Appleは、日本時間5月15日、2020年版「サプライヤー責任」の進捗報告書を公開しました。Appleだけでなく、素材の採掘、部品製造、製品組立て、販売、そしてリサイクルといったサプライチェーン全体での人権保護や環境保護の取り組みが詳しく紹介されています。
新型コロナへの対応についても言及
Appleが毎年公開している「サプライヤー責任」の進捗報告書では、労働者の人権保護や教育の提供、健康と安全の確保、サプライチェーン全体を通じた環境保護の取り組みに関する最新情報が紹介されています。
2020年の進捗報告書の巻頭には、ティム・クック最高経営責任者(CEO)によるメッセージが掲載されています。
私たちは、「何を作るか」と同様に「どう作るか」を重視しています。
私たちは、あらゆる活動において、人を第一に考えます
2019年6月に、サプライヤー管理の責任者であるオペレーション担当上級副社長に就任したサビ・カーン氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)に対応したサプライヤーの努力に感謝を述べるとともに、サプライヤー従業員の健康観察、人と人の距離確保などの感染予防策についても言及しています。
2020年版の進捗報告書には、多くの情報が掲載されていますが、その一部をご紹介します。
サプライヤー従業員の人権保護
- 2008年以降、労働者の権利に関する研修を受講したサプライヤー労働者は累積1,940万人
- 42,885人のサプライヤー従業員が、職場の満足度調査に参加
- 負債による強制労働をなくすため、2019年に約1.3億円の斡旋手数料が、462人のサプライヤー従業員に払い戻された
教育の提供
- サプライヤー従業員向けの教育プログラム(SEED:Supplier Employee Education and Development)に、2019年だけで154,700人が新たに参加し、2008年からの累積参加者数は400万人を突破
- 2018年から、サプライヤー従業員を対象にSwiftのプログラミングを学ぶコースを提供し、これまでに3,500人が受講
- 41人がアプリ開発のコースを受講し全員が修了。10人は、自分の業務に関連したアプリも開発
健康と安全
- 中国、インド、ベトナムで健康教育プログラムを実施し、栄養学、乳がんの早期発見のための自己検診、妊産婦の健康などのトレーニングを実施
- 2019年だけで健康に関するトレーニングに、サプライヤー従業員84万人以上が参加
環境保護
- トラック10万台分に相当する、130万トンの廃棄物が埋め立てされずに転用
- 155のサプライヤー施設が廃棄物ゼロプログラムに参加
- 製品製造に使用する水の再利用率は40%
- 水の再利用により、4,800万人以上の1年間分の飲料水に相当する、3,520万キロリットルの水の使用を節約
- 温室効果ガス排出を、2019年の年換算で100万トン以上削減。1年間に22万876台の車を道路から取り除くのに相当
- iPhoneの最終組み立て施設の大半が、2020年末までにエネルギー使用を20%減らす目標に取り組んでいる
- 92のサプライヤーが、2019年にエネルギー効率化プログラムに参加
- 製品の輸送時に使われる保護フィルムをリサイクル可能とし、輸送用トレイとして再利用することで埋め立て処理や焼却処理になることを防いでいる
Source:Apple「サプライヤー責任」
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-288997/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania
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