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“料亭の土鍋ごはん”を目指して20周年を迎えたタイガー魔法瓶【GPジャーナル】

毎月、独自のイノベーションや情熱、モノづくりへのこだわりを持った“気になる企業”にズームアップ。その現場の裏側を深堀りします!

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【VOL.08】
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タイガー魔法瓶株式会社

設立年:1923年
従業員数:704人

1923年創業、「世界中に幸せな団らんを広める」を掲げるメーカー。「虎印」魔法瓶から始まり、独自の真空断熱と熱制御技術で炊飯器や水筒を展開。その確かな品質は宇宙実験にも選ばれるほど高い評価を得ている。

■温度と真摯に向き合ってきた企業が、料亭の土鍋ごはんを目指して20周年を迎えた

1923年の創業以来、「世界中に幸せな団らんを広める」をビジョンに掲げてきたタイガー魔法瓶。一本の「虎印」魔法瓶から始まった同社の核にあるのは、長年培ってきた「真空断熱技術」と「熱コントロール技術」だ。

水筒や電気ケトルなど、熱を自在に操る技術で日本の食卓を支え続けてきた。この卓越した技術が最も顕著に結実しているのが、弊誌をはじめ数々のメディアで賞を総なめにしてきた「炊飯器」である。

同社が土鍋炊飯器に向き合い続けてちょうど20年。理想として行き着いたのは「料亭のごはん」だった。目指したのは、土鍋で炊きあげるもてなしの一杯。

土鍋特有の高火力とやさしい泡で米を包み込み、傷つけることなく旨みと弾力を最大限に引き出す。ツヤとハリのある理想的な一粒を追い求めた熱制御のノウハウのすべてが、ここには詰まっている。

今回はそのものづくりの拠点である大阪本社と工場を取材し、至高の旨みを生み出す情熱と徹底したこだわりの裏側に迫る。

■手作業で1日約200台製造。大阪・門真市にある炊飯ジャーの本社工場に潜入!

三重・四日市で焼き上げられた本物の土鍋釜を受け取り、大阪・門真の工場で一基の炊飯器へと組み上げていく。

天然素材ゆえに生じる土鍋特有の微細な個体差を職人の技で見極めながら調整し、精密パーツの組み上げから加熱・圧力の通電検査までを徹底。

さらにAIカメラと人の目を組み合わせた最終確認を重ねることで、全国の食卓へ変わらぬ“料亭の味”を届けている。

「自動化できるところと、人の手でしかできないところを見極めて効率化しています」と話すのは、本社工場マネージャーの山口さん。毎日200台と徹底管理された製造現場を細かくチェックしていこう。

タイガー魔法瓶
生産グループ
本社工場 マネージャー
山口壮一さん

 

 

▼タイガー魔法瓶 本社工場

職人の手技と先進AI技術を組み合わせ、土鍋釜などを用いた高品質な炊飯器を組み立てるタイガー魔法瓶の中核生産拠点。

■前作り

IHコイル周りの樹脂部品や緩衝材を精度高く固定し、精密センサーなどを手際よく設置。炊飯器の心臓部となる重要ユニットをあらかじめ正確に組み立てる基盤工程。

▼これをつくる!

▲素材に合わせてネジの種類を使い分け、熟練の職人が1つひとつ手作業で丁寧にビス打ちを行っていく

▲整然と並ぶ光景はまさに圧巻。毎日綿密に計算された計画のもと、着実に製品が生み出されていく

■フタ組み立て

フタ内部へヒーターや圧力機構、操作パネルを組み込む。緻密な配線接続とチェックを徹底し、動作確認から空気漏れ確認までをクリアした高性能なフタユニットを完成させる。

▼これをつくる!

