“インド製”iPhoneの生産促進なるか〜インド政府がインセンティブ・スキームを改訂

iphone se インド
 
インド政府は、海外企業に国内での電子機器製造を促すインセンティブ・スキーム「生産連動型優遇策(PLI)」を導入していますが、同スキームからAppleが投資決定を渋る理由になっていたとされる条項が削除されたため、“インド製”iPhoneの生産台数が今後増加するのではないかと期待されています。

海外企業のインド進出に拍車か

日本貿易新興機構(ジェトロ)は、インド政府のPLIスキームについて以下のように説明しています。
 

PLIスキームは、携帯電話や特定電子部品の大規模製造のために供与される総額4,100億ルピー(約5,740億円、1ルピー=約1.4円)のインセンティブで、インドで製造された対象セグメント製品の売上高の増加分に対して4%から6%の割合が、2020年8月1日から5年間補助金として支払われる。インセンティブの適用には年度ごとに追加投資額および売上増加額のそれぞれに基準があり、双方とも毎年満たす必要がある。

 
Appleがインド国内の生産施設への投資を渋る理由となっていたのは、中国と韓国から購入した生産設備の評価額は、実際価値の40%としてカウントされるというスキーム内の条項でした。補助金を受けるためには一定の投資額に達する必要がありますが、これまでのルールでは評価額が6割減となってしまうため、インド国内で同じ機械設備を調達して評価額を上げるか、必要な量の2倍以上の設備を輸入しなければなりませんでした。
 
今回、インド政府が「中国と韓国から購入された生産設備の評価額は60%減」の条項をPLIスキームから削除したことで、Appleを始めとする海外企業は恩恵にあやかりやすくなるため、インド国内でのデバイス生産の増加が期待されています。

条項削除はAppleのインド進出の助けに?

Appleは、今年中にインド国内に公式オンラインストアのオープン、来年に直営店の開店を目指しています。Appleのような海外企業がインド国内で直営店を持つためには、製品の最低30%以上が国内産である必要がありますが、今回のインセンティブ・スキームの条項削除は、Appleにとって条件クリアの大きな助けになるとみられています。
 
AppleはiPhone生産の最大5分の1を中国からインドに移行させると5月半ばに報じられましたが、今後“インド製”iPhoneの生産台数がさらに増えていく可能性は十分考えられそうです。
 
インドでは、廉価なiPhone SE(第2世代)投入で国内のiPhoneシェアは今後さらに拡大するとみられています。
 
 
Source:The Economic Times via AppleInsider, ジェトロ
Photo:MacRumors
(lexi)


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