Apple Watch、心房細動の検出率に関する研究結果

Apple Watch Series 4 Apple 心電図
 
Apple Watch心電図アプリについて、心房細動の検出率に関する情報が報じられました。一定の条件下にあるユーザーは、検出率について注意が必要なことが明らかになっています。

研究結果の内容

2020年2月27日付けのFortuneの報道では、AppleがFDA(Food and Drug Administration)に提出した情報と、最新の研究結果から、Apple Watchの心電図アプリによる心房細動や不整脈の検知機能について、過度に頼りすぎないように伝えています。

約42万人のスマートウォッチ装着者を対象に行われた研究結果

New England Journal of Medicine誌に2019年に掲載された研究内容は、「8カ月の間に、スマートウォッチを装着して不整脈の通知を受け取った約42万人を対象に、心房細動の検出率を調査した」ものです。
 
Appleが研究資金を助成して行った本研究では「スマートウォッチによる心房細動への注意喚起の通知は、84%が正しいものであった」と結語を記しています。
 
この結語を受け、「Apple Watchは不整脈や、そのもととなる疾患を予見することに有用な消費者向けデバイスである」と研究者は結論づけています。

心臓手術を受けた患者を対象に行われた研究結果

クリーブランド・クリニックが行った研究結果は、2020年2月24日にCirculation誌に掲載されました。この研究は、心臓手術を受けた患者群に対して行われました。
 
結語として、「心臓手術を受けた患者群において、手術後に発症した心房細動をApple Watchがどの程度正確に検出できるかを調査した。調査期間中に患者に発症した心房細動の総数90件のうち、Apple Watchが検知して通知したのが34件、41%だった事を報告する」と記しています。

心房細動発症患者における心拍数に関する研究

メイヨー・クリニックは、心房細動を新たに発症した患者における、心拍数に関して研究を行いました。その結果は2015年にAnnals of Medicine誌に掲載されています。
 
研究結果として、「新たに心房細動を発症した2,821人の患者の観察を継続した結果、心拍数の平均値は109(1分間に心臓が拍動する回数)だった。しかし、3分の1の患者の心拍数は120を超えており、それを下げるためにβ(ベータ)遮断薬の投与を受けていた。心房細動を発症すると、心拍数が1分あたり100〜175に上昇する。しかし、心拍数を下がるための治療を受けている患者では、心房細動を発症しても(未治療の場合、本来はもっと高い)心拍数が過小評価される恐れがある」と述べています。

研究結果を通じた、心電図アプリへの正しい理解

9to5Macは、この報道とAppleによるFDAへの申請内容から、Apple Watchによる心房細動の通知について、下記のように消費者への理解を促しています。
 

  • Appleは、「Apple Watchによる、心拍数が120を超えた状態での心房細動の検出」について、FDAへの認可申請を行っていない
  • メイヨー・クリニックが行った研究結果から、心房細動発症患者のうち、3分の1の患者は心拍数が120を超えていた
  • クリーブランド・クリニックが行った研究結果から、59%の心房細動は通知されなかった
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    最終的に、「Apple Watchと心電図アプリによって、心房細動が検知され通知される確率は約40%〜70%だが、装着していなければそれは0%である」と報じ、過度に頼りすぎることは禁物だが、未装着者と比べればはるかに健康維持に貢献していると述べています。
     
    日本では現時点で、Apple Watch Series 4以降で利用できるようになった心電図アプリおよび通知機能を利用することは出来ません。
     
     
    Source:Fortune via 9to5Mac
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