▲このラインだけで8名、さらに繁忙期前は倍の人数に。帽子の色で担当できる作業が明確に分けられている

▲ヒーターや圧力機構が密に詰まるフタ内部は極めて繊細。その複雑さゆえ組み立てには極めて高い技術を要する

■本体組み立て

基板や冷却ファン、各種機構を熟練技で組み上げ、複雑な配線を整理。ビス留めで外形を完成させた後、通電して加熱や圧力を厳しく検査・確認する。最終的な清掃を経てAIカメラと人の目で二重チェックし、梱包される。

▲フタやセンサーを熟練の技で装着。中でも圧倒的技術を持つ者は「匠」と呼ばれ、わずか2名しか存在しない

▲フラッグシップモデルの繊細なモニターを取り付け。非常に精巧なため、他製品以上に細かく厳しい検査を行う

▲通電して蒸気を発生させ、高圧がかかった状態でも問題がないかを厳格にチェックしている

▲炊飯器1台分の部品を集めて自動で運ぶ無人搬送車。「人である必要がない」部分の作業効率アップに貢献

■炊飯ジャーの要!土鍋は三重県四日市市で、3カ月かけて丁寧につくりあげる

2006年に業界で初めて内なべに導入して以来、職人とともに歩み今年で20周年を迎えた土鍋釜。伝統工芸品「四日市萬古焼」を採用し、約3カ月かけて高温で焼きあげる「三度焼き」などの工程を経て、熟練の技と精密な測定により完成する。圧倒的大火力、高い遠赤効果、激しい泡立ちという土鍋ならではの強みと、20年かけて高めた寸法精度・強度が融合し、他では決して再現できない至高の炊きあがりを実現している。

▲10種以上の原材料から作られ、一般的な二度焼きに対し「三度焼き」で土の温もりを活かす。最後の難関である発熱体シートの貼付は圧倒的技術を要し、手がけられる職人は世界にわずか6人だけ

■土鍋にしかできない究極のおいしさを求めて20年。これからも進化を続けていく

▲職人が技を磨き、土鍋の圧倒的大火力と遠赤効果で炊き上げる一粒は、かむほどに甘みと弾力が満ちあふれる

弾力と噛み応えがあり、甘みが際立つ粒立ちごはんがタイガーらしさとされている。

かつては柔らかく甘いごはんが好まれたように、時代に寄り添い味を進化させてきた。近年ささやかれる炊飯器離れに対し、AI等を活用した手軽さの模索を進めつつも、目指すのはどこまでも“おいしいごはん”の追及だ。

「直火の土鍋は約400℃に達するが、現在フラッグシップモデルの土鍋釜は約300℃。ハリや香りを高める伸びしろはまだある」と商品企画チームマネージャー・辻本さんは語る。

華々しく20周年を迎えて、さらなる理想の炊きあがりを追い求める、タイガーの飽くなき探求心に今後も目が離せない。

タイガー魔法瓶
ソリューショングループ
商品企画チーム
マネージャー
辻本篤史さん

 

 

 

▲本社に併設されたショールームには現行品や歴史的な歴代製品がズラリと並び、100年を超える確かな技術力と歩みを体感できる

▲1984年発売のマイコン炊飯ジャーJSO型。早炊きや熾火むらし等を備え、思わず懐かしさを覚える名機だ

▲試食時にごはんのお供としていただいたのは、左から福岡の明太子、北海道の鮭、広島の牡蠣醬油の味付けのり。どれも美味!

タイガー魔法瓶
「土鍋ご泡火炊き JRT-A100」(14万8500円)

萬古焼土鍋を採用した20周年記念の最高峰モデル。最高約300℃の圧倒的大火力を生む独自構造と、お米を傷つけない繊細な泡立ちで、一粒ひと粒に甘みと力強い弾力を閉じ込めた至高のごはんを炊き上げる。5.5合炊き

>> 連載【GPジャーナル】

※2026年10月6日発売「GoodsPress」11月号102-105ページの記事をもとに構成しています

<取材・文/GoodsPress編集部 撮影/奥田高文 イラスト/福島モンタ>

 

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