古さを感じさせない魅力がある!1980~90年代の四角い輸入車 6選

「四角いクルマに乗りたいのに、最近は丸いものばかりで選択肢がない」
クルマの購入を考えている人からこんな声を聞くことがあります。

クルマのデザインが自分たちのライフスタイルにマッチしないという人が注目しているのが旧車。ただ、あまりにも古いものだと維持の心配も付きまとい、購入に踏み切れない人も多くなります。

そこでお勧めしたいのが、ちょうど日本の元号が昭和から平成に変わったあたり――1980年代後半から90年代前半に登場したモデルです。

あまりにも古いクルマだと敷居が高くなりますが、この時代のクルマはまだ比較的パーツが見つけやすいのでビギナーでも選びや少っています。また、エアコンなどの必需品もついているので夏でも乗りやすいなどのメリットが。

前回の国産車編に続き、輸入車のおすすめモデルを2020年5月現在の中古車相場状況ととともに紹介します。

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1. ボルボ 240

FR時代のボルボの中核を担ったモデルが240。1974年から1993年まで製造され、日本ではバブル景気に押され、フォトグラファーをはじめとするクリエイターや広告マンが真っ赤なエステートに乗っていたというイメージがある人も多いのではないでしょうか。

飾り気のない四角いスタイルは独特で、欧州ツーリングカーレースに出場していた240は、空飛ぶレンガ(Flying Brick)と呼ばれていました。

流通量が多いのはエステート(ステーションワゴン)とセダンの2タイプで、日本ではほぼ見かけないもののクーペも存在。この時代のボルボというとエステートのイメージが強いですが、セダンの上品なスタイルもマニアから支持されています。

エステート、セダンともに荷室は広く、たくさんの荷物を積んで出かけることも可能。エステートは50台ほど流通していて価格帯は50万〜230万円、セダンは20台ほど流通していて価格帯は40万〜190万円となっています。

 

2. アルファ ロメオ アルファ155

先代のアルファ75がFRだったのに対し、1992年に登場した155は駆動方式がFFに。後に登場する156が曲面を多用したデザインになったことから、アルファ164、アルファ145とともに最後の四角いアルファロメオといえるモデルとなりました。

ドイツツーリングカー選手権(DTM)などでの活躍で日本でも大ヒット。この無骨で悪そうな表情に憧れた人も多いはず。1995年7月のマイナーチェンジでオーバーフェンダー装着したことで、前期型と後期型では全体の雰囲気が大きく変わります。どちらがいいかは好みの分かれるところでしょう。

エンジンは前期型が2Lのツインスパークと2Lターボで4WDのQ4、後期型で2.5L V6が追加されます。また、ツインスパークは後期型で16バルブに変更されました。1998年には、ファイナルエディションを発売。V6が250台、ツインスパークが500台輸入され、それぞれシリアルプレートが付けられています。

155の中古車流通量は約20台。ツインスパークよりV6の方が多く、Q4はかなりレアな存在です。価格帯は40万〜230万円となっています。購入時にはパーツの手配が可能かなど、ショップでメンテを頼めるかをしっかり確認してください。

 

3. フィアット パンダ

ジョルジェット・ジウジアーロの代表作である初代パンダは、1980年に登場。1980年〜1986年に製造されたものがセリエ1、1986年〜1999年に製造されたものがセリエ2と呼ばれています。

ほぼ直線で構成される小さなボディはスペース効率に優れ、快適とはいえないものの、後部座席にも大人が座ることが可能。駆動方式はFFと4WDの4×4があり、トランスミッションは5MTとCVTのセレクタが存在します。

現在流通している中古車はほとんどがセリエ2で、しかも1990年式以降のものが圧倒的に多くなります。中古車の流通量は約50台で、40万〜130万円と手の届きやすい価格帯に。人気があり同年代のイタリア車に比べればパーツもまだ見つけやすい部類に入りますが、購入時にはメンテをしっかり頼めるかショップで確認しましょう。

 

4. フォルクスワーゲン ゴルフII

ジョルジェット・ジウジアーロがスタイリングを手掛けたゴルフIが登場したのは1974年。そのコンセプトを受け継いだゴルフIIは1983年に本国デビューし、1984年から日本に導入されました。

初期のゴルフ IIには三角窓が付いていましたが、1988年モデルから三角窓がなくなっています。直線基調のラインに丸いライトがついたゆるいデザインは普遍的な魅力がありますね。専門店のFacebookを見ていると、30代くらいのオーナーが多数いるのもうなずけます。

ベーシックなCiやCLiを選ぶか、ホットハッチのGTIを選ぶかは好みになりますが、GTIは状態をよく見て選びたいところ。GTiは1986年式までが8バルブ、1987年式から16バルブエンジンになっています。

ゴルフIIのトランスミッションは5MTと3AT。ドア数は3ドアと5ドアが存在。中古車サイトを見ると流通量は10台程度となっていますが、在庫をたくさん持っている有名専門店もあるので、探すのに苦労はしないはず。価格帯は70万〜180万円となっています。

 

5. ジープ チェロキー

1980年代後半から90年代中盤にかけて日本に巻き起こったアウトドアブーム&クロカンブームの中で、この2代目チェロキー(XJ型)の人気も高まりました。

しかしその後のミニバンブームや小型車ブームの中で、チェロキーは影を潜めていきます。その理由の1つに、XJ型以降のチェロキーが丸型のデザインにシフトしたことが挙げられるのではないかと感じています。現行型はチェロキー、グランドチェロキー共にラグジュアリー路線になっています。

ここ数年、シボレー アストロやビュイックリーガルワゴンなど90年代に流行したアメ車を見かけることがあります。その中で、チェロキーの注目もにわかに高まり、専門店も存在します。

XJ型チェロキーの流通量は70台ほど。価格帯は50万〜170万円。現代のSUVにはない脱力したゆるい雰囲気を手ごろな価格で味わえますよ。

 

6. ランドローバー レンジローバー

1970年にデビューしたレンジローバーは、圧倒的な悪路走破性と、それを感じさせない乗り味から“砂漠のロールス・ロイス”と言われることも。

大きな四角いボディと丸く小さなライトの絶妙なバランスはこの世代だからこそ味わえるもの。英国王室御用達の上品な佇まいは、スポーティさを強調したり、押し出しを高めた現代のSUVとは一線を画す独特な雰囲気です。

“クラシックレンジ”には標準グレードと上質さを高めたバンデンプラがあります。1993年モデルからはサスペンションが電子制御式のエアサスになりました。

中古車流通量は15台ほどで、価格帯は300万〜500万円。購入時は信頼できるショップを探し、購入後のメンテナンス費用も余裕を持っておくといいでしょう。

 

文/高橋 満<ブリッジマン>

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。


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