織にて許可されたグループウェアやSaaSを活用すべきだ。主要ツールでは文字起こしや、話者分離、要約機能などが備わっていることだろう。一方、私的なシーンでの利用で機密性を意識しなくてよい内容ならば、チャット型AIの無料枠で議事録作成を試みるのもありだ。その際には、話者分離や要約、インサイトの抽出なども指示しよう。

▼Gemini

▲主要なチャットAIサービスは、マルチモーダルな入力に対応している。音声ファイルを添付したうえで、指示を実行してみよう

↓

▲Geminiの無料アカウントにて、仮想の会議音声データから、話者分離ありの文字起こしとインサイトの抽出を行った画面イメージ

こからは少し応用編。前ページのように必要なテキストを整える使い方だけでなく、

(1)情報検索、
(2)アイデア出し
(3)情報共有

といった実用性の高いユースケースを想定しながら、ポイントとなるテクニックや機能を押さえていこう。たとえば情報検索では、通常のチャット回答だけでなく「Deep Research」機能を使うことで、数百の情報源を横断しながら推論を伴う調査レポートを得られる。表組生成のコツを知っていれば、情報整理の負担も減るはずだ。

アイデア出しでは、1度の出力で正解を求めず、

(1)候補のリストアップ
(2)気になる案の深掘り
(3)仮説を投げて壁打ちする

こうした工程を挟むことで、最終的な完成度が高まりやすい。出力をコピーして別のAIにブラッシュアップさせるのも有効な手段といえる。

さらに画像生成機能を使えば、企画の方向性を具体的なイメージに落とし込める。既存の写真を編集することもあれば、チャットでまとめた情報をインフォグラフィックやスライドに整えることも可能なのだ。

<情報をまとめる>

■高精度の検索と表組での出力を試そう

高精度の検索には「DeepResearch」機能が最適。通常の応答が数件のWebサイトから得た要約だとすると、数十から数百の情報源を元にじっくり調査レポートを書き上げるイメージだ。また、情報を使いやすく出力するには表組も使いたい。Geminiでは設定次第でGoogleスプレッドシートとも連携できるが、CSV形式のテキストデータで出力し、手動で拡張子を.csvに変更する方法も手軽なので覚えておきたい。

▼ChatGPTのの「Deep Reserch」

▲ChatGPTの場合、プロンプトボックスの「+」から「プラグイン」を選び、「Deep Research」を選ぼう。出力には時間がかかる

▼Geminiの連携機能

▲GeminiではGmailの「設定」からWorkspaceのスマート機能をオンにしていると、各種Googleサービスとの連携機能が便利になる

<アイデアを練る>

■使う生成AIはひとつに限定しなくてもよい

アイデアを練るなら、1度の出力で正解を得ようとしないのが王道だ。(1)AIに候補をリストアップをさせ、(2)気になる回答を深掘りしつつ、(3)ユーザー自身の仮
説を投げて“壁打ち”で磨き上げるという流れが定石だ。出力をコピーして別のAIに入力し、AI同士でブラッシュアップさせるのもよいだろう。アイデアがある程度練り上がったら、「ここまでの内容を元に要点を整理して」とまとめよう。

■「ChatGPT」で深堀りした内容を「Gemini」でさらにブラッシュアップ!

▼ChatGPT

▲まずはChatGPTで出力するアイデアの数を指定して、リストアップさせよう。もし気になるアイデアがあれば、深掘りしてもよい

↓

▼Gemini

▲ある程度アイデアが整ってきたと思ったら、Geminiに「これどう思う?」と確認。新たな視点での指摘や気づきを取り入れやすい

<企画の完成イメージを作る>

■写真を元にAIが完成予想図を見せてくれる

現場の写真使用が問題ない場合には、例えばオフィスの模様替えや店舗のディスプレイ変更などを行う際に、画像にAIで修正を加えるのもありだ。企画の方向性を具体的にイメージし、チームでの共通認識を固めやすくなる。設置予定のアイテムについて色やサイズ感などがイメージに合うかどうかを確認したり、鏡やインテリアなどどのような装飾を追加するとよいかなどを検討したりできるはずだ。

▼ChatGPT

▲ChatGPT でデスクの写真を添付して、モニターアームを追加するよう指示。設置後のイメージが生成される。製品を指定してもよい

↓

▲色やテクスチャを変更するような検証も行える。画像はデスクの天板を大理石風の雰囲気に変えた場合を確かめてみた様子

<情報を共有する>

■情報共有するならひと手間加えるとベター

出力結果を元に情報を他人に共有する際には、情報をグラフやインフォグラフィック、プレゼンテーションスライドなどにまとめることで、ビジュアルで直感的に理解しやすい資料に整えられる。Geminiの「Canvas」やClaudeの「アーティファクト」など、Webページのプロトタイプを作成する機能を応用するという手もある。

▼Gemini

 

▲Geminiでピックアップしたキャンプ場の情報を、インフォグラフィックとしてまとめた例。画像ではキャンプ場名はマスクしてある

↓

▲Webデザインの入門知識があれば、Webページとして整えてもよい。ページ内ボタンへのリンク配置やURLでの共有など、応用も聴く

<気になるテーマについて学ぶ>

■投げかけられる設問を通じて理解を深めよう

生成AIは、スキルアップや勉強とも相性が良い。目的分野について、学ぶべき項目を大量にリストアップしてマイルストーンを作成したり、学習用・復習用のコンテンツをオリジナルで作成したりできる。またGeminiには「ガイド付き学習」なる機能もある。同機能では段階的な問いかけを通じて理解を深められるのが特徴だ。

▼Gemini

Geminiのプロンプトボックスの「+」から「ガイド付き学習」を選んだ出力の例。対話の最後に、考えを促す設問が投げられている。

■AIの天敵! ハルシーネーション回避術

LLM(大規模言語モデル)は、単語に「次に続くそれっぽい単語」を繋げる仕組みで文章を作る。それゆえにもっともらしい嘘を付くことがある。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼ぶ。ハルシネーションのリスクを完全にゼロにすることは難しいが、なるべく確率を下げるためには、

(1)生成に使う情報源を限定する
(2)生成時のプロンプトに情報が不明な際の挙動などを指定する
(3)人力でのファクトチェックを行う

などの工夫をしたい。

▼Claude

▲Claudeで生成したハルシネーション回避のためのプロンプト

>> 特集【デジタル&AIギア 完全ガイド】

※2026年10月6日発売「GoodsPress」11月号44-47ページの記事をもとに構成しています

<文・監修/井上晃>

 

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