さて、早くも2度目の開催である。
会の方向性を定める0次会だったが、
大きな手ごたえを得ていよいよ本格始動となった。
つまり、学びもより高みを目指さなければならない。
単なる飲み会では許されない。
遊びだからガチでやる。
なめろう感、を考える。
というわけで、記念すべき第1回のテーマは「粒度」である。
魚の身をどこまで細かくするか、だ。
前回「味噌の味が勝たないほうが、なめろう感が強くなるようだ。」と書いたが、そもそもなめろう感とはなんだろう。
包丁を使って細かく叩いた料理ということだから、やはり舌の上での滑らかさを基準とすべきか。そうすると粒度はできる限り細かい方が良いという話になる。
しかし、前回、粒度が大きいものの方が食べ応えで喜ばれていたではないか。
なめろう感と喜び、いったいどちらを優先すべきなのか。
本家とリブートの違いみたいなものだろうか。
悩んでいても仕方ないので、今回用意した4種の素材全てにおいて、粒度を変えて2種類作ることにした。
秘密兵器も投入された。ミンサーである。
ずっしりと安定感のある砕肉機は、モノとして圧倒的な存在感を放つ。
肉屋でおなじみではあるが、別に魚に使って悪いわけではないはずだ。
さらに、美しくなめろうを写すため、カメラマンによって専用の撮影ボックスも用意された。
現場で開梱したところ電源コードがないという痛恨の不良品であったが、
蛍光灯デスクライトを組み合わせることで実用に耐えた。
白いボックスで囲むだけで、一気に商品写真感が増す。
全員それぞれ本気で遊んでいる。これは期待ができそうだ。
粒度で確かに味噌の存在感が変わる
活〆アジ(三重)
グレ(三重)
マカジキ(千葉・勝浦)
シマアジ(三重)
アオリイカ(神奈川・佐島)
驚いたことに、粒度で味噌の味わいが明確に変わった。簡単にいうと味噌馴染みだ。粒度が小さいほど(細かいほど)味噌が馴染み、味わいがまろやかになる。
粒度が大きいと、美味しい刺身に味噌をまとわせて食べている感じだ。日本酒にはこちらが断然合う。口の中で双方が交互に主張するものの、まあまあどちらもおいしいよ、と鷹揚に構えていたら、絶対に飲みすぎる。
なお、一般的なアジよりもさらに弾力のある種類(今回はグレ )は大きすぎないほうが主張が強すぎず、ちょうどいい具合になるようだ。
なめろう、奥深い。
米には粒度が小さい方がよい
さらに今回は禁断の飛び道具を用意した。米である。
日本酒にあうのだから、白いご飯があわないわけがない。
こちらも面白いことに、米に乗せる場合は粒度が小さいほうが断然美味しい。
たぶん米粒のサイズの問題ではないかと思うが、小さいほうが絶対的に米に馴染む。なめろうは、いまや美味しいご飯の友以外の何物でもない。
気づいたら写真を撮り忘れるほど、夢中になっていた。
米の飯と味噌と魚。いやはや日本人の心そのものじゃないの、これ。(恍惚)
ちなみに、焼き立ての餅にのせるとさらに美味しい。
餅がなくても、なめろうを焼いた「さんが焼き」だけでもちろん美味しい。
石油ストーブなら、暖がとれるうえに焼きもできる。
デジモノに囲まれる日々、たまにこんな息のつき方も良いものだ。
日本酒→米→餅。
まさに恍惚のなめろうエンドレス。
なめろうが誘うのは、日本酒の蒸発だけではない。
本日の学び:
なめろうは粒度で味噌の主張が変化する。
日本酒には粒度大きめが美味しい。
米には粒度が小さい方があう。
餅に乗せるとほっぺたが落ちる。
さんが焼きも美味しい。
やっぱりなめろうは完全食。
執筆:小林聖
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000121347/
- Source:デジモノステーション
- Author:東京なめろう会
